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2012年12月19日 (水)

北関東が遠くなり

長崎に8時30分までにいくことになって福岡から2時間半の計画で朝6時に出発した。まだ相当に暗い。西では30分くらい関東から日の出が遅れる。高速道の明かりがついていないところが多くて走りにくいしおまけに霧まで出てきた。
選挙の日だがこちらの区役所で不在者投票を既に済ませており心置きなく出かけられる。福岡で宇都宮の候補に投票するのはどこか実感が薄い。
不在者投票とはこんなやり方だとは知らなかったがパソコンから書き出した紙の申請書に記入して宇都宮の選管に郵送すると投票用紙が宇都宮から送られてくる、プリンタが手元に無くともメディアに書き出してセブンイレブンのコピー機を使えば簡単に申請書をプリントアウトできる。送られてきた投票用紙を福岡の区役所の投票所で栃木の候補者に対して記入提出すればよいという仕掛けだ。今回の投票は半ばあきらめていたが試しに問い合わせてやってみると意外にすらすらと事が運んだ。パソコンさえ持ち歩けば物事がたやすく進む世の中になってきている。そうなんだ。

長崎は半島のような地形になっていて行く道が限られている、高速を使わねば相当に遅くなる。トンネルも多い。この朝は なまぬるい大気に対馬海峡を渡ってきた冷たい北の風がもぐりこんできて霧が出ている。霧の中トンネルに入ると霧が消えて見やすいが出るとまた霧だ、神経を使う。佐賀の西から地形が少しばかり変で沈降していた小島の群れが隆起したような形をしている、九十九島が陸から始まっているようだ、とにかく長崎は山に囲まれていて行きにくい。陸路より海運の地なのOmurawan だろう、入り江もいい。幕末に長崎に入港したロシア船の艦長がこの美しい入り江がやがて我が物になるかと思うと(うれしくなる)との手記を残している、勝手なものだが確かに良港となる入り江がたくさんある。
大村湾に南から突き出した岬の辺りでにぎやかな時をしばし過ごしたあと引き返す。戻りつくと程なく開票が始まる。

選挙の方は事前の予想が驚くほど当たって民主の大敗となった。こんな時に解散した首相が悪いと選挙後の閣議で閣僚が口々に不平を語っている、これだけ民意の支持を失っていた政権を国民のためでなく自分たちのためだけに存続させたかったと公の場で公言するそういう政党にNOが出されていることがまだ解っていないようだ、志の低さに情けなくなる。こんな情景を見ているといい選挙だったようにも思えてくる。

九州に暫く滞在してみると関東で起こっていることが思いのほか遠く見えてくる。北関東は殆ど視野に入ってこなくなる。気象の組み立ても全く違う、今の時期九州は朝鮮半島伝いに下りて来る寒気が最も気になる気象の動きだ、北関東では思いも及ばない。テレビのニュースも地元製作の割合がかなり大きくそれが普通のように思えてくる。九州に色濃く染まってくる。こんなものだろうか、年をとったと言うこともあるのだろうか。
山の向こうにあっても日帰りが楽にできる長崎がよく見えてきて、どうやらこの地にはまり込むようにして過ごしていくことになりそうだ。日本は思ったより広い国のような気さえし始めていて、ここからの景色も悪くない。

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