九州のタンポポやらカタクリやらツツジやら
九州の花の感じが関東とは随分違っていて戸惑っていたが次第になれてきた。タンポポは
勿論カントウタンポポやエゾタンポポは無くて、小ぶりのカンサイタンポポがあちこちにはびこっているし、我が家の庭にも出てきている。カントウタンポポと似てはいるが大きさが少々小さいのが特徴のようだ。庭に生えてくる草も見知らぬ草がいくつかある、図鑑で調べても良くわからない。
北関東の山の花といえばアカヤシオが美しいが九州ではアカヤシオはなくてアケボノツツジが似ているらしい。ただ、咲いているのが宮崎の山地でここ福岡からは簡単にはいけない。桜の頃は北関東ではカタクリの花があちこちの山の斜面で見られたが、九州では自生しているものは熊本の五木村近辺の山地にあるらしいもののあとは久住の野草園のようなところに栽培しているものくらいらしい。この間阿蘇へ行った帰りやまなみハイウエイを抜けて久住にまわりこの野草園(くじゅう野の花の郷)を訪れてみた。個人的に山の斜面に植えていった
もののようで無料で見ることができる。カタクリは北関東と似た雰囲気で林の下の斜面に一面に咲いていた。丁度大分テレビが取材に来ていて、他に人もいないこともあり、見に来たところを撮るのでよろしくといって見ている風景を角度を変えて撮られた。珍しいものなのだ。斜面の隅に植えられたものが条件が良かったようで斜面を上に広がっていったということらしい。その気になれば九州でも植えれば育つものなのだろう。自生しているという五木村は平家の落人村として有名だがそういえば関東でも落人村にはカタクリが咲くようにも思える。もしかしたら平家の落人とカタクリは関係があるかもしれない、彼らが種を持ち運んで直ぐには花の咲かないカタクリを密かな目印として方々に植えたと考えると物語りを感じてくる。カタクリは食用にもなる。なんとはなしに平家の落人村はカタクリの成育に適したところを選んだようにも思える。本当に関係があるのかもしれないと思うと面白い。
桜のあとと言えばツツジだが、福岡はクルメツツジの本場になる。これは見ておかねばと昨日は久留米まで出かけた。勿論栽培種だ。久留米市内、筑後川の南岸に沿った百年公園というところでツツジ祭りが行なわれているというので訪れてみた。丁度鹿沼のさつきまつりのようだ、雰囲気が似ていて その場で即売している。さつきと違って盆栽や盆栽前提の苗はツツジでは多くは無くて手軽な地植えの苗が多い、価格も安くてあれこれ選んでネコ車にたっぷり積ん
で2000円行かない。すごい。これで庭も華やかになる。関東で売っているクルメツツジは赤のモノトーンで面白味が無かったがここへ来るとその小さな花が色とりどりにあって形も繊細で大きなツツジが大味に見えてくる。所変われば花も変わる。公園にはなかなか見事なツツジが咲き誇っているし、筑後川に平行して流れる支流は護岸も土のまま残されて心地よい公園になっている。福岡市内は何か都会でせわしないがここらまでくると宇都宮の感覚に近くなる。
同じ日本の中だからもあるのか、微妙に違う花の種類や咲き方も少し花も見慣れてくるとその違いが小さな驚きから小さな楽しみに変わってきたのが感じられる。場所により時によって移ろっていくのが南北に長い日本のいいところなのだろう。グラディエーションの春はまだ続く。
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