虎尾桜を見る
桜は八重桜に移って今年はもう終わりか次はつつじなのかという雰囲気が満ちて始めている。季節の移ろいが早い。
昨年は福岡佐賀の桜の古木は大分みて回った、今年は満開の時期に東京の桜の名所を駆け抜けたこともあり天候もあって九州での桜めぐりは一服状態にある。しかし一つくらいはと思ってもみる。
見残した福岡の桜の古木といえば福智山の虎尾桜という木が気になっていた、樹齢600年と推定され福岡では最も古い。ネットで調べると標高400m位の山中にあって福智山の登山
口から登っていくとある。平地の桜の満開よりは遅れるようで、見に行く時期を見計らっていたが雨模様の日が続き一昨日になってやっと晴れたので出かけてみた。ネットでは散り始めのマークでまだ花は残っているように見える。
福智山といってもどこだろうと思いながらクルマのナビに入力すると上野(あがの)焼の窯元のある集落から山に入るようだ。ここなら1年半前に焼き物つくりに来たことがある。なーんだという気がする、福岡はこれというスポットが結構集まっていると感じる、というよりそもそも九州はそれ程大きな島ではないというべきかもしれない。便利といえば便利だが驚きに欠けるところがどこかある。
2時間ほどで登山口につきクルマを置いて登り始める。正確な位置をプロットした地図がネットからはついに得られず、道がよく解らないので出会う人毎に虎尾桜はどちら?と聞く羽目になる。ほぼ一本道を2-30分ほど登ればいいようだ、しかし直登できつい。
道標に従って小さな橋を渡ったり沢の端っこを登ったりしてやっと辿り着く、雨が降ると登りたくない道だ。
虎尾桜は散り始めのネット情報とは違ってもう散り終わりに近い状態だった。花は2-3分残しで青葉のほうが目立つ。しかし立派な木だ、600年といえばそうかと思わさせる風格がある。もう一週間早く来なければ。。。来年はそうしよう、との思いが湧き上がってくる。しかしこの状態でもそれなりに美しい。
はらはら落ちるはなびらを十分に楽しんだ後下る。鳥の声が多い。ソウシチョウがあちこちで鳴いているがそのうち「焼酎一杯グイー」というセンダイムシクイの声が聞こえるしオオルリの声も近づいてくる。暫く眺めているとセンダイムシクイが現れオオルリも姿を見せる。動きがまだ落ち着かないようで写真には撮れないが見て聞けば十分だ。いずれも今季はじめて見る、栃木よりいくらか早い。いい季節だ。
桜の季節にはやはり桜を追いかけるのがいいようだ、季節に従うように季節の声を聞く、抵抗しない、そんな生き方に大分浸ってきた。
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