関東への旅、覚え書きとして残したくて
もう2週間前の話となってしまったが引越しした後初めて福岡から関東を訪れた旅の幾つかの印象が面白くて書き残しておくべきかと思っている。
旅のきっかけは福岡羽田のシニア向け格安航空券が1万円と得やすくなったことかもしれない、スカイマークが福岡羽田線に投入したエアバスA330の空席が多く赤字を生み出していることの結末ということになるのだろうか、これも巡り会わせだ。
A330はかなりすいていた。前日予約する必要もないほどだった。50%くらいだろうか。シニアメイトも見かける。これでは赤字運航だろう、スカイマークはこの先大丈夫だろうかと思ってしまう。
搭乗手順はJALとは違って全員が自動チェックイン機にカードを入れる。座席選択もここで行う。手荷物ありとすると手荷物用のタグが出てくる、同時に出てくるボーディングパスを持って
荷物検査をしたあと荷物を預けるが荷物へのタグ取り付けは原則自分でやることになっている。しかし初めてでは面食らう、タグにどこから剥がすとかこの部分は手元に残すとかのガイドが印刷されていればいいのだがと思ってしまう、コンビ二おにぎりに慣れた身には妙に不親切だ。少しでも人手を減らそうとしているところがよくわかる、しかしまだ突き詰めたLCCではない気がする。
離陸時にはANA777、ボンバルディア、大韓航空と離陸が重なりそれを縫って到着機が着陸する。かなり忙しい空港だ。滑走路上の待ち時間が多く定時運行キープもつらそうだ。福岡空港の滑走路増設は来年度着手の計画で予算要求が出されているが最早遅きに失したのではないかと思わせる光景だ。
座席は高級感があっていい、これで満席にならないのは不思議な気がする。パソコン用電源も全シートに用意されているしフットレストもある、何より座席間隔が広いし座席の横幅も広い。8列可能な胴体に7列の座席としている、要するに全席ビジネスクラスの配置だ。飲み物は100円本格コーヒーや100円アールグレイティーがありこれで十分なサービスだ。カップヌードルやインスタントうどんも100円であり、簡単なラ
ンチもとれる。
帰りの便もSKYMARKのシニアメイトで羽田から搭乗したが、この時は自動チェックイン時に必要となる年齢証明のため係員を呼んでも一向に来てくれず、むしろ無視する風情で、あまりの対応の悪さに怒ってしまった。教育が良くないのかいい人が雇えていないのか惜しい感じがする。
往きの話に戻る。羽田に着いてさすがにA330ならボーディングブリッジとなる、バスとはならない。荷物もすぐに出てきて全体にいい印象がある。経営が難しくなりつつあるようだが頑張って欲しい。A330は乗ってみるといい飛行機だ、特にスカイマークの仕様ではゆったり感に満ちており
、これで人気が出ないとは不思議だ。ボーディングパスは自動機でのみ発行とか自分で荷物にタグ付けするとか機内の飲み物は有料とかLCCの先達らしい切りつめた方式とゆったりシートがあまりにもバランスしていないためかもしれないとふと思う、旅のゆったり感は座席だけからくるものではないようだ。
羽田からはまずはスカイツリーだ、やっと見れる。計画通り地下鉄都営浅草線乗り入れの京成急行で一気に押上まで行く。久しぶりの東京の地下鉄だが車内の行き先ディスプレイが韓国語中国語英語日本語でポンポン変わっていき大丈夫とは思うものの急行というのは押上に間違いなく止まるのか中々確かめられない。アナウンスもか細くて聞き取りにくく、相変わらず慣れた人向けの地下鉄のイメージが改善されていない。お-も-て-な-し はまだまだ口先かの感がある。
地下鉄を降りてからスカイツリーに通じる通路までエレベータで上がるのだがこの間ホームからの移動にはエスカレータに乗れなかったり歩きにくかったり、荷物を抱えての移動は辛いものがある。健康な働き手のためのみに出来上がった街だ。
