山笠で夏が来る
昨日は飾り山笠を見に行った。
まずは自宅から少しは近い渡辺通1丁目に行ってみる。コインパークに車を置いて見ると山笠の前を歩き過ぎる人はいるが見物人はいない。平日の昼ではこんなものか。ここは本能寺の変が出し物だ。綺麗に飾り付けられているが少々綺麗すぎる。人形の顔が優しくて戦国の世のドロドロしたむごたらしさがどこにも感じられない、リアルさがない。歌舞伎の世界という雰囲気だ。
街中の川端商店街付近に移動して幾つか見てみるが見ているおばさん連からもそんな声がする。こちらは官兵衛の高松城攻めだがやはり綺麗過ぎる。
川端通りから通りを渡ったリバレイン前の出し物は山笠発祥縁起でこちらはリアリティが出ている。人形師もこんな題目なら想像力が増すのだろう。
そもそも芸術品の鑑賞のような目で山笠を見てしまうのが良くないのかもしれない。反対側の面の出し物はドラえもんでじっくり眺めるというものでもないが周りの子供たちはこちらをじっくり見ている。大型の紙芝居のようだ。そんなのが祭りなのだろう、祭りの雰囲気なのだろう。今回は幾つかの屋外設置の飾り山笠は台風8号に備えて2-3日前に解体されており中洲の山笠も15日に走るかき山だけが残っている。結果的にほとんど風も吹かなかった
が警報が出るようではにわか作りのやぐらは解体せざるを得ない。用心して警報を大げさ目に出されてしまうとこんなことが起こる、一方では本当の被災地では出し遅れが糾弾されている、難しい。
祭りがある、台風が来るかと思えばそれる、非日常が重なっていかにも祭りらしい。
華やかな飾り山笠をみていると不思議に博多の夏が来たというせりふが浮かんでくる。当然のように浮かんでくるのが面白い。
見ている人が概ねおばさんという景色を眺めていると飾り山は女性向けの楽しみ、15日の舁き山は男性向けの楽しみと切り分けられた祭りのようにも思えてくる。舁き山を取り巻くふんどし姿の男衆の姿がいかにも祭りらしい。
15日にはまだ梅雨は明けそうにない、しかし夏が来る、祭りがウダウダ言わずに季節のけじめをつける、それがこの街らしい。
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