ヨットを始めてみると
ヨットを始めてみたが、予想したとおり色々な新しい世界を経験する。ヨットの練習そのものもアビームだのジャイビングだのカタカナ言葉がやたらと登場するが日本語も例えばジブを切るとか咄嗟にはどういう動作か解らない言葉が飛び交う、ともかく慣れるほかないのだろう。
用具も少しづつそろえなければと思って買い始める。大方はネットで直ぐにも揃うだろうと思っていたがそう簡単ではない。まずライフジャケットだ。常時着けて練習するので最初はクラブのを借りても、自分用のものを入手した方がいいとのサジェストあり、その気になってネットで探し始めるが容易ではない。どのようなものを着けるべきか、
法律では船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則で小型船舶操縦者はその他の小型船舶の暴露甲板に乗船する場合小型船舶に応じて必要とされるものを着用させるよう努める措置を講じなければならないとあるのが準用されているようだ。法的には努力義務ということになる。競技ルールではオリンピックでの着用義務がありこれは50Nのbuoyancyがあるbuoyancy aidの装着が義務づけられている、国際的にはこれがヨット用の救命具の基準になっているようだ。日本では小型船舶用の基準しかなく7.5kgの鉄片浮力を有する救命胴衣が小型船舶には必要となっている。ここで言う小型船舶はエンジン付きのものということになりエンジンの無いヨットでは適用を外れる、よく見れば法的にはグレイな領域のようだ。そもそも鉄片浮力は7.5kgの鉄片を吊るしてこれを支えられる浮力ということで鉄片にかかる浮力分だけ見かけの値より小さくなる。50Nの浮力は5.85kgの鉄片浮力にあたる。このあたりもきちんと記述したものが 少なくともネット上では見つからない。更にヨットやウオータースポーツ用の救命具を検討した国の委員会では実際に試験してみると国際的な50N(5.85kg鉄板浮力)のものと法で要求されている7.5kg鉄板浮力のものでは実用的な性能ではなんら差は無かった、としている、そうでなければ国内レースにも困るということでもあるのだろう。要するに50Nの浮力の“ライフジャケット”として輸入販売されているものであれば問題なく使えるようだし国際的にはこれが標準のようだ。ただ、lifejacketという表現は海外では50Nのものには使われておらず100N以上の浮力のあるものに限られていて50Nはbuoyancy aid(補助浮力具)と称されている、気を失った人や泳げない人はこれでは必ずしも救えないという意味をこめられているようだ。
こんなことは簡単には解らなかった、結構色々ある世界だ。ネットでの質問箱や知恵袋の回答は見たもの全てが誤っていた、半端な知識が蔓延しているようだ。
50Nのライフジャケットとして売られているものではハリーハンセンのものが良く使われているようなのでこれを発注しようとすると自分の体重、胸囲にあったものが大抵は売り切れ状態で 買えるショップもなかなか見つからない、やっとの思いで探し当てたところにともかく発注する。入手可能なタイプも限られていて必ずしもディンギーヨットに最適でもないがまあいいだろうというものが届く。探し始めて10日くらいかかってしまった。
その他ラッシュガードや靴や手袋、メガネの止め具などもそろえていくし防水のデジカメも買ってしまう。大体揃ってきた。気象のデータも波高の推算式を調べ直して予測データ処理に組み込んだりもした。それぞれに面白いところがあってまた別に記しておこうと思っている。
いつまでつづくだろうか、出来るときにできるだけ通っておかねばと毎週土曜にヨット
ハーバーまで出かけている。スキッパー役でのタッキングはなかなかうまく体が動かない、いい加減に曲がるのは無論できるのだが角度をきっちり合わせて速度を殺さずレースのコースのようなパターンでコース取りしながら走らせるのはまだまだ随分かかりそうだ、その分楽しめるというものだろう。やはり学ぶことが結局は一番面白いのかもしれない。
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