清瀬にて
清瀬で気象の講習会があって出かけていった。今年買ったwin7のパソコンにGMTと予報士会で開発した気象のソフトをインストールしようというのが主な目的だ。午前中のインストールが終わって食事に出
るが清瀬という所がなにかと気になって簡単にそばを食べて散歩を始める。清瀬は初めての土地だ。駅の説明地図に清瀬10景というのがあって水天宮が近い。ともかくそこへ向かって駅前から南に延びるけやき通りを歩き始める。結構立派なケヤキだ、大分年数がたっている。地図の記憶を頼りにおおよその感じで右へ折れると次第に畑が多くなって農家の直売小屋まで現れる。都市近郊の農村風景が広がっている、東京都とは思えない。それにしてもなんだか道の感じが違うような気がして直売小屋にいた初老の男性に尋ねるともっと左の方だと指さしながら道順を教えてくれる、あまり近くではないようだ。ともかく教えに従って野原の駐車場の向こうを廻り畑を過ぎて歩いていく。頭の上では高い声で鳴くカラ類が飛び交いチョウゲンボウと思われるタカが現れて消えていく。なかなかいいところだ。クルマの行きかう通りに戻ってケヤキの通りを南へ進むと道の両側の家に立派な
蔵が次々に見えてくる。母屋の方は今風になっているが蔵は歴史的な遺構のようだ。
壊すのも大変なのかもしれない。昔からの豪農なのだろう。ケヤキのざわめきといい、野鳥の飛び交うさまといい宇都宮より自然が近くにある感じがする。こんなところなら住んでもいいなとも思えてくる。国木田独歩の武蔵野の風景が近くにあるようだ。雑木林が現れ、深い屋敷林も現れる。水天宮にはまだ着かないが昼休みも半分を過ぎた、引き返せねばと戻り始める。葬式帰りの喪服姿がパラリパラリと前から来る。それも風景の一つのようだ。真っ直ぐ行けば駅と思っていたがなかなか現れないので歩いている人に聞いてみると、駅は左だ戻って左に曲がるべきだと教えてくれる、やはり間違っていた。疲れてきたが早足で引き返し角を曲がると駅前の風景が遠めに見
えてくる、やれやれだ何とか時間内に帰れそうだ。
午後一杯気象のソフトの話を学んで帰路に着く。しかし清瀬の印象が鮮やかだ。
秋は風景を美しくするのだろうか、年を重ねていくとちょっとしたことにも感動するようになるのだろうか。年をとるのも悪くない。終わりの始まりを感じているだけかもしれないが。
| 固定リンク
コメント