逃れようのない暑さの夏がいとおしくて
眠い
夏の昼間はエアコンのある部屋で過ごしてしまうとどうにも体の調子が悪くなる。
暑くて週末は雨でもなければ奥日光や霧降に出かけている。とにかく涼しければいいのでいい加減に歩いたりする。先日も奥日光へ上がってみたがふと思いついて金精峠の西側をと歩くことにした。菅沼の茶屋までクルマで来ると駐車場が有料になっている、それも1000円もする。話には聞いていたが白根山に登らない人からも一律に1000円というのはどうかと思えてしまう。スキー場の駐車料金の感覚なのだろう、アバウトだ。
歩き始めるとすぐコマドリの声がする、思いつきで来たのもあって録音機を置いてきてしまっている、なんとかならないかと思ってカメラに録音機能が何処かにあるはずと探してみるが分からない、それでは携帯に録音機能があるはずとみるとこちらは何となく分かってサウンドレコーダを選択すると確かに録音できるようだ。しかしボイス用で音は期待できない。マイクの向きも勝手が違ってあらぬ方向に向けてしまう。この頃は知恵があまり働かなくなってしまってと嘆きながら少しずつ録ってみる。道は荒れている、倒木が目に付くし道をさえぎられる、最近奥日光で大雨があって一時いろは坂が通行止めとなった、そんなことを思い出す、自然の循環の結果がこの荒れ方なのだろう、人間が入っていない分荒々しい。コマドリはそんなことにはお構いなしに涼しげなさえずりを繰り返す。ルルルルといい音色だ。前に来た時と同じところでよく聞こえる、住みやすい場所は長い間変わらないのかもしれない。ともかくコマドリは去年の利尻以来だ。姿は例によって見えない、今まで1回しかその様を見たことがないが 声を聞くだけで十分いい。
録音はどうだったのだろうと戻ってパソコンで確かめてみると4000hzまでしか録音されていな
い、(「MMF0007a.mp3」)
やはりボイス用だ、しかし一応音が録れてるだけでも記憶を蘇らせる役目は果たせる。
夕方に下へ降りてくるがまだ暑い。逃れようがない。同じように夏は毎年やってくるが同じ夏はない。同じコマドリの声もない。たまたま時空で交差する多層の時の流れが少しばかり空虚な心地を与える。コマドリも荒れた森も有料になった駐車場もボイスレコーダの能力も何の関係もない事物でしかありえない。目の前の今しかない、気を張っていないとばらばらになっていく今、逃れようのない暑さの今がいとおしくなる。
眠くなりながら考えを遊ばせていると何だかいい夏のような気がしてきた。まだ夏は続く。
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