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2013年8月 8日 (木)

医療はデフレに向かう

Mukuge 次第に年をとってくると病院や検査との付き合いが避けられなくなる。
ヨットを始めて3回くらいのときヨットを陸揚げするスロープの苔で滑って後頭部をしたたか打ったことがあって大事をとって家の近くの脳神経外科で診て貰った。すぐにCTスキャンを撮りましょうとなってこんな街の医者にもCTスキャンがあるのかと驚きを覚えつつ台に乗るとやや小ぶりの装置が頭にかぶってきてすぐに終了する。程なく医者が頭の断面写真を見ながらなんともないようです、と言ってくれた。すぐに結果が眼に見えてこれは安心感がある。6000円取られたのは痛いが便利な世の中になった。
今回は肺だ。地区の肺がん検診というのを無料でやってくれるというので近くの公民館まで出かけてレントゲンを撮ってもらったら、暫くして現像したフィルムが手違いでぐちゃぐちゃになったので
り直したいと連絡が入った。しょうがないかと出かけると今度はデジタルだという。今度は大丈夫だろうと結果を待っていると要精密検査という知らせが郵送されてくる。結節状陰影疑だという。ここ数十年そんな所見は見たことがない、本当かと電話で念のため確認するとそのようなものが見えるので検査してほしいという、ともかく映像をDVDに焼いて送ってもらう、またレントゲンの撮り直しでは被曝上気持ちよくない。数日して送られてきた画像を見てもそれらしい影は見えない。素人だから見えなくてもそんなことも有るかとクルマで10数分のところにある日赤病院まで出かけて診て貰う。ひどく混んでいたが、DVDの映像を出すと普通のノートパソコンで医師が眺めてくれてたぶん大丈夫だが細かく見るためCTスキャンを撮っては、とくる、勿論同意してやってもらう。
今度は胴体で頭のときより少し大きい装置だ、2回息を15秒くらい止めてスキャンする。2スキャンするのが手順のようだが立体にするためだろうか。暫く待っているとまた呼ばれて医師の前のディスプレイに今度は胸の断面が上の方から順に見えてくる。肺のヘリのところに古い病の痕跡が見えるがたぶん風邪をひいた時のものだろう、特に問題ない、肺本体には何もない、と説明してくれる。よく解るし安心できる。やはり検査機関は僅かなことでも精密検査にまわすようだ、これでは病院が混むわけだ。また6000円とられる。この辺りの判定を検査機関のレベルでもう少しきちんとやるだけで医療費は大分減りそうだし病院の混雑も軽減されそうな気がする。CT機器も競争が進み知恵を出せば更にコストの低い機器が登場しうるようにも思える。
技術がもう少し進めばもっと鮮明な画像が手軽に取れるようになるだろう、それだけで医療の無駄な検査の繰り返しは軽減され患者も少しは気楽な生活ができるようになるだろう、医療費もいくらか下がるだろう。技術が進歩して医療のコストを下げ医療のデフレを引き起こす必要があるのだろう。供給過剰気味の医院には倒産の圧力がさらに加わることになるかもしれないが。
デフレといわれようと倒産が増えようと無駄を省きコストを下げる努力はこの国には必須のことに思える。それを望ましいことと扱えない経済学ならそれは経済学の遅れというべきものなのだろう。まだまだ技術も経済学も、そればかりか学問という学問はすべからく未熟の塊なのだろう。
それだけ創造する喜びが人類の前途には広々と広がっているということのようで考えをめぐらしていくと楽しくなる。

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