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2013年7月 4日 (木)

樫原湿原にて日本の広さを思う

梅雨も佳境に入ってきた、梅雨前線が押し上げられてきてそろそろ九州の梅雨も終盤のようだ、蒸し暑い南の大気塊がぼうぼうと吹く南風となって押し寄せてきた。
もう10日ほど前のことになってしまったが樫原湿原(かしばるしつげん)というところに出かけてみた。背振山系の佐賀側の山中にあって唐津市に属しているから佐賀県北部と言うべき場所だ。ハッチョウトンボが見られると人に教えられて出かけたのだが、標高が少しでも上がれば涼しいだろうとの期待もあった、標高は凡そ600mだ。
この5日ほど前に背振山頂付近にブナ林があるというのでそれを見てみようと東の那珂川からのアプローチをクルマで走り回った、ミスコースのあとやっと見出した山頂へ通じる道路が通行止めになっていて結局たどり着けなかった、どうやら佐賀側から少しいい山頂への道があったらしいと後で分かって今度は多少遠回りでもいい道を走ることにしていた。三瀬トンネルを抜けて佐賀県側に出る。三瀬地鶏の名前で少しは知られているあたりを過ぎる。福岡と佐賀を結ぶ主要道路でトラックが多い。右へ分かれてダム湖を廻り大串などという苗字にもなっている集落やちょっとした棚田の風景を抜けてともかく樫原湿原に到着する。普通の道だ。湿原からやや離れて大きな駐車場が設置されているが平日ではクルマは殆ど停まっていない。クルマを停めて湿原へ向かうが車道を戻るのは味気ない気がして右手の田んぼのヘリを回っていこうと歩く。湿原ではないがあまり見かけない花が咲いていたり蝶が舞っていたりしてなかなかいい。道が次第に違う方向へ向かっているようなので丁度見かけた農作業の人に尋ねるとこの道は湿原には行かない、田んぼのあぜを横切っていけば湿原にいけるという。またミスコースだ。
あぜを横切って車道へ出てとぼとぼ戻るとやっと湿原入り口が現れる。車道沿いの湿原で、見たところ随分とかわいらしい。ビジターセンターの機能をしている小さな小屋があってそこで尋ねるとハッチョウトンボは遊歩道沿いにいくらでも見られるという、ハッチョウトンボは宇都宮のひょうたん池のイメージしかなく葦の葉陰にスコープでやっと見えるくらいとばかり思っPhoto ていたらそうではないらしい。遊歩道を歩き始めると直ぐに道端で写真を撮っていた老けた感じの男性がほらあそこにと教えてくれる、なるほど近い。普通に望遠で撮れる。見ればあちこちにいる、なんだという感じだ。見たことの無いトンボもいて後で調べるとヨツボシトンボというベッコウトンボの仲間のトンボだった。モノサシトンボやハラビロトンボなどもいる、トンボは色々いるようだし花もカキランやユウスゲ、ヒツジグサ、ジュンサイ、コバギボウシ、ヌマトラノオ他色々咲いていてこれも種類が多い。小さな湿原にこれは驚くばかりだ。一面に花開く高層湿原の迫力は無いが生物の多様性を見せつける湿原だ。Kobagbs 厳しいところが何処か無く生きていくのが楽な九州の風土そのままの湿原のような気もしてきた。ちょっと見た目田んぼの隅の小さな湿地じゃないかとあなどっていたがそんなものではなかった。
阿蘇くじゅうまでいけば違うようだが福岡の近場の山は総じて里山そのものだ。勿論それなりにいいところがあるがしばらく過ごすと奥日光の自然の清新さがうらやましくなる、まぶしく蘇る、思ったより遠くに来てしまった気がしている。日本は随分と広い国のようだ。

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