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2013年11月26日 (火)

787のエンジントラブルと温泉と

ボーイング787のGEnxエンジンに問題が起きているという。コアエンジンに従来とは違ったメカニズムGenxeg で着氷が起こり出力低下が発生することがあるということのようだ。コアエンジンの部品表面はそれなりに温度も高く(1000°F?)着氷とは無縁と思われていたが何故かGenxエンジンのコアエンジンでは雷雨のような雨と氷が混じった空気を吸い込むと表面が次第に冷やされ遂には表面で氷の結晶が成長し始めこれが空気流をブロックしたり流れを乱したりしてコアエンジンの作動を異常にさせるということらしい。これまでに飛行中の機体に8件の異常が報告されいてGEは対策中だが取り敢えずは積乱雲から50マイル離れて飛行するよう注意がボーイングから各エアラインに通告された。これは困る。こんな回避では定時運航ができず実害が出る。
何故Genxエンジンで初めてこのような現象が起こっているのかは説明されていないようだ、軽量化が進んで部品の熱容量がこれまで以上に低下したということだろうか。
新しい技術には思わぬ危険が潜んでいるという好例を787は次々に提示してくれる。航空機以外の分野でもこんなことが起こり始めてくるような気がしている、新しい技術を実用に供するにはこれまで以上に伴なって生じる現象に注意を払うべき時代に入ってきたようだ。技術そのものはまだまだ未熟な時代にあることは確かなのだが。

この連休霧島に遊んできた。天空の森という一泊20万円もする究極のリゾート宿のランチとEbino5 散策に当たったということがきっかけだが、霧島一帯の紅葉もかなりいいのではないかとの期待があった。当初は天空の森のランチの後手頃な宿に1泊するという1泊2日の計画だったが、11日前までの気象予測計算を毎日見続けていると旅行2日目の嵐の予測が動かない。4日前になって予測は確実と見切って宿泊を1日前にずらして別の手頃な湯治宿を取り直した。

はたして予想通り前の日は極めつけの快晴となってえびの高原の散策や霧島神宮付近の紅葉を満喫し龍馬も逗留Tenkuu1 したという温泉の近くの宿で久し振りの温泉も楽しんだ。翌日も好天でシンプルで贅沢なランチを味わった後無事夕刻には自宅に帰りついた。そして次の日の朝は予想通りの嵐だった。やっぱりかと技術の進歩の恩恵にあずかった想いだった。気象予測技術が進めばこんなことが当たり前になってくるのだろう。まずはメデタシだったが、最初の宿のキャンセルが間違って実はキャンセルされていなかったという事態がその後降ってきた。慣れぬ直前キャンセルでこちらの初歩的ミスだからしょうがない。ちょっと痛いがこれも技術の進歩には思わぬ事態を伴いやすくなるという一例だろうかと思ってしまう。

こんな風に予測がつかないことが起こりやすくなる未来というのも面白い時代なのだろう、ほどほどの実害に収まればの話だが。

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2013年11月25日 (月)

九年庵(くねんあん)

九年庵(くねんあん)というところの庭園がこのあたりの紅葉の名所の一つだというので出かけた。この時期9日間だけ一般公開になり今年2013年は11月23日で終了する、無理してでも出かけようという気になる。佐賀県神埼市だから吉野ヶ里の近くで1時間と少しで到達できそうだし平日でもあり午後からで十分と出発したが渋滞が気がかりだった。ともかく何かの対策くらいはしてあるだろうと期待する。現地に近づくと予想通り一般車の駐車場案内がKunennan2 次々に現れて誘導される。現地とは随分離れたところからシャトルバスが出るようだ。渋滞もなく大きな臨時駐車場へ着くと予想以上に沢山のクルマが停まっている。500円の駐車料金は取られるもののシャトルバスは無料で次々に発車している、スムーズだ,なかなかいい。この間行った唐津くんちもそうだったが佐賀は渋滞を起こさずに催しものを行う技術に優れているようだ。きちんと考える態勢ができているのだろう。
バス降車場からは橋を渡って出店が続き九年庵に至る、勿論ツアーバスも次々に到着して人出も多い、秋祭りの雰囲気がある。

