春には激しさが
春にはむっとしたむせかえるようなぬくもりと激しさがある。そこが春らしい。しかし今年の春は格別だ。
強風が吹き荒れて低気圧はオホーツクへ抜けていった。今年は何だか北の寒気が南へ波
打って下りてくる様が激しいようで米国ではロッキー山脈沿いにニューメキシコまでおりてきて荒れた天気を南部にもたらし代わりに暖気が五大湖を超えて南から北へ張り出してこちらではとんでもない暖かさをもたらしたりもしている。大気が掻き混ざらなければ系が保てないのは南北の温度差が大きくなりすぎているということなのだろうか。赤道付近の海面温度の分布からはそのようでもなく、北極回りの極渦も極端に弱まって冷気を垂れ流している風でもない、変な感じだ。。しかし地球の大気系が極地と赤道部の温度差が大きくなりすぎて平均化しなければとのたうっているようなのは事実としか言いようがない。高度別に細かくみれば恐らくそういう部分が明らかにあるのだろう。
昨日会社の芝生にツグミが現れた。いつもは北への渡りが近づく3月には現れて遠くを眺める得意のポーズを披露していたが今年はなかなか現れず 遅い、どうしたのだろう、放射能が関係あるのだろうかと疑心暗鬼だった、しかしこの強い南西風でどこからか運ばれてきたのか、何事もなかったようにのんきに遠くを見つめている。いつもより寒い北の寒さの影響で常より南の地方まで下がっていたのだろう、とにかく現れてくれると常のサイクルが回っていることを確かめられて安心感を与えてくれる。
この前の日曜、4月1日も前日の強風の名残があったが梅を求めて市貝の観音寺に出かけた。北の寒さに押されて梅は4月というのにまだ満開にもならず遅い春を感じさせていたがもうツバメの姿があった、これは早い。宇都宮のツバメ初見の平年値は4月4日だ。やはり南は気温がいつもより高く、着いてみてこれは寒いとツバメはがっかりしているのかもしれない。
村上城址を一渡り見て下高根沢を経由して新しい道で宇都宮に戻っていたら右手にサシバだ。これも早い、こち
らは気象台のデータもないので感じだけだが、早いように思える。慌てて車を停めるがみるみる上昇気流で上がっていってしまった。南から渡って来る鳥が引き連れてくるように常より暖かな南の暖気がじきにどっとやってきそうだ。
暖かい南の空気はその暖かさをじりじり増し、北の寒さも歩調をあわせるようにじりじり増していく。その理由はなんなのだろうか、まだ解らない、しかし、この冬の大雪も、アメリカで頻発する大型の竜巻も、このところのただならぬ程強い低気圧も、花が遅いのも、南の渡り鳥が早いのも、全てがその事実を指している、これは本当のことだろう。着々といつもより暖かい春が進んできている、花と鳥とは違っているのも、そんな細かいことを押し流すように力強い春はやってきている。これが毎年のことになっていくのだろうか、そんな不安を抱えた予感が漂っている。
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