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2015年2月10日 (火)

トランスアジア航空235便の事故

また台湾のトランスアジア航空のATR72の事故だ。
2015年2月4日現地時間10時54分(02:54UTC)、台湾台北市の Taipei Songshan Airport(台北松山機場)を金門島へ向け離陸直後に空港東側を流れる基隆河にATR72-600が墜落した。
気象条件は曇りで雲底が1500ft-4000ftくらいのやや低い雲が出ていたが視程も良好で風も東5mとほぼ正対で運航に問題となるものはない。58人中パイロット2名を含む40名が死亡している。
事故原因はほぼ解っていて、離陸直後に右側エンジンが不調となり停止し(自動的にプロペラはフェザー位置になる)パイロットが操作の錯誤で健全な左側エンジンを停止してしまい、錯誤に気がついて再始動させたが間に合わず墜落したというものだ。フライトレコーダのデータそのものがネット上に公開されており(http://aviation-safety.net/photos/displayphoto.php?id=20150204-0&vnr=1&kind=G)航空機の飛行データを読める人なら誰でも墜落に至るパイロットの操作と機体の状況を理解できる。事故報告書も出ない前にこんな情報公開は初めて見た。
この機体は昨年引き渡されたばかりのKinmonmap 新しい機体だが左のエンジンばかりが2度も交換されており、パイロットの頭にトラブルが起こるとすれば左だとの思い込みがあったのかもしれない。

 

同様にエンジントラブルで健全な側のエンジンを錯誤で停止した事故は1989年英国で737に起こっており希に起こる類の事故ではある。

 

台湾の航空局は急遽トランスアジア航空のパイロットにすぐにエンジン片発停止時の手順の再教育をするよう求めエアラインは運行を中止して教育を行っている。

 

今回の事故で改めて思い知らされるのは目的地金門島の位置だ。殆ど中国大陸といってもいい場所に台湾の支配地が有る。住民が日常を過ごしており観光にも解放され日常的に民間機が行き来している。
台湾は今後どうなっていくのだろうか。事故のことはさておきそちらのほうが気にかかる。

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