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2012年7月16日 (月)

雷雨を逃れてベルンに

グリンデルワルドの宿はTschuggenというホテルとした。2つ星だがアイガーの眺めもよくサービスもいいし場所も便利とのクチコミがサイトに多数あり4泊もするならここがいいと決めたものだ、しかしとにかく2つ星なんで少々自信がなかった。メールで少し遅くなると知らせておいたのもあって着くとややにぎやかな女性が現れてテキパキとチェックインと鍵や無料バス券の使い方の説明をしてくれる。荷物はサービスで部屋まで上げてくれたが部屋は中二階くらいのところでフロントからも近い。悪くない。バルコニーに出ると遠くでごうごうと川の流れが響きアイガーは目の前に聳えている、確かに眺めはすばらしい。しかし上半分は雲の中だ、そのうち上まで見れるだろう。インターネット接続(WiFi)は無料でテーブル上に示されたパスワードで直ぐにつながる。気になる天気は、少なくも今晩から明日にかけてはどう見ても雷雨だ。あきらめてシャワーを浴びて夕食を前のHotel Eigerのレストランでとる、このほかにも辺りにレストランがいくつもあって確かに便利なところだ。機内食がつかえていて軽めのベーコン料理とソーセージ料理をシェアしながら食べるが食べきれない、1日に何食食べたかわからないくらいだからしょうがない、旅の1日目はこんなものだ。
夜半に雷が激しくなる、起き出してバルコニーに出るとアイガーの右裾の稜線に見事に落雷し 落ちたところが赤く光る、縦に走る雷光が綺麗だ。しかしこれではとても山は歩けない。今日はベルン観光にしようと決めてひと眠りしたあと起き出して列車の時間や乗換えを調べはじめる。やはりパソコンを持ってきて良かった、ストレスなく情報が集められる、気象の予測も日本にいるときと同じに上層から低層までの時間を追っての予測がまがりなりにも出力できる。朝食は宿代に含まれていて宿で出してくれるが十分な内容がある。パンが特においしい。1泊一人8500円弱で宿代もこの立地にしては十分安い、4泊してもこたえない。日本人の宿泊も多いが個人旅行組ばかりなので気が楽だ、グリンデルワルドは日本人ツアーで溢れていてなんとなくツアーで固まって動く集団は避けたくなる、そういう感覚でもこの宿は良かったような気がする。
ベルンまでは新たに切符を買わなければならない、グリンデルワルドの駅は朝からユングフラウヨッホ行きの日本人で溢れているが切符売り場は混んでない、こんな日に登山電車で上がるのは100%日本人団体ツアーなのだろう。こちらは山を下る電車に乗ってベルンへ向かう。インターラーケンOstで乗り換え、トゥーン湖沿いを走る、眺めがいい、広い湖で雨でも気持ちがいい。更にSpiezでVispから来た電車に乗り換えてBernに向かう。乗り換えの待ち時間は5分と4分でよく接続している。やはり不思議だ。次第に雨は上がってきてホッとする。

Bernは首都だけに都会だ、人が多い。ガイドブックに従って観光案内所を探すがうまく見つSwissbern1 からない。ともかく旧市街に向かって歩いてみることにする。路面電車にも乗りたいが駅前からはあちこちに向かって出ていて間違えるととんでもないところへ行ってしまいそうだ、駅への戻りに使おうと歩き始める。首都の中心通りなのに道幅が随分狭く市電やバス歩行者が入り乱れている、しかし首都の持つせかせか感がない。スイスは著名な投資銀行もあり、こんな暢気な街でやっていけるのだろうかと思えるくらいだ。観光都市の風情がある、世界遺産の旧市街に到達しなくとも十分に歴史を感じさせる街並だ。両側の歩道はアーケードのようになっていて屋根があり雨が降り出しても大丈夫だ。道の真ん中に古くからの噴水・水のみ場が点々とあったり、時計の付いた牢門塔(Kafigturmr)があったり旧市街地区の入り口に時計塔(Zytglogge Zeitglockentrum)があったりするのだが、ツアーのようにその由緒を説明してくれるガイドもなく、ふーんといって見ていく、こんな時には個人旅行はちょっと不便だがしょうがない、持参したガイドブックだけを頼りに歩いていく。ラインの支流であるアーレ川沿いに大聖堂Swissbern2 があるはずと思っているとそちらへ向かうと思しき人の流れがある、それに従って歩くと程なくゴチック建築の大聖堂が見えてくる。上部の塔のあたりは工事中のようで足場が組んであり、写真うつりが今ひとつだ。大聖堂横のアーレ川を望む辺りにベンチとテーブルがあり、のんびり時を過ごす。川の眺めがいい,風景に浸る時間が持てるのがいい。大聖堂の中も一通り覗いて時計塔近くまで戻って昼食とするがメニューが難しい、メニューのSaladtというのがサラダにしてはしっかりしていそうなのでこれを頼むと丁度いいものが出てくる、ここでの食べ方が次第に解ってきた,スイスのメニューはあまり複雑ではないようだ。食べながら眺めていると 時計塔の前の交差点は重要そうな交差点なのに信号がなく市電やバスや人がごちゃごちゃと行きかう。不思議な首都だ。アSwissbern3 インシュタインの家というのがあるはずだが見つけられなかった、こんなところに住んであの特殊相対性理論に至ったのかと思うと何だか信じられない気がしてくる。ごちゃごちゃした街だけに新しい発想を得やすかったのかもしれない。
少し歩いて市電に乗ったり連邦議会の建物を見たりぶらぶらして引き上げる。ジュネーブには以前から国連の機関があるのにスイスは最近やっと国連に入った、とか、ジュネーブ、バーゼル、ローザンヌ、チューリッヒ、ベルン、ダボス、サンモSwissbern5 リッツといった著名な都市の 名前が九州くらいの広さの国の中に多く点在している、とか、アインシュタインやジャンジャックルソーのような思いがけない多くの歴史上の著名人の名前がスイスと関わっているとか、未だにスイスという国が頭の中でカチッとこない。ベルンという街も何だか印象がまとまらない。スイスは本当は建前を固持せずに実利的のみの考えpragmatismで貫かれているのかもしれない、こんな国、という枠に入れられないのかもしれない、そんなことを思っていた。面白い国だ。
明日からは、とにかく山を歩かねば。

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