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2014年4月 3日 (木)

桜を口実に出歩くのが楽しくて

先週から今週にかけて福岡周辺の桜を見て回っている。晴れた日の平日に気楽に桜を見れるというのがなんとも贅沢だ。

先週は八女・黒木の枝垂桜、佐賀・神埼町の姫枝垂桜と山桜、伊万里の明星桜というエドヒガンザクラ、そして今週は久留米・浅井の一本桜と巡った。サクラの名木のほかソメイヨシノのサクラの名所も幾つか巡っていて、唐津城、福岡・西公園、秋月・杉の馬場の桜並木と回った。ソメイヨシノは近くの公園でも十分美しい。勿論庭にもささやかながら咲いている、いい季節だ。
Myojyozakura 九州の落葉樹はサクラが多いように思えている。そのためかこの時期歩けばサクラに当たるという風景が展開されて桜の密度は関東よりも多い気がしている。

伊万里の明星桜は幹周り11.7mという数字が環境庁の巨木調査にある、全国2位だ、九州ではお墨付きの巨木ということになる。現物を見ると地表に出たところから4つに分かれているので11.7mの幹に直接触れることはできない。しかし900年という樹齢にしては元気だ。うねうねと曲がりくねった太い枝が四方に伸びているさまは軟体動物のようでさえある。そして花も美しい。
Asaisakura1
浅井の一本桜はヤマザクラだがソメイヨシノと変わらぬ時期に咲く、ヤマザクラにも色々有るようだ。これはとりわけ枝振りがいい。きちんと手をかけて育てられた歴史を感じる。高台の池のヘリに立っている姿は植えられた時から計算された形かもしれないと思えてくる。平日でも混んでいる、土日では車ではとても近づけまい。大抵の名木には田舎道を辿っていって行き当たる、いかにも休日では車の大渋滞になりそうだ。仕事を離れた身でなければこんな風に気ままにサクラ見物はできない。

秋月の桜並木は秋田の角館の風景に似ている。こちらの方が道が細くて昔らしい風情があるとも思える。ここは平日でも混んでいる、町おこしがうまいのかもしれない。明治時代に藩の時代は杉並木だったのを伐採して桜並木としたという、郷愁を捨てて賑わいをはかったのだろう。秋月といえばあの上杉鷹山を生んだ高鍋秋月藩の先祖伝来の土地だ。こだわりを捨て現実的に暮らしを良くしようとする考え方Akiduki が今も連綿と伝わっているような気がしてくる。

サクラを見ながらサクラを見るという口実でここあそこと気の向くままに出歩く。
気持ちよく晴れた春の日はそんな気を呼び起こしてくれるのが楽しい。

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