大宰府政庁跡でキレンジャクに出会う
八女に枝垂桜を見物に行くついでに大宰府政庁跡に随分久しぶりに訪れてみた。都府楼跡という言い方で幼い頃はなじんでいた場所だ。
九州王朝説では太宰府(点のない大宰府ではなく)が大和朝廷以前の倭国の首都で藤原京より古い日本最古の条坊制都城
としている。現在残されている都府楼跡は条坊制遺構の中心に無く九州王朝に代わった大和朝廷が後で作ったものだとも説明して、少しばかり違う場所にもっと古い建物あとがあるはずというのだがまだ見つかってはいない。九州王朝説は走りすぎているところが多々ある、しかし面白い。
ともかく礎石が残されている遺跡は強い、今のところここが古都の中心として国の特別史跡に指定されている。
広い史跡跡に礎石が転々としていてなかなか立派だし、歩き回るのに気持ちがいい。幼い頃訪れた時はずいぶん埃っぽかった記憶があるが今は芝張りでよく整備されている。バブル期以降観光地はどこもこぎれいになった。歩いていると太宰府の街を見下ろすような高台にあることに気づく、いかにも、の感じがしてくる。
ここに来たのは、レンジャクが都府楼跡に来ているとの情報がこの3月福岡で巡っていてそれを思い出してやっと訪れたということでもある。
無料の駐車場に停めるとすぐ前の桜にレンジャクが堂々とした姿を見せてい
る。もはや数は少ないが今年初めてのレンジャクがうれしい。残っているのはキレンジャクのようだ。4羽前後がフライキャッチしては桜の枝に戻ってくる、そのさまも面白い。
ヤドリギはどこにもないが近くに赤い実をつけた潅木もあり水場も有ってレンジャクが好む環境のように思える。植物性の食事には飽きて今はたんぱく質の補給に努めているという風情だ。
暫く眺めては写真に撮る。写真撮影者は平日ということもあって数人だが知った顔にも出会う、狭い世界だ。
レンジャクは古都に似合っている。レンジャクという響きがそんな気にさせるのかもしれない。こんな風景が1300年位前にもあったのではと思えてくる。
鳥と花を追いかけて今年もあちこちに出かけることになるだろう。去年は糸島の王墓ではカササギに会い、今都府楼跡ではレンジャクに出会う、歴史の流れがそこに顔を出すのが九州らしくて面白い気がしている。今年はどう展開していくだろうか。
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