曽根干潟と響灘ビオトープ
庭の梅も散り始めて寒さもそろそろ終わりに来たようだ。
香春町にちょっとした用事があってそのついでに前から気になっていた曽根干潟と響灘ビオトープを巡ってみることにした。曽根干潟は周防灘に面した干潟で北九州空港のすぐ北にある。
香春町から新仲哀トンネルを抜けて行橋に至りそこから少し北上するのだが、トンネルの名前となっている仲哀という文字が気になって戻って調べるとやはり古事記・日本書紀に登場する仲哀天皇に由来している。神功皇后の夫でありともに九州に赴いて熊襲征伐をしたその折にこの峠(仲哀峠)を越えたという言伝えによるようだ。確かにここは古くから瀬戸内と筑豊/筑紫を結ぶ重要ルートで近くには古代山城遺跡である神籠石も遺されている。北部九州は古事記・日本書紀の大舞台になっていたと思い起こしてしまう。
行橋を過ぎて程なく曽根に至る。干潟訪問では駐車場所がいつも不安になるがここもネット 上では駐車場は無いとなっている。干潟への川沿いの道を海に向かってとにかく進む。今津干潟周りの道より大分広くて余裕があり何とかなるだろうとの感じを与える。堤防に突き当たったところのちょっとしたスペースに車を停める。満潮を過ぎてしばらくにあたり引き潮でみるみる波打ち際が後退していく。ツクシガモが多い。チュウシャクシギの集団も彼方に見える、遠いがスコープで何とか判定できる。クロツラヘラサギも3羽見える。何故かカラスが干潟に 多いがズグロカモメやセグロカモメなどカモメも多い、しかしとにかく遠い。干潟らしいと言うべきなのだろう、訪れるならぴったり満潮の時がいいのではないかと思われてくる。
それでもかなり堪能して響灘ビオトープへ向う、北九州都市高速道経由で渋滞は特になくスムーズだが思ったより遠い。若戸大橋を本当に久し振りに渡って若松の埋立地エリアにたどり着く。関門海峡から西の北九州市に面する海域を響灘と呼称しており、今は海辺に風車の列が目立っている。この一角に目的のビオトープがある。工場や人工物に囲まれて自然環境がビオトープとして維持されている印象だ、渡良瀬遊水地のように開放的ではなくちょっと息苦しい。
元は廃棄物処分場だったらしい、広い空き地が残って葦原となり野鳥が来るようになったとの風情だ。施設は新しく1年半前に開設されたようだ、ネイチャーセンター近くに2-30分でまわれる位の遊歩道が設置してありそれ以外には立ち入れない。タカサゴモズが来ているらしいしツリスガラも時折姿を見せるらしい、掲示してあるここで撮った写真ではその他珍しい鳥が色々来るようだ、場所がいいのだろうか。とにかく周ってみる。風が強くて鳥見にはあまり向かない日だがこんな時にはチュウヒが予想通り現れる。その他草むらからヒバリのような鳥が時々飛び去るが風が強く
て素早くて良く見れない。一回りして珍しい鳥には出会えなかったがチュウヒが見れてまあいいかと引き上げる。帰りは3号線を使って香椎から福岡都市高速に乗って2時間くらいで帰り着く、わざわざ出向くにはちょっと遠い距離だ、出向くなら大授搦のほうがまだ近くて良さそうか、と思ってしまう。
散ってしまわないうちにと庭の梅の絵を描き始めた、自然と付き合うのは野鳥であれ庭の花であれままならない、思い通りにならないところがいいのだろう。時は流れていく。
| 固定リンク
コメント