久住を歩く
暑さがまだやまない、高層の天気図を見ていると、暑さの指標となる850hp高度(高度約1500mで大気境界層上端にあたる)での相当温位の高い部分が中国から九州にかぶってくる予測となってきてこれは何処かに逃げ出さねばと急遽久住の宿を取って久住高原
を訪れた。3日前のことだ。久住高原コテージというところが手軽に泊まれると出ていたのでここにした。
せっかくだから何処か湿原でもと久住の長者原から坊がつる湿原を往復する計画としたが少々長いし湿原歩きにしては上りが結構ある。途中で引き返しても充分いいところのようなので、峠の雨ヶ池あたりで引き返すことも想定してここを歩いてみることにした。
福岡の自宅を午前6時頃出て長者原の駐車場に8時に着いた、予定通りとはいえキッチリ2時間で着くとは近い。高速も通勤時間割引の時間帯で平日だがほぼ50%引きとなって安い。天気
の見通しは午後は下り坂で降り始め予測は13時過だが雷雨の恐れがある、雷雨予測
はなかなかピンポイントには当たらないものの出会いたくない、様子を見ながら進むことにする。
ビジターセンターは9時開館で待つわけにもいかず花や鳥の情報は得られないままとにかく出発する。すぐにタデ原湿原に入る。久し振りの木道歩きだ、サワギキョウやコバギボウシ、コオニユリ、のほか、ヒゴダイという紫色の葱坊主のような花も現れる。鳥も時々現れるがすぐに草に入ってよく解らない。まずまずの湿原だ。ここを抜けると沢沿いに次第に上りがきつくなってくる。鳥の声も多い。ここでもソウシチョウが多いがクロツグミやセンダイムシクイ、
ヒガラ他の声もしてにぎやかだ。ブナの木も目に付く。アサギマダラも飛んでいる落葉樹の林を進む、秋もよさそうだ。
鳥の録音をしながら上っていくと雨ヶ池に至る。雨が降れば池になるというところで特に今 水がある訳でもない。マツムシソウが沢山咲いているのは驚いた、長野の花とばかり思っていたが誤解だった。ミヤママツムシソウは長野県中心の狭い範囲に生息しているがマツムシソウの方はそうでもないらしい。
峠を越えて坊がつる湿原の見えるところまで下っていく、思ったよりも急な下りで下まで下りきると上り直すのは大分きつそうだ。雲行きも気になる。やはり坊がつる湿原に遊ぶにはこの先の法華院温泉の山小屋泊とすべきようだ。次の機会にとここでこの日は引き返すことにする。
少しづつ九州の自然歩きも解ってくる。生き物の様相は北関東や長野・群馬とは多少違っていても雰囲気は通じるものがある。2時間も走ればたどり着けるのなら悪くない。
宿につく頃には予定通りの雷雨となった。1時間ほどで嵐が去ったあと広大な阿蘇外輪 山の起伏から水蒸気が緩やかに立ち上る、ゆったりとした景観が窓の外に広がる。高い山は無いが九州の自然も素直にいいと思えるようになってきた。秋はどう過ごすべきなのだろうか。
すべてを受け入れて流れるように生きていく、それで十分でないだろうか、そんなことをぼんやり思っていた。
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