アジアで地震が続く
このところアジアで地震が続いている。イラン、パキスタンの地震はアラビアプレートがユーラシアプレートを押し込んでいる地点で起こっているし、四川の地震はインドオーストラリアプレートがユーラシアプレートを押して圧力がチベットの反対側に伝わって生じたようにみえ
る、三宅島の地震はフィリピンプレートが北米プレートを押し込むあたりだし、東日本大震災とそれに続く地震は太平洋プレートが北米プレートを押し込んだところで起こっている、なんとはなしに海側のプレートが押す圧力を強めて地殻がパリパリと割れていっているように感じる。ユーラシアプレートや北米プレートという陸のプレートがこうも押し込まれている理由は何なのだろうか。普通に考えればマントル対流が活発化していることになる。それはなぜか、少し調べてみる。マントルは上部と下部に660km深さ辺りを境にして物理的に分かれており、流動性がより高い上部マントルがプレートの運動を支配しているようだ、マントルが上昇してくる中心は太平洋とアフリカの2カ所で柱状に上がってきているらしい。
イラン、パキスタンの地震はアフリカのマントル上昇が関係しているようであり日本、中国四川省の地震は太平洋のマントル上昇がもたらしているようにみえる。しかし同時期に2つのマントル上昇が同期するというより、これはユーラシアプレートの沈降が引き金となっているとすると考えやすい。調べていくとどうやらプレートの沈み込みで生ずる冷たいスラブが深さ660kmのマントル境界に相当溜まっているようだ、これがそろそろ一杯になってきたのかもしれない。4400万年前に起こったらしいマントル境界を突き抜けての沈下、上昇であるスーパープリュームが今おこりかけているというのは大げさかもしれないがミニサイズの類似のマントル変動が始まろうと
しているような気がする。4400万年前はブレートの移動方向が大きく変わる、一部のプレートの消失する、などの大きな異変が起こっているようだ。時間スケールが途方もない現象だから今それが始まるというのも何だか軽薄な感じがするが、冷たいスラブがユーラシアプレートの下に相当溜まっているのは事実だから(添付図は深尾良夫氏による)そこらあたりが何かを引き起こし始めると考えるのはおかしくはない気がする。
しばらくは陸のプレートの縁で大きな地震が繰返されそうだ。あきらめて身構えるほかない、数万年はそんな時代が続くのだろうか、もっとだろうか。なんとかならないかと思うが、マントルのこの大きな運動は人間の手に負えるものではない。地球に付着している人類というカビのような存在はとても地球の物理学を変えることなどできないだろう。一方でマントル対流によってプレートが移動し大陸が分散し変化に富んだ地表の環境が生まれたともいえる。地殻の変形による地震におびえ続ける、こんなどうしようもない不安はこの緑の地表、宇宙に浮かぶ奇跡のような星地球に住む代償のようにも思えてくる。全てを受け入れる心が大事なのだろう。
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