« sequestrationの単語が目に付いて | トップページ | 宇都宮の桜開花日予測が今年もまたずれて »

2012年4月13日 (金)

ATR72がロシアで墜落

久し振りに旅客機の墜落事故だ。4月2日の朝 ロシアのチュメニ空港近くでロシアの国内線ターボMap2 プロップの72人乗りコミューターが墜落した。UTair航空のチュメニ発スルグト行き120便ATR72-200で離陸直後の現地時間午前7:30、(GMT:0130) 頃の事故という。機体は3つに折れて大破し39名の乗客のうち11名は負傷しながらも助かったが他の乗客と4名の乗員は死亡している。UTair航空はチュメニの油田産業を需要の背景に持ちチュメニを中心にB737とターボプロップのATRを主として計105機の旅客機を運航、これとは別にヘリチャーター事業ではロシアで最大の規模を誇っている。それなりの規模のエアラインで昨年のパリエアショーで737-800を33機発注しており事業を更に拡Gsmap_html_image201204020100 大中の状態にあった。UTair航空はソ連崩壊後にできたエアラインで2007年にTu154の墜落事故を起こしている他2008年、2011年にヘリの死傷事故もありこのところやや事故が多い。事故機のATR72はフランスのATR社製の72人乗り双発ターボプロップ機でATR社はボンバルディア社とターボプロップ旅客機市場を2分しており、ボンバルディアに較べやや小さAtr72201_vpbyz いエンジンで燃費がよく価格もやや安く最近は市場でよく売れている。
チュメニはウラル山脈のすぐ東にあり山から平野に移っていくところに位置、空港は標高113mに2本の滑走路を持っている。事故機はメインの3000m滑走路(03/21)から離陸しており、当時の気象条件をMETARで調べると風は240度から6m/sで右30度の風になるが大した横風でもない。天候は曇りにスノーシャワーで雲低は1300ft、雷雲があり、気温マイナス1℃、湿度100%でみぞれがスノーシャワーに変わったところだったが視程は10kmとまずまずということもあって離陸したと思われる。フライトレコーダも回収され事故原因は調査中だが着氷が疑われている。湿った零度付近の状況でいかにも厳しい着氷が発生しそうな気象条件だ。機体は防除氷スプレーを機体にかけることなく離陸し、また防除氷装置もオフだったと報道されている。ATRはパワーが弱めのこともあり着氷状態では上昇姿勢で失速に入りやすいしうまく上昇できないと思われる、過去に着氷で2度落ちている。
状況を見てみると気象条件を甘く見た着氷による墜落と素直に推定できる。
いかにもありそうな事故がロシア西シベリアの石油の町でフランス製の航空機で起こる、いつになくとげとげしさのない事故だ、日常のような事故だ、ロシアは普通の国になってきたように思えている。

|

« sequestrationの単語が目に付いて | トップページ | 宇都宮の桜開花日予測が今年もまたずれて »

コメント

経営陣はコストかからんよにより燃費が良い機体を選択するが、パワーが無いのは運転手には辛いやろ。

投稿: 頭の悪いおぢさん | 2014年7月24日 (木) 16時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ATR72がロシアで墜落:

« sequestrationの単語が目に付いて | トップページ | 宇都宮の桜開花日予測が今年もまたずれて »