物を捨てる、売る
物を整理し始めると、捨てても捨ててもわき上がる様に物が出てくる。疲れる。しかし今まで出くわしていなかった世界にも行き当たったりもする。それもちょっとした楽しみだ。
たまった航空雑誌を整理しようとまずは発行本の殆ど全てがある航空ジャーナルから始める。1974年に創刊され既に20年以上前に廃刊になった雑誌だが内容には信頼感があった。何処か引き取らないかと神田の航空雑誌を扱っている古本屋に電話してみるが航空ジャーナルは在庫がたくさんあり引き取りはしないという。雑誌はなかなか難しい。月刊誌なら買い取ることは可能と電話で答えてくれた近くのブックオフに持ち込んで見積もってもらうが、ページの上部に日焼けしたような変色が入り始めており状態が良くないとして結局引き取ってもらえない。そんなところが分かれ目かと知らされる。内容というより痛み方ですべからく査定される形だ。どうやらゴミとして捨てるほかないようだ。数冊見てみても手にした当時の面白さが抜けている、そんなものなんだ。市内の資源ごみ回収業者を探して持ち込む。ちょっと無残だが最近は読み直すことも無いし恐らく死ぬまで見ないだろう と綺麗さっぱり捨ててしまった。航空情報もあらかた処分したがこちらはブックオフで値がつくものがあって1冊20円弱で50冊くらいは売れる、とにかく再利用してもらえるならと少しは気が楽だ。子供の読んでいた単行本のマンガもブラックジャックだとかコチ亀だとかアラレちゃんだとかまとまったシリーズを全て処分する。こちらは奈良の買い取り業者に送料無料で送ってそちらで見積もってもらうが航空雑誌よりはかなりましな値がつく。売れるというのがともかくうれしい。
パソコンも難しい。古いMacのパフォーマを10年以上ぶりに動かしてみる。ちゃんと動く、色も綺麗だしMacのフロッピーも普通に使える、捨てにくい。更に昔のMSXパソコン(sanyo PHC-30)も出てくる。これはテープベースだし動くまいと思って試しにテレビにつなげてみるとちゃんと動く。昔作ったBasicのプロ
グラムもテープをセットして読み込ませるとちゃんと走る。驚いてしまう。グライダーの重量推算プログラムなんかも出てきてワールドクラスに応募した顛末が蘇ってくる。遠い昔でもないがあの頃は自宅で動かすにはMSX位しかなかった.。航空機の運動計算も質点系+バンクならほぼリアルタイムでシミュレーションできてコマンドを入れて飛行させたりしていた、勿論ルンゲクッタで連立微分方程式を解きながらのシミュレーションだ。あっという間に高性能パソコンだらけになってしまった世の中を思い返す。ともかくこれも捨てられない。
ピアノはもうこのところ遊んだことがない、これを運ぶのは少々大変と売ることにした。ネットで7社くらいに査定してもらうと思ったより値がつくし、直ぐにも現金払いで引き取りに来るという。専門のメンテ業者が手を入れた後 殆どは欧米、アジア等海外に出されるとの説明が買い取りサイトにある。中古車同様日本の中古ピアノは売りやすいようだ、日本という国に眠っている価値はまだまだ沢山あるように思えてくる。売り払ってもともかく世界に繋がっていくイメージがいい。
整理は遅々としているがじりじり進んでいく、過去が現れては去っていく。その先なにをやろうか、やりたいことは山のようにある気がしてきて、また捨てなくてはと思い続けている、しかし捨てにくい。
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