暑い夏が
暑さもたけなわで今年の夏は異様な感じさえする、ただしこれは西日本の暑さで東北はまだ梅雨が明けない。いったいどうしたのだろう。
暑さの方は高層までの天気図を眺めている限り中国大陸がその源だ。太平洋高気圧の名が
ある中部太平洋はむしろ北の冷たい大気がここまで南下して涼しい気温となっている。
中国大陸の暑さの中心はどこかというとそれはチベットだ。チベットは高度が高く地面が直接太陽で加熱されるため高度の割りに気温が高くなり、この大気がこのまま高度の低い 気圧の高いところまで降りてくるととんでもない高温を生み出す。
このところ年を追って暑さが増してくるのは何故だろうと思っていて、CO2では急すぎるし局所的な説明は困難だと思いながら、ニューズウイークを何気なく読んでいるとヒマラヤの氷雪が急速に解けているという記事に出合う。また氷河消失を喧伝するCO2温暖化のあおり記事かと思えばそうではない。氷河が加速的に消えつつあるのは事実のようで、その原因としては小さな煤煙が降り注いでいるためのようだ、煤煙(スス)が目につくとある、前から指摘されていたことではあるがこうも暑い夏を経験するとこれだ と思ってしまう。
細かいススが氷河を溶かしているという話はグリーンランドの氷河消失でも主犯と疑われている。ヒマラヤでは地理的に近い中国やインドの経済活動活発化がその源と疑われるが、中国やインドに経済活動を抑制しろとは誰もいえない。かってロンドンがそうでありロスアンジェルスがそうであり東京がそうであったように経済規模が急拡大すれば公害物質はどうしても増える、これは人類の辿ってきた道だ。公害対策を徹底するよう要求してもエネルギッシュにビジネスを拡大している企業体にはなかなか聞き届けられないというのも歴史が示している、各国が対策に協力するとしても中国、インドを犯人扱いはできないだろう。
ススが絶え間なく氷の上に舞い降り太陽熱を吸収してヒマラヤの氷河は解け続けヒマラヤ高気圧は年毎に強くなって当分暑さは増していくだろう。中東では夏は45度なら涼しいというらしい、それに比べれば38度くらいでは驚くに当たらないともいえる、慣れれば人類は生きていける。数十年たてば中国、インドのエネルギー消費も一段落し公害対策もいきわたり 落ち着いてくるだろう、数十年は地球の歴史からは瞬くほどの間でもない。目くじら立てずに穏やかに受け入れれば凡そはそれで済むことだろう。
寒さの極のほうも強まっているのではないかとの兆候がある。CO2温暖化議論のような地球の平均気温が数度上がるのが大問題という時代ではもはやなくなっているようだ、平均ではなく寒さはどこでどこまでいくか暑さはどこまで行くかということが問題になる。
北極の氷が夏に大幅に解ければ暖流の北上が弱まり北極を中心とした地域の冬の低温が却って強まるという傾向が知られており近年の冬の大雪はこれが原因と思っていたが、冬の寒さが目に付くようになっているのはこればかりでもないようだ。
太陽の活動からは現在は太陽活動の弱まる時期に入ってきており、トータルとして地球の寒冷化が進行しつつあるというのもまた事実のようだ。太陽の黒点変化の11年周期がこのところ長くなっておりこの状況が300年前の太陽活動が弱く寒冷な時代となったマウンダー極小期のはじまりに類似していることから、今後太陽の活動が弱まり地球は寒冷化していくのではないかと疑われている。万年単位の周期の長いスパンの変動でも温暖な時代は終わり次の氷河期に向かっている時期であることも間違いないようだ。
幾つかの現象を考えると温暖化と寒冷化が同時に起こっており冬はますます寒く夏はますます暑くというのが現在の状況の素直な解釈のように思えてならない。夏と冬の境目では強力な寒気と強力な暖気がぶつかり激しい気象が生じることになる。こういうものだと思って大雨も激しい雷雨も竜巻もやり過ごさねばならないのだろう。そういう時代に生きているのだと受け入れるべきなのだろう。
これから1億年は続くと思われる人類の時代には1万2千年から2万年ごとの氷河期も周期的に何千回と経験していくだろう、地球と太陽の運動に支配された長周期の気候の波動を経験していくだろう、それを思えばこのくらいの揺らぎは人類が今後経験する変動の走りを見せてくれているようで未来の人類との経験の共有を与えてくれているようで好ましささえも覚えてくる。
暑い日は冷房の効いた部屋でこんなことにのんびり考えを遊ばせるのも夏らしくていい。
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