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2015年2月 5日 (木)

気候の転変と野鳥と

このところ野鳥を見に出かけることが増えている。3日前は今津干潟の葦の茂みにツリスガラを見に行った。まだ見たことのない鳥だ。
今津では冬に見られる鳥の一つだが日本では九州を中心に出現する鳥で関東ではTurisugara 見れない。
正月の日本野鳥の会の今津観察会では出現せず参加しなかった2月はじめの観察会ではよく見られたとの情報があって、改めて今津に出かけてみた。
池の周りの茂みを丁寧に見ていったが見つからず少々落胆してしょうがないから帰ろうとクルマで走り始めた時に左手の葦の茂みにオオジュリンらしい鳥が見える。オオジュリンとツリスガラは同時に出現することが多いとあるのでこれは、との思いでクルマを停めて暫く見る。よく見ても見えていた鳥は矢張りオオジュリンだったがその内小ぶりで目の周りに黒い帯がある鳥が見えてくる、ツリスガラだ。葦原の少し奥で飛びかっているので写真に撮るのは難しい。人の気配を感じたのか一斉に飛び立つがまた舞い戻る、10羽くらいの集団のようだ。
吊巣を作るカラ類の鳥という意味でツリスガラと名づけられたと聞く。
ユーラシア大陸に広く分布しており日本では冬に渡ってくる鳥とされるが分布が九州中心に偏っており対馬経由のルートで渡って来ると思われる。
2013年2月に鹿児島の出水で足環をつけられた個体が翌年の5月にロシア・ウラジオストック直ぐ南のザルビノ港近くの繁殖地の巣で発見されており、沿海州辺りで繁殖するツリスガラが九州に渡ってきていることが明らかにされている(山階研究所の調査結果による)。
距離的には国内移動クラスの渡りだがよくまあこの小さい鳥がとの感慨がある。以前は迷鳥として珍しがられたが数が増えてきて今では普通の冬鳥に近い扱いになっているらしい。

 

今年はやたらとシロハラの姿を見る。シロハラもロシア沿海州あたりの繁殖地から渡って来Sirohara150115 るといわれる。今冬は北の地域の冬の嵐がとりわけ目立つような気がしていてこの傾向はこのところ強まっているように思えている。南の大気の温暖化は進むが北の寒気はむしろ強まっているようでさえあり境目では激しい気象となる。次第に激しさを増してくる冬の嵐が渡り鳥の動きにも変化をもたらし、九州のような大陸からの渡りの入り口の地には多様な渡り鳥が数多く現れることになっているのかもしれない。鳥インフルの増加も避けがたいのだろう。

いいこともあるし良くないこともある、変化とはそのようなものだ。

 

考えてみれば世の中が変化する様を眺めているのが面白くて生きている、そんな風に思っているが、そんな身にはこんなに転変していく日々に浸ることそのものが一種の生きがいのようにも思えている。

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