東京を旅する
東京を旅している。例によって東京でイベントがあったためだが今回は昔の大学時代の仲間の集まりと中学の東京同窓会が連なったことにより2泊3日の旅となった、それにしても東京には見たいところが沢山ある。
安いシルバーメイトで行けば飛行機代も大した費用でもあるまいと高を括っていたら3月終わりの金曜日というのは人の動きはとりわけ激しくて需要が供給を上回り、とにかく売り手が強気だ。空席状況を数日前からチェックしているとシルバーメイトに残る席はわずかしかないのが伝わってくる、それに料金設定が一年で年末と並んで一番高い。JALのシルバー割引では当日のキャンセル待ちしかなく16500円というのも高いので、Skymarkのシルバーメイトをとにかく狙う、こちらも15000円と普段より4-5割高いがとにかく前日予約が有難い。前日7時開始の受付に電波時計を見ながらタイミングを合わせてパソコンからエントリーすると僅かに残った始発便の席をタッチの差でゲットできた。一瞬にして全席売り切れとなる。Skymarkがおかしくなる前に投入していたエアバスA330ならこんなこともなかったろうが今は客席数が約半分の737-800だ、こういう売り手優位の市場維持が経営建て直しに大事なのだろうが客はつらい。
飛行場が街に近い福岡といっても始発では飛行場までたどり着くのがきつい、しかし自宅そばから5時47分の始発バスに乗れば地下鉄乗換でなんとか間に合うように見える。これなら朝早く着く分東京見物に時間を長くとれる、有難いことだとまだ行ったことのない浜離宮庭園から水上バスで隅田川クルーズと計画する。
当日早起きして始発バスに乗るには乗ったがバスは早発が厳禁なのか7分くらいの遅れでがらがらの道を悠然と走り乗換の天神につく、地下鉄乗換だが余裕がわずかしかない。起きたばかりのだるい体にムチ打って早朝の地下街を走る。やっとの思いで地下鉄に間に合った、ここまでくれば一安心、後は飛行機に乗るだけだ。
いい天気だ。飛び上がると雲も無く地上がよく見える。四国の山々の雪を見、関空と神戸空港を一望し景観に一つ一つ嬉しくなっていると、南アルプスの向こうに富士山が見えてくる。こんなに見事に上空から富士山を見たのは記憶がない。新幹線で窓にはめ絵のような富士を見るのもいいがこんな風にはっきりとした全景を見下ろすのもまた格別だ。
羽田からは予定通り京急で大門まで行き大江戸線に乗り換え汐留で下車する、これが浜離宮に一番近いはずだ。一応平日だからビジネスマン風の人人人の流れが聳え立つビル群の根元に吸い寄せられていく。浜離宮はどうやっていくんだっけとウロウロしているとビルの守衛さんが寄ってきてXXセミナー参加の方ですか、とくる、一
応働いている風に見えるのだろうか何だかうれしくなって、でも、いいえ、浜離宮はどちらでしょうか、と答える。なーんだという風でその先を右に。。。、と簡潔に教えてくれる、がいかにも東京だ。
中の御門口から浜離宮に入る。平日の午前だがそれなりに人はいる。桜も3分咲きくらいでビル群を背景に現代的な風景を見せてくれる、なかなかいい。
地図を見ながら左回りに右に進む。鴨場が現れる。見ると遠くにコガモが五羽くらい浮かんでいる。未だに鴨にはいい場所のようだ。
観察窓風のつくりがあって何だろうと説明を見ると昔の鴨猟で鴨の様子を観察する窓だとある、アヒルを使って鴨をおびき寄せ近くに寄ったのを見計らって鷹匠が鷹を放って猟をしたようだ。こんな遊びに時の将軍が興じていたとはのんきな時代だ。いい時代だ。
大きな池の中央部の島のところでお茶が飲めるとあり そぞろそちらへ向かうとやたらに外人観光客の群れに会う。東京の観光ガイドが使うコースの一つのようだ。確かに広々として気持ちがいいし抹茶サービスも割安で受けられる、江戸情緒もふんだんで外国人向けにはうってつけのように思えてくる。ドイツ語やら東欧の言葉のような響きもあって色々な言葉が飛び交う。歩いている人は外国人のほうが多いようだ。
それにしてもいい庭園だ。古い木々もあり植木の手入れもいい、歴史も感じられる、お江戸ならではの眺めだ。
一周して船着場で浅草行きのシーバスの切符を求める。15分くらいでくるようだが満杯でもない雰囲気だ。時間つぶしに付近を歩き回るが菜の花壇も見事で一々感心する。野鳥はあれっという鳥は出ないが、シジュウカラくらいはいる。
シーバスで隅田川を遡る。水の上からの眺めがいい。これも関東にいるときに乗りたかったが果たせなかったものの一つだ。橋を次々にくぐる。勝鬨橋、佃橋、永代橋。。。。有名な橋が頭上を過ぎていく、こういうことだったのかと改めて思う。東京は水の街だ。隅田川と晴海運河の分岐点に来る、何だかかっこいい。こんな所があったんだ、一々感じいる。勿
論外人観光客が沢山乗っていてそれぞれからわくわくして眺めている感じが伝わってくる、いい首都だ。
浅草の船着場で下船して土手に座ってぼんやりスケッチをする。ユリカモメが遊んでいる、桜は5分の木もあるが大概は2分だ、満開ではこんなのんびりはしていられない、のんびりさ加減がちょうどいい。
こんなふうに過ごしたあと旧友との歓談が始まる。何か濃い時間が流れ続ける。
次の日も同じパターンが続く。見逃していた東京を追いかけ続けて駆け巡り東京の春に浸る。国立博物館のスペシャル
なチキンソテーに感動を覚えエネルギーをもらってまた動く。痛めた足がきつくなってくるし疲れも積もる、しかし楽しい。
宿はこの日が最後という ふくおか会館だ、イギリス大使館の隣という絶好の立地だが設備の古さは如何ともしがたい。前日の集まりより更に7年古い友の顔が揃う、人生が流れる。終わったあと千鳥が淵をそぞろに歩いて夜桜を愛でる、もうほとんど満開だ。
こんな旅は例えようもなく貴重に思えている。2日間という短い時の中で時間とともに満開に突っ走る桜、過ぎきた時間を振り返り、それでいて前を向かせてくれる旧友の顔顔顔。時
の流れのバランスがえも言われずに絶妙だ。
またできるだろうか。でも、新たな時間を一歩ずつ進む身にはそんなことはどうでもよくなっているようだ。
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