カザフスタンとロシアで航空事故が続く
カザフスタンとモスクワで続くように航空機事故が起こった。
12月25日はカザフスタンShymkent空港付近でアントノフAn-72が墜落した。国境警備隊の
機体で民間機ではないが人員輸送に用いられていたようで乗客として搭乗していた20名を含め搭乗者27名全員が死亡している。寒冷前線が通過した後の吹雪で気象条件が悪化し上空で待機(回避?)の旋回中であったと伝えられる。事故時は丁度零度位の雲が空域を覆って着氷しやすい条件で着氷警報がこの日2度にわたって出されていた。原因は調査中となっているが着氷が影響していることが疑われる。(添付図は事故直前2012.12.25.12:00utcの天気図)。
12月29日はモスクワのローカル空港といってもいいVnukovo空港でツボレフ204旅客機がオーバーランして高速道路に激突した。天候は低気圧が通過したところで西風が強く気温はマイナス2度、吹雪の状態とみられる。着地点はノーマルの範囲内だったと伝えられ、原因
は滑走路状態か、ブレーキ系の問題か、パイロットの問題か、いずれかと見られるが今のところブレーキ系統が疑われている。しかしこの空港の長いほうの滑走路RWY24が閉鎖されており短くて南側のオーバーランエリアが安全でないRWY19を強い横風を受けながら北から降りざるを得なくなったこともここまでの事態となった遠因を作っているようだ、RWY24なら風も正対に近くオーバーランしにくいしブレーキ不調でオーバーランしても直ぐ先に高速道路があるというようなことはない、大抵の事故は単一の原因ではない。滑走路閉鎖とともに悪天候と強い右横風と低い気温もなんらかの原因を作った可能性が考えられる。(添付図は事故直前2012.129.12:00utcの天気図)。
2つの事故は寒い地域でこの寒い冬にロシア製の飛行機で起こったということから、ロシア固有の問題かと大雑把に理解してしまうが、悪天候とそれにまずいことがもう一つ二つ重なるときに起こる航空事故という人類共通の問題を含んでいるように思える。
暑い夏が作り出した北極の氷の広範な融解に端を発するこの寒い冬が、こんな事故の引き金になっているのだろうか。温暖化する地球のco-lateral damage なのだろうか。地球につぶされないように用心して生きていかねばならない時代になってきたようだ。
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