東武線の押上駅でもあるはずだからここで次の日分としてネット予約した東武特急の切符を手に入れれるだろうと思っていたが駅員に聞くとここでは東武の切符は売っていないとすげない。受け入れるよりほかない。荷物をエレベータ前のコインロッカーに入れて歩き始める。スカイツリーのショッピング街が続く、平日だがやたら人が多い。東京だ。
東武トラベルまで歩いて行ってやっと東武特急の切符を入手する、ここは空いていて問題ない。教えてもらった東武トラベルのすぐ近くのエスカレータで4Fまで上がりスカイツリー観覧入口に向かう。当日券もあるがこちらはまず予約時間の券をもらってから切符を買うという手順になっている、この時でていた券は16時ー16時30分というもので13時すぎから3時間近く
待つことを強いられるようだ。事前に前の日に福岡の自宅そばのセブンイレブンで13時半ー14時の予約券を買っておいて正解だった。前の日はすべての時間帯で売り切れはなく一見ガラガラの印象を与えていたがそうではなかった。団体も含めて渦巻くような人人人だ。これはいいビジネスになっている。中国や韓国からも大分来ているようだ。ぴったり13時半のエレベータに乗って400mくらい上がる。ここをぐるりと一回りして景観を堪能したあとさらに1080円払って最上部の階に向かう。このエレベータも待ち行列だ。いい天気で箱庭のような東京の姿が面白い。富士山が見えそうだが霞んでいて見えない。スカイツリーの影が地上の建物の上に落ちて日時計のように見える。どの建物に影がかかると何時という説明がど
こかに掲示されればもっと面白いのに、と思ってしまう。盛んに研究されているウエアラブルなデバイスで等高線が透けて見えるようなメガネでも貸し出されればこれも面白そうだ。たくさんあるはずの楽しみ方が紹介されるでもなくひたすらぐるぐる歩き回るのはもったいない気もする。うまくやれば頭上の星が昼でも見えるかも知れない、そんなことも思ってしまう。流星雨の時は更に面白そうだし日食月食も気持ちよく見られそうだ。そこまでしなくても人はうんざりするほど来るという今だからこそ次々に手を打っておければと思ってしまう。
堪能して350mのフロアレベルまで下りてくるとガラス越しに真下を見ながら歩ける場所が用意されている。見ながら歩こうとする一歩を踏み出すのに足の裏がむずむずしてためらいを感じるのが面白い。踏み出してみるとどうという事もないと解って後の足は出てくるのだがその微妙な感じがいい。
スカイツリーの小さなモデルのついた葉書立てをお土産として巣鴨への移動にかかる。ほぼ計画通りの時間に押上駅から半蔵門線で神保町で三田線に乗り換えて巣鴨だ。ここで宿に荷物を置いて六義園に向かう。六義園は関東にいてついに訪れることの無かった場所だ、こ
の時期紅葉がいいはずだ。ライトアップで夜もやっていると思っていたらまだで5時閉園という、30分しかないが止むを得ない。門の前にばらばらと団体がいる、中国人のようだ、東京の観光ツアーなのだろう、こんな所にもと感じるが現に東京見物中のわが身を思えば東京の観光ポイントとなればこういうことになるのだろう。視点が変わったのが面白くもある。次第に日が落ちていく時間にも庭園の紅葉は美しさを見せてくれた、十分だ。
歩いて旅の口実の一つとなった本日の会合場所に向かうがちょっと早いので小さなハンバーガー屋さんの店先に座って写した写真を見直しながら通りを行く人を何となく眺めて時間をつぶす。眺めていて飽きない、幾らでもつぶせる。
こんな風にして最初の日は過ぎていった。歩き疲れた、足の傷にも負担がかかったようにも感じたが、全てが人の渦巻きのような東京らしさに満ちていた。時々訪れてこの雰囲気を感じるのも悪くない、そう思った。
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