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2014年4月10日 (木)

鳥を見ながら旅を楽しむのが

2日前南阿蘇に遊びに行った、たいした理由はないのだが桜もよさそうだし平日ゆっくり小旅Ikaru1 行するのは気持ちがいい。勿論これなら晴天という日取りを慎重に選ぶ。鳥見の旅行ではないのだが巡っていると鳥が気になる。朝 宿の周りを散歩しているとイカルが群れになって木の上で囀っている。群れでイカルが囀るという場面には出くわしたことが無かったのでちょっと気分が良くなる。林を巡るように歩いて時折立ち止まっては録音していたのだが、イカルのほうで録音している姿を見て寄ってきてこれでもかと鳴いているように思えてくる。録音している時はそんな風に思える時が何度かあって写真よりいまだに面白い。

ちゃんと計画した旅行でもないので宿のパンフレットをみて高千穂峡というのが1時間ほどでたどり着ける距離と知って思いついたようにそちらへ回ってみることにする。宮崎県だ。天孫降臨の高千穂の峰とは違う高千穂だがこちらもここが天孫降臨地と主張している、土台が神話のことで現実の話Takachiho ではないのだからどうでもいいことのようにも思えるが地元にとっては重大事なのだろう。古事記では筑紫の日向の久士布流多気に降臨したと記述してあり、九州王朝説では糸島と福岡市の間にある日向峠付近の山が降臨地であるともしている。ともかく古事記日本書紀の編纂を行った政権は九州が政権発祥の地と言いたいようであるのには変わりない。

玄武岩で構成された渓谷はいかにも神秘的ではある。ボートに乗ったり写真を写したりして遊んだ後、遊歩道をすこし遡っていくとオオルリの声が聞こえてくる。4月9日にオオルリのさえずりとは早い、そのうち岸壁の潅木を飛び交いフライキャッチしているブルーの美しい姿も見えてくる。渡ってきたばかりとは思えない姿だ。録音機も手元になく遠くてじっとしていない様子は映像にもうまく撮れない、かろうじてビデオの音声だけにその声を入れる。オオルリの声の響く高千穂峡は思いのほか心踊るものがある。

帰りには荒尾干潟にまた寄った。またというのは行きに寄ってうまく鳥を見られなかったリベンジだ。
行きは、干潟訪問は旅のスケジュール設定の終わり頃に決めたこともあって干満のチャートでは潮のタイミングは必ずしも良くない。14時頃が満潮だ、それも小潮で大した満潮でもない。荒尾に行く前に寄っていくところもあって満潮の1時間前くらいにつけばいいかとのんびり出発する。八女の磐井の古墳(岩戸山古墳)見物に時間を使ってほぼ13時頃到着する、この古墳も随分と面白い。

ネットに出ていた南荒尾駅の南の踏切を渡って海岸の駐車場所に止めると、もう満潮の雰囲気で潮が満ち干潟は無く鳥は姿を殆ど見せない。僅かにヨシガモが10羽位浮いているだけだ。大授搦とは随分違う。海図の水深0mは大潮干潮時の海岸線、地形図の海岸線は満潮時の海岸線であることから干潟の大きさを読み取ることができるのだが、見てみると荒尾干潟も干潮時は2-3km海岸線が沖に出て干潟が広がるはずだ。小潮なら満潮頃でもそれなりの干潟が残って鳥が見やすいだろう(2月に訪れた大授搦はそうだった)と計Arao1 算してきたのだが見事に外れた。空振りかと空しくこの日は阿蘇へ向かう。翌日の帰り、潮は同じようなタイミングになるが場所を探せばどこかにはいるだろうとまた14時ごろ訪れた。予想通り前日と同じ風景が広がっていて何も居ない、直ぐに3km程北の水門付近に移動する。前日最初に間違えて迷い込んだところで鳥の声が聞こえていた場所だ。たどり着くと水門の向こうに砂州が少し残っているようでソリハシシギのようなシギの姿が見える。車を何とか脇に押し込んで堤防に上がると数百の群れが見えてくる。たまたま見ていた方に教Arao2 えていただいて堤防の海側ぎりぎりに出てみると良く見える。大授搦のスケールは望むべくも無いがコンパクトにまとまっていて面白い。オオソリハシシギ、ハマシギ、ダイゼン、ムナグロが多くズグロカモメも数羽いる。そのうちヒドリガモの群れも寄ってきてしだい賑やかになる。
干潟は干潟ごとに適切な見方があるようだ、荒尾干潟は満潮ではなく中くらいがいいように思える。この時期の干潟はともかく楽しい。

Arao3 鳥見の旅行でなく時々鳥を見ながら季節を楽しむ、こんな旅をこのところ毎月のようにしている、いい時が送れているように思えて少々贅沢すぎるか、と不安になることすらある。

春はきらめきをまして過ぎて行き、のびやかな皐月の空が近づいている、次はアケボノツツジを求めて山にでも登るか、そんなことも考えている。どうあれ今という時を楽しむ旅は当分止められそうにない。

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