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2013年9月 8日 (日)

白内障を手術する

時間に余裕ができると何故か病院との付き合いが増えてくる。今度は白内障だ。

もう5-6年前から近視がまた進み始めて毎年メガネを変えねば車の運転にも差し障る状態になっていた。水晶体の歪が大きくかつ一様でなくなったためか、ついにはどこのメガネ屋も あなたの眼鏡は作れない、医者の処方箋をもらってくれば作る というまでになっていた。去 年の免許書き換えでは1週間前に独協医大で詳細に処方してもらって作ったメガネでかろう じて規定の両眼で0.7をクリアした、片眼ではそれぞれ0.6だから本当にギリギリセーフだ。医者は白内Megane障だという。次の免許更新はもう無理だろうし野鳥を目で探すにも人頼みの状態でとにかく手術が必要という時期に来ていた。視野が暗くなっているとは感じなかったが視力が衰える一方だった。

九州に引越した後も出かけたり人が来たりでざわついていたがやっと落ち着いてきたので近くの白内障手術が看板の目医者に診てもらって手術することにした。3日前の木曜にまずは右目を手術した。正味15分からせいぜい20分の手術だから大したことはないはずだが、なにせ目だ。目を見開き続けて目にメスを入れられるというのはどう考えても気持ちがよくないし、局部麻酔も完全ではないだろう。湧き上がる不安を、だれでもやっているじゃないか、と押しつぶして手術用の椅子に座る。まぶたはあけた状態で器具のようなもので固定される。水やら薬やら分からぬ液体がかけ続けられ手術用の光をSousicyou正面から当てられる、結構まぶしいが何しろ閉じられない、我慢するほか無い。目の上のほうを少し切るはずで下を向いてくださいとの声で目線を下にやり続ける。勿論顔は動かせない。このあと機械の音がして目が圧迫されるような鈍痛を感じる、不快感が募るが我慢するほか無いと言い聞かせる、水晶体を砕いて吸い出す工程を進めているようだ。気持ちの良くない痛みがある。こんな不快感と緊張を20分も続けられるだろうかと思ってしまうがどうしようもない。やっとの思いで機械は終わり眼内レンズを入れる工程に入ったようだ、突然見えがよくなる。位置を合わせているようで細かくいじっている、もう勘弁と思う頃、ハイ終わりですとの声がかかる。ホッとする。顔にかけられた覆いが外されていき大きな眼帯が貼り付けられる。手術室を手を引かれて歩いて出るが出口に次の人が待っている、流れ作業のように次々に手術を行っている。これは手際が良くなるはずだ。休む間もなく戻った待合室で薬の説明があって病院を後にする。

当日は異物感やら何やら変な感じが残っていて何しろ片目状態だからおとなしく家のソファで穏やかなクラッシックのCDを聞き続ける、それくらいしかやれることが無い。寝る前に痛み止めを飲んで翌朝目が覚めると前日の異物感は消えて大丈夫そうな気がしてくる。9時の開院にあわせるように診察に出かけたがもう患者が何人もいる。暫く待っていると看護婦さんが待合室で眼帯を外してくれる、あっさりだ。

右目を開くと何か明るい。手術をまだしていない左目と較べて色も白っぽい。やや慣れてくると左目が何か緑がかったように暗くなっていたのだと分かる。気がつかなかったがやはり白内障は普通に進んでいたと納得する。弱い近視となる眼内レンズを入れたので遠くがくっきり見えるということは無いが明らかに視力が良くなっている。近くを見るのも不都合ない。

検査するとこれでメガネで補正すれば1.2近くなるようだ。まずはメデタシだがまだ左目の手術がある、これを終えてメガネを作り直してやっと運転ができる。まだしばらくはどこへ行くにも不自由だ。今の眼鏡の右だけを弱い度数のレンズに変えれば今の状態でも運転は可能かもしれないと近くの眼鏡屋に出かけて仮の組み合わせを作ってもらって見て見るが右左の色の違いがどうしようもなくて一つの像に結像できない、眼鏡なしの方がなんぼかましだ、簡単ではない。片目だけレンズを換えた眼鏡では役に立たないと解ってあきらめる。あと2週間くらいは我慢して家でごろごろするほかないようだ。水泳や 海に落ちることが前提のヨットは水による感染症を避けるため1ヶ月は控えてほしいともあり、これは運動不足になりそうだ。我慢しなければならないことが多いがどうしようもない。

ともかく日帰り手術で随分と見え方が良くなった。人類はそのうちサイボーグのようにくたびれた部品を変えながら生き延びることになるだろうと思っていたが目についてはもはやその時代に来ているようだ。

ほんの数百年もすればサイボーグ化は体の隅々まで行き渡り飛躍的に人類の寿命は延びることになるのかもしれない。長く生きることが本当に幸せなのだろうかということになるのかもしれない。そこまではまだ程遠い単純な時代に生きていることが考えてみれば幸せなようにも思えてくる。目の前の今を十分に楽しむ、それが一番なのだろう。

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