雨の中グリンデルワルドへ向かう
スイスへハイキングと2月頃から計画を始め航空券の確保、宿の手配、列車の切符の買い方の研究や地図の入手、と進め、スイスについて書かれた本もいくつか読んでみたりしていたが、とにかく天気が気になっていた。雨の日のエスケープは一応考えてみたものの、ハイキング中心の旅だからみんなエスケープするわけにも行かない。
気象庁のGPV(全球モデル)から切り出して予測を毎日のように続けていたが出発の日が近づくにつれ予測が悪くなる、勿論スイスの現地の気象予測やその他世界の気象予測をネットから拾ってきてみてもしていたが、全日程 雷雨の予想となってくる。イギリス上空から寒気が下りてきて居座り一方アフリカから暖かい低層の空気が寄せてきて欧州中部でぶつかり不安定なパターンが続くという予測で、スイスはなかなか晴れそうにない。いつもの旅の前の不安とウキウキした気持ちのないまぜが、今回ばかりは不安が大きくなって明るくなれない、こんなことは初めてだ。ともかく現地で逃げ手を考えるにはパソコンが大事とばかり、Acerの小さいパソコンをもっていくことにする。グリンデルワルドの宿もツェルマットの宿も無料でWiFi接続可能となっている。到着の日と翌日はどうみてもかなりの雷雨だ、その後も不安定で雷雨を覚悟しなくてはならない。朝のうちは晴れることもあろうと不安定さの加減に期待しながら出発する。
成田空港前のいつも利用している駐車場へ車を預けて夜のエミレーツの便でドバイ経由でチューリッヒに向かう。この便だと到着した日のうちにグリンデルワルドまで着ける計算だ。エミレーツは機材が新しくて利用者評価のランキングが2位という日経ビジネスの記事を読んだばかりで期待していたが777-300はもう古びていて座席の前のテーブルが壊れていたりする。肘掛からテーブルが出てくるのでそんなに困りはしないのだが、2位という評価はちょっと。。。と思って
しまう、天井に星が映し出されるのは雰囲気がいいのだが。
夜の便だから普通に眠れてドバイに至る。着陸前に上から見ると道には全て街路灯がこうこうとついていて整然とした道がよく解る、石油の出ている今のうちに国を発展させておこうという意志が漂っているように思える。
ドバイの乗り継ぎは4時間以上あいていて、広い空港内をぶらぶらする他ない、午前4時というのに人が多く店も大抵開いている。24時間ハブ空港とはこんなことかと思いいる。
エミレーツ便の4時間以上乗り継ぎ乗客は軽食無料サービスが受けられるとネットで見ていたので探し回る。以前はラウンジの一部を使っていたようだが今はInformationカウンターでタダ券をもらって指定の店でサービスを受ける仕組みになっていた、Informationの前の長い
列に並んで券をゲットして軽食にありつく。大きなサンドイッチ風でちょっと食べすぎだ。
有料の飲み物も試しに飲んでみる、お金は小額でもカード払いが効く。本来はAEDというお
金で払うところだが無論乗り継ぎではいちいち通貨を換えたりはしない。
アラブの世界だ、目だけを出した衣装の女性が時折歩いていく。女性は車を運転することも出来ないと聞く、宗教の無残さを感じる、宗教の現代的意味を疑う、キリスト教であれ仏教であれ。
また777-300に乗ってチューリッヒへ向かう、この機体もやや古びている。雲が気になって眺めていたがやはりヨーロッパ中部は厚い雲の下だ。優勢な積乱雲が少し北にそびえていて、スイスは雨だろう、予測は概ね当たっている。
チューリッヒ空港の入国手続きは簡単で荷物を手押しに載せたまま空港駅のあるairport centerに入っていく。エスカレータで下りると切符売り場だ、予想通り列が出来ている。暫く待つと順番がまわってきて窓口のおばさんとマイクを通じて話をする。半額カードとルツェルン
経由グリンデルワルドまでの切符を買おうとメモを渡すとついでに書いていたその後の旅程を見て、全部のルートを1枚にして今作ってしまいましょうか、とくる、旅程の最後の日を聞かれるままに答えるとそれに5日くらい余裕を持たせた有効期限で切符を作ってくれた。これでいちいち切符売り場に並ばずともすむ。支払いはカード払いにすると、円でも買える表示が出てくる、何となくスイスフランのほうが解りやすい気がしてここはスイスフランで購入、円で買っても成田の交換レートとほぼ同じだから別に損は無さそうだ、でも交換手数料をスイスの地に落とすようにしているところが、観光で立国する国の細やかなビジネスモデルを感じさせる。アメリカや他の欧州諸国ではこんな払い方に出くわしたことがない。鉄道割引パスもいくつも種類があるがいずれも結局それほど安くはない、得した気分にさせて利を得る典型的な商法のようだ、ここらあたりの感覚が観光ビジネスでは肝心なのだろう。
ここまでは予定通りの時間で進行して予定していたルツェルン行きの電車に乗る。大して混んでもいない、荷物置き場にスーツケースを置くがやっぱり列車に重い荷物を持ち上げるのは厄介だ。走り出すと雨だ。チューリッヒ駅でスイッチバックする、別に坂道でもないが方向転換するのに都合がいいからやるだけのようだ。この手のスイッチバックはこの後方々で遭遇する、機関車をどうしているのかはわからないが手際は良いようだ。ルツェルンの乗り換えは6分のはずが電車が少し遅れて殆どゼロ分乗り換えとなってしまった。少し大きな駅だが乗換えホームは事前に調べてあるのでとにかく重い荷物を引いて急ぎ足で向かうと電車は待っていてくれた。車掌の権限で待つようだ、急いで来る客がなくなると出発する、乗る意志を態度で伝えることが肝心のように思える。
今回の旅行では鉄道はスイス国鉄のサイト使って計画して目的地までに2-3回乗り換えたが どの場合でも乗り換えの待ち時間が丁度いいようになる、無駄に長く待つことがない。電車の本数はそれほど多くないのにどういう仕掛けなのだろうかとスイスを旅している間中疑問だった。まだ解らないが、どの方向から来ても待ち時間が適正になることを制約条件に列車の運行をすべからく決めているとしか思えない。お客の立場にたった運航のように感じさせる。多分日本でもやればできるのだろう。
golden-pass-lineは土砂降りでは写真もうまく撮れない、湖や峠を越え景色はいいのだが。しかし雨にけぶる野山もなんだか日本ににて近く感じて悪くない。
インターラーケンostでまた乗り換えてグリンデルワルドへ向かう。次第に山が近づく。やっとの思いで本日の終点に着くとやはり雨だ。タクシーもないし雨具を着て歩くほかない。ほぼ予定通りに予想された天気の元の到着だ。次の日からが思いやられる。しかしいかにも旅らしい。
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