Kunenan さて九年庵だ。植えられたイロハカエデが紅葉の殆どだから山の紅葉のような感動は勿論無いが数奇屋造りの邸宅とあいまっていかにも庭園の紅葉として美しい、苔も30数種が巧みに配置されており庭全体の雰囲気を立体的にしている。京都風というのだろうかとも思ってしまう、確かに一見の価値があるようだ。元々戦前の佐賀財閥で東邦電力の初代社長も務めた伊丹弥太郎の別邸として明治末に造られたものだから歴史は100年くらいと浅いがつくりはなかなかで今は佐賀県が保有維持して国の名勝となっている。当時の九州一の築庭の名人といわれた阿(ほとり)和尚の作という。富の集中が生み出したものとはいえ美的形を後世に残しえたことは評価すべきだろう。しばらく雑踏にまみれて見入る。
この秋は雷山千如寺、九年庵と庭園の紅葉を見てきたが、去年まで見慣れてきた奥日光や東北の山の紅葉がどうしても懐かしく思い起こされてくる。あの圧倒的な美しさにはもう当分出会うことはできないのだろうか。
そのうちにまた、といいながら時はするすると流れ行きてしまうのだろうか、その様な思いの入り混じった未来の時を眺め見るのも却って面白くも思えてしまう。つべこべ思っていながら時は過ぎる、とにかく冬がもう直ぐそこだ。

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2013年11月17日 (日)

相撲見物

福岡に戻ってきて楽しめることの一つが各種コンサートや催し物だ。フィギュアスケートのグランプリファイナルが来月福岡で開かれるというのでキップはとネットで見るととっくに売り切れ状態で恐ろしく高いプレミア付きキップが出回っている。驚きだ。1枚15万円との値がついたのもある。これは無理だ。ポールマッカートニーの切符も同様で売り切れ状態だ。売り切れではしょうがない、あきらめてせめて大相撲九州場所でもと2日ほど前 相撲見物にでかけた。開催されている国際センターには家の直ぐそばのバス停からダイレクトにいけるので随分と気が楽だ。
正面のチケット売り場で自由席を買って入る。桝席は1人1万円前後で気楽に見るにはちときつい、椅子の自由席なら土俵からはやや遠いが2000円と手頃だ。幕下の後半くらいから見はじめる。双眼鏡、一眼レフ、それにipadと道具を展開して観戦する。このあたりはwifi無料エリアで便利かも知れないと思ってipadも持参したがストレスなくこれまでの勝敗や対戦相手の情報が得られて重宝する。観客に外人の姿が目に付くがそれにしても空席が目立つ。幕下ではまだこんなものかと思うが力士がちょっと可哀想だ。あっけなく勝負がつく取り組みが多いのもそのためか。十両になると勝負にも粘りが出てきて面白くなって四方から声Sumou1 がかかる割合も多くなる。西の自由席には小学生の見学授業とおぼしき一団が陣取っていてしきりにガンバレと甲高い声援を送っている、賑やかでいい。15歳以下は普通に入っても200円だから子供はかなり優遇されているが雰囲気を盛り上げるのにはいい。
力士はやたら太ったアンコ型が多くて足がよくもつと思うが結構早い動きはできていて感心する。幕下でも十両でも十分面白い。土俵入りも終わって幕内の取り組みになってくると客も増えてくる。しかし桝席の上半分は空席だ、平日でも一人1万円では埋めるのも難しいとは思うが2人席の桝席は全期間売り切れであることをみると4人席の桝席が多すぎるようにも感じる、売り方にまだまだ工夫が必要のようだ。
次々に少しは名の知った力士が現れては取り組みが進む、リズム感が良くて工夫していけばこれは今後も長く歴史をつなげるように思える。モンゴルや外人が力士に多くなっているが違和感はあまりない。なかなかいい。


九州場所も終えるともう冬本番がそこまできそうだ、寒さの冬も遊ぶことが色々あってまた面白そうに思っている。

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2013年11月14日 (木)

ツワブキから九州が解ってきて

庭のツワブキが綺麗に咲いている。あちこちでツワブキの黄色い花を見かける、これも福岡Tuwabuki へ戻ってきてみて目に付く景色だ。ツワブキは関東以西が生息域だが食用のツワブキの主産地は九州となっていることから、九州に昔から多いのだろう。津和野という名はツワブキからきているとも言われるので九州、山口が主ということかもしれない、とにかく南の植物だ。原産地は日本とも中国ともいわれ、非常に古くから日本にある植物でもある。
3日ほど前に紅葉を見に糸島の雷山千如寺に出かけた。福岡市周辺の紅葉の名所は大抵が庭園のようでここもそうだ。雷山は1000m弱の山でその山腹に千如寺がある。見頃、との情報で出かけたが山地に入っても木々は青々としていてとても紅葉の雰囲気はない。
Senyoji 標高350mの千如寺までくるとクルマが混んでいる。休日であれば近づけないくらい混むらしい、福岡市近郊の紅葉の名所となればこうならざるを得ないのだろう。寺の庭園にある巨大なカエデが紅葉見物の中心だが見ごろと言うにはやや早い。そうであっても半分以上は紅葉しているので十分綺麗だ。地面にはやはりツワブキがある、庭に良く合う花だ、全体が九州らしい景観といっていい。
千如寺の開祖は聖武天皇がインドから招いた清賀上人とさ れる。油山観音も同じ清賀上人とされており、実在したかどうかは別にしてその様な時期に渡来僧が次々に寺を開いたということは事実なのだろう。千手 観音立像と清賀上人木Tuwabk2像が重要文化財に指定されて遺されていていずれも鎌倉時代から室町時代にかけて製作されたものとされているが遺されたものに歴史の古さはあまり感じない。

