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2014年9月23日 (火)

タカの渡りが今年は早い

今年のタカの渡りは少し早いような気がしている。
Akahara2    対馬のアカハラダカの渡りデータを見ると去年より1週間くらい早いようだ。

ハチクマの福岡・油山の渡りデータもそのような傾向がありそうだと調べてみる。
今年のここまでの渡り数の傾向は立ち上がりがかなり早いことに特徴がある。ピークはそれほど早いということもない。一体タカの渡りを支配しているのはなんなのか考える。

Hachikumaw2 紅葉の見頃については推算式があり9月の平均気温に依存するという式が関東地方に当てはめられていて結構いい推算となっている。それを思えばタカの渡りタイミングは単純に8月の平均気温に依存しているのではないかと思ってしまう。渡り開始地として長野地方で代表させてもいいかも知れないと思って見始める。山地のデータがいいのだが気象庁のサイトにある長期間の月別平均気温は限られた都市しかデータがなく長野市でみてみるほかない。都市化の影響も含まれていそうだがしょうがない。

この3-4年の傾向は平均気温が下がる方向でこれと渡りピークの日がHachikumakion 早くなっている傾向は大体は合う。3.11の影響ももしかしたらどこかに潜んでいるのかもしれない、なにしろ福島あたりはハチクマが多数繁殖行動を行っている所だ、福岡を通過するハチクマも福島のものが多数いるに違いない。

ハチクマの渡りを支配するものもう一つは風かもしれないと思う。秋の渡りは五島列島から直接中国へ向かうルートで海上700kmを一気に飛ぶ。飛行には安定した東風が極めて望ましい。この時期東風は秋霖前線の北側で安定して吹くことになるがこの前線が丁度五島列島の南のいい位置に来る日取りを見計らって渡りを開14092108 始するのではないかと考えてみる、いかにもありそうだ。 前線の位置は気温で推し量ることができる。長野辺りの気温が急に下がり始めるころあいを見計らって出発すれば五島付近に着く頃には丁度いい位置に前線が引っかかりだすのかもしれない。今年であれば長野は9月7日に気温がすっと下がって北風が吹き込み始めている、去年は9月16日だ。4-5日遅れで福岡まで到達しているとするとおよそ符合する。この辺りが第1波の引き金なのだろう。

今年の五島からの渡りをみると21日が今のところ最多でこの時五島上空では1000mくらいまでが東風でやや低いが安定している。高度を上げすぎると定常的に吹く西風にひっかかる。1500mくらいが上限かもしれない。5-7mの風だから700kmを1日で飛びきることから逆算すると対気速度は12mくらいで飛行していると思われる。まあHachikuma140916 いい速度だ。この時期東シナ海の海水温は26度以上あって暖かい、海上の雲の吸い上げなども利用するのだろう。2013年で最大渡り数となった9月24日は福江ではほぼ北風だった。この日は台風が小笠原付近にあって東シナ海は安定した北東風になっている、これを読んで出たのかもしれない。悪くない判断だ。

アカハラダカは今年こそ見ようと9月12日に長崎・佐世保の烏帽子岳で出かけてみたが空振りだった、ここはタイミングが難しい。やはり対馬・内山峠まで行かないといけないのか。ハチクマは今年も近所の油山にちょくちょく出かけては見ていた、これは容易に楽しめる、低く飛んでくるのも時にはいて写真もまあ撮れる(添付)。しかし何となく鷹のほうも気楽で渡りの必死さがもう一つ伝わってこないような気もする、贅沢かもしれないが。

五島の大瀬でハチクマが海原に向けて決意を固めて出ていく姿を見てみたい。来年は忘れずに五島に渡ろう。それにしても秋は忙しい。先はまだまだ長いような気がしていて、のんびりとこの忙しさを味わっていくのもいい。

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