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2015年4月 6日 (月)

ドイツGermanwingsのA320墜落事件

また巡航中の航空機墜落だ。
ドイツのルフトハンザ子会社ジャーマンウイングスGermanwingsのA320墜落事件は回収されたフライトレコーダーのデータが手短に発表されて一段落の感があるがルフトハンザにとっての苦難はこれからだろう。

ルフトハンザは2014年には7億3200万ユーロの純損失を出し無配に転落していた。
ヨーロッパでのライアンエアを始めとするLCCとの戦いに敗れつつあるというのが現状でそれに対する対策の一つの柱がLCC子会社
ジャーマンウイングスだったはずだ。
精神病治療中という病歴を知りながら搭乗させていたとルフトハンザが認めざるをえなくなって
ジャーマンウイングスへの信頼感は失墜し乗客は背を向けることになるだろう、日銭で動くエアラインでは致命的だ。

今回の墜落事件を振り返ってみる。
2015年3月24日現地時間午前10時01分(グリニッチ標準時午前9時01分)乗員6名乗客144名を乗せデュッセルドルフへ向けバルセロナを離陸したGermanwings 9525便は離陸後30分たったと
Flightawareころで巡航高度38000ftから急速な降下を始めそのままアルプスの山腹に激突して搭乗者全員が死亡した。(飛行軌跡図参照、Flightwareサイトによる、時間軸は日本時間)。
機体はA320-211で機齢24.3年とかなり使い込まれているが前日に通常整備を行っており異常はなかったようだ。
Germanwings9525weather 天候は上層に湿った空気が入ってやや不安定な天気で飛行領域のあちこちで降水が認められているが飛行に支障があったとは考えられない。(衛星画像参照)。
原因は何だろうと思われたが、回収されたボイスレコーダから副操縦士がトイレに立った機長を締め出して故意に機体を墜落させたと判明しその後発見されたフライトレコーダの解析もこれを裏付けた。パイロットの故意による墜落だ。

これとよく似た事態は2013年11月アフリカのボツワナで墜落したモザンビーク航空のエンブラエル190で起こっていた。この場合はトイレに立ったコパイロットを締め出して機長が故意に墜落させた。パイロットも人間だから自殺願望のパイロットも僅かな確率でもあるであろう、こんな事態は防がなければならないことはこの時点で既に明らかだ。
しかしながらヨーロッパはアフリカに近いのにルフトハンザグループではこの墜落事件からの教訓に基づく対策をまともにたてていなかった、1名がトイレにコクピットから出れば代わりに乗務員が一人入るようにすれば最低限の対策にはなる、米航空局FAAはこのルールを米国のエアラインに適用しているしインドもそのようなルールで運航している、それ以外にも日本のSkymark等これをやっているエアラインが幾つかあったのに、である。

何かが起こったらすぐに対策を打たなければ次は自分の身に降りかかってくるかもしれない時代、時代の雰囲気が世界で同時進行している時代、知らなかったとは言えない時代、ここに我々は生きている。

航空機の事故はいつも本日現在の世界の現実を輪切りにしてくれるところが興味深い。

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