ナイジェリアでMD83が墜落
ナイジェリアで航空事故があったというので事故当時の気象を見ていたら上空3000mくら
いに
東風の吹く層があり地上は混合比が高く大気も安定していない、はっきりとした渦を巻くような低気圧も高気圧もない、この辺の大気の構造とは全く違う。事故は気象とは別の原因で起こっているのだがアフリカの風が見えてきて思わず見入ってしまう。それにしても丁度赤道上空に雨雲が連なるのが面白い、夏至近いというのに北へ動いてもいない、大気大循環の考え方では太陽位置直下に熱帯収束帯と呼ばれる上昇風帯が出来ることになるのだが現実は少しばかり違うようだ、海流の動きが関係しているのだろう。3年前の今頃起こったブラジル沖でのエールフランスの事故では赤道上空の強力な雷雲に突っ込んでいるのも思い起こされる。赤道直下には泡立つような熱帯の大気が漂っている様が感じられてくる。熱帯の風にいつかは吹かれてみたくなる。
ナイジェリアの事故は6月3日現地時間15時43分頃、ラゴス空港北5km付近の市街地にMD83が墜落したものだ。着陸アプローチ中で両エンジンが停止したとの交信が最後に残されている。バードストライク(鳥衝突)かもしれない。満席で乗員乗客は153名、全員が死亡している、エアラインはナイジェリアのDana航空という4年前に設立されたLCCだ、インド資本の会社という。22年前の機体を新興のLCCが使っていたのだから整備に何か問題があったとも考えられる、整備はトルコの整備会社に委託している。パイロットは米国人だった、何だか随分国際的なエアラインだ。天気は雲量3-4程度の積雲が浮いていただけで風も強くなく視程もいい、熱帯特有の高温多湿のむっとするような空気だが気象条件は問題ないようだ。市街地への墜落で地上にも10名の死者が確認されている、墜落地にあった教会で開かれていた集会が解散されたすぐ後の事故で不幸中の幸いともいえるようだ。
事故原因の調査はナイジェリアの航空局を中心に進められているようだが米国政府の強力なバックアップを受けておりフライトレコーダの解析は米国の事故調であるNTSBで行われている。機体の問題とすれば燃料系統が疑われるが、鳥衝突も十分ありうるだろう、同じ機体がつい2ヶ月前同じラゴスで離陸直後鳥衝突を起こしている。ニューヨークで起こったハドソン川への奇跡の着水も鳥の群れに突っ込んだことによる鳥衝突での両エンジン停止だった、低空では鳥衝突は怖い。
アフリカで満席のLCCが墜落する、アフリカの経済活動が拡大してきている現場を垣間見た様でもある、もう10年もすればアフリカの時代が来るのだろうか。国際化がアフリカに押し寄せ、はるか未来にまた人類はアフリカに収束していくことになるのだろうか。航空事故は時代の今を切り裂いて見せるところがあって、いつも気になる。
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