諫早干拓地でナベコウに遭遇
足尾から来た女というテレビドラマを見ていたら1年前まで眺めていた渡良瀬遊水地のぼうぼうとした風景が引っかかってそういえばチュウヒやコミミズクは九州ではどこに出てくるのだろうと気になって調べてみた。ネットで見ていくと諫早干拓地が目に入ってくる。潮受堤防締め切りで葦原が広がってきてそれまでのシギ・チ中心からチュウヒなどの猛禽が渡ってくるように変わってきたとある。広くて探すのは楽ではなさそうだがハイイロチュウヒ、チュウヒの他コミミズクやナベコウ、ムラサキサギ、ケアシノスリ等運がよければ色々いそうだ。福岡からの日帰りでは疲れるので雲仙に1泊することにして雲仙諫早の旅に出かけることにした。開門か否かで話題の場所でもある、何も出なくてもどんなところか見るだけでも十分との気持ちがあ
る。11日間予想で晴れが2日続くはずの日取りとして宿を取ったが日が過ぎていくと晴れは1日しか持ちそうに無い、日を変えてもいい日取りとなる確信が持てないのでそのままとして出発した、1月29,30日のスケジュールだ。
山越えで東背振まで行って長崎道に乗る。諫早インターで降り ナビに従って諫早中央干拓地に向かう。とりあえずの目的地は中央干拓地の内部堤防展望所だ、トイレや駐車場がある。出発して3時間ほどで干拓地に到着、干拓地内には農地が広がりヒバリが頭上でさえずっている、1月でヒバリとはやはり暖かい。
干拓地の縁の内側堤防の向こうには葦原が形成されていてやぐら状の展望所が設けてある。眺めているとハイイロチュウヒのメスが2-3羽葦原すれすれに飛んでいるのが目に付く。渡良瀬遊水地に似た風景だがこちらの方が見やすい。塒入り時でなくとも昼間から葦原を飛んでいる、遊水地のチュウヒの存在に似ている感じだ。
暫く眺めた後森山干拓地の方への移動途中でクルマ前方に大型の鳥2羽が舞い上がった、ナベコウのようだ。路肩に車を止めて図鑑を広げながら双眼鏡で見ると確かにナベコウだ。上昇気流をつか
んで高度を上げていく。初めてみるが見ごたえがある。
森山干拓地ではヒバリやアトリやチョウゲンボウ、チュウヒなどを眺めるが見たことの無い鳥で名がわからないのもいる、思った以上に色々な鳥が見られて楽しい。コミミズクには時間が悪いのか遭遇できない。
翌日雲仙の帰りに潮受堤防上の道路を走ってみる。長い堤防がもうしっかりと根付いていて水門を開けても勿論元に戻るようなものではないと感じる。開門すると潮位の大きな変動が内側に伝わってそれはそれで葦原の広がる今の自然環境を壊してしまうだろう、掛け違えたボタンでももはやかけかえる訳には行かない現実を直視せ
ざるを得ない。どこかで双方が和解する他ないのだろう。
眺めていると人間世界の争いを飲み込んだようにみえる自然の姿がどこか頼もしくも思えてくる。もう春だ。
| 固定リンク
コメント