歴史的には古い寺であることは明らかで神功皇后が三韓征伐に際して祈願したとか鎌倉幕府が元寇の戦勝利を祈願したとかいわれる、開闢以来国際関係に常に巻き込まれていた寺院のようだ。しかしそんな事実を今に示す渡来品などは全く残っていない。
思えば福岡・博多を巡る歴史は非常に古いものがあるのだが歴史的遺物は思いのほか少ない。戦乱が続いて失われていったのだろうが古いものを大事に守るという守りの姿勢を維持し続けることは苦手の風土Mokuzouであるような気もしている。
人間の営みの歴史はうたかたのように流れ去っていきたいしたものは後に遺さず、結局残っているものは元々ある島々そのものでありツワブキのような生き物であるということになるのだろう。
だんだん九州が解って来たような気がする。歴史的遺物を追いかけるのは適当にしてやはり今を今あるものを楽しむのがいかにも九州的な生き方なのだろう、そう思えばこれは自分の行き方に合っているような気がして、やはりここは故郷なのだとの感慨が深まってくる。
もう秋も終わりそうだ。

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2013年11月 6日 (水)

唐津くんちに秋の終りを知る

ジョウビタキが1週間ほど前家の近くに姿を見せだした。

いつのまにか秋が過ぎようとしていた。目覚めると予期せぬ雨音が響いてきた。冷たい雨の滴りがもちの葉を濡らし白い幹を褐色に変えている。重々しい空はもう冬の様相を見せて押し出してきていた。

思いついたように唐津くんちという祭りに出かけた。唐津なら1時間と少しで行くことができる、古くからの祭りなら見なければ損だくらいのケチな気持ちが底にある。その位の軽さが性に合っていると思っている。
唐津の街なかは交通が大幅に規制されるというので街外れの松浦河畔の臨時駐車場にクルマを停めて無料のシャトルバスで唐津駅に向う。バスで天神まで出て地下鉄経由の筑肥線で来ればいいのだがこちらの方が簡単で割安に思える、クルマの安直さがいい。
3日ほど前に佐賀バルーンフェステバルを見に行ったばかりで佐賀は何かとこの時期話題が多い。シャトルバKaratuknc スを待っていると同じようにバルーンフェステバルに行ってきたとの話し声が流れてくる。
駅前に着くと曳山がそろそろ近づいてきたらしく右手の道路に向って人が急いでいる。
程なく1番山の赤獅子が曳かれてくる。随分小さな子供もはっぴ姿で曳き手に加わっていて大人のたちの先に立ってわずかばかりの力を与えている、こういうお祭りなんだ、住民の一体感がにじんでいる。曳山の中で笛を吹き続けているのも中学生くらいの男の子の一隊だ、若さが出ている。順番に14基の曳山が現れるが全てが同じような年齢構成だ。これなら長い時代を越えて引き継がれていくに違いない。
19世紀はじめから後半にかけて作られた見事な漆塗りの曳山が次々に曳かれていく。最も古い曳山は1812年製、新しい曳山は明治9年製だ。長崎から蘭学が広まり幕府が倒れ明治にいたる騒がしい時期に曳山が作られ祭りは今見る形になって行ったようだ。沸き立つような時代の片鱗が祭りに埋め込まれているような気がしてくる。鹿沼の秋祭りもこれ以上にも見事だったがこのような若さの連続は感じられなかった。時代の活気までは伝わってこなかった。これはいかにも九州らしい。
祭りの列が過ぎ去ってあちこちの出店から豚汁だのおでんだのおこわ飯だのを買い込み広場や階段に座り込んで食事する姿で駅前は溢れてくる。レストランも勿論あるが長蛇の列で出店で食べた方が祭りらしくて楽しい。
食事をして引き上げる、あっさりした祭りだ、望ましい軽さがある。
駐車場となった河畔公園の黄葉はそろそろはじまりそうな色合いだったが桜はもう葉を落としていて実は秋も終わろうとしているのが解ってくる、ここでは祭りの終りが秋の終りをはっきり指し示しているようだ。

九州まで来ると四季のうつろいまで人がしくんでいるように思えてくる、そういう縦長の日本が面白い。

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