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2015年5月 1日 (金)

アシアナ航空の広島空港着陸失敗事故

広島空港でアシアナ航空162便が着陸に失敗して大破した事故から3週間弱経ったがまだフライトレコーダに基づく事故原因調査速報は出てこない。ちょっと遅い。原因を突Asiana き詰めるのは時間がかかるとしてもどういう状況であったのかの公表くらいは有るべきではないかと思える。広島空港の事故機は搬出され空港の運行が元の状態にほぼ戻っている現状では事故のとりあえずの分析に基づく再発防止のアクションが直ぐにでも取られなければならないタイミングだ。政治的な判断でもあるのだろうか、責任追及ではなく事故防止を最優先にというのが事故調自体の強い希望のはずだ。


今回の事故の印象はまたアシアナか、だった。

2013年7月にサンフランシスコ空港でアシアナの777が着陸に失敗して大破、死者3名を出した事故の再現のようだ。

サンフランシスコの事故でも空港のILS(計器着陸誘導装置)が工事で停止していた滑走路への着陸だった。今回の広島空港の事故もILSが機能しない側の滑走路方向からの着陸だ。同じように滑走路手前で接地し機体を大破している。

サンフランシスコの時は気象条件は良好、機体も問題ないことからパイロットの操作ミスとすぐに解った。オートスロットルをミスして切ったまま着陸進入した(操縦輪を引けば速度も下がるが高度が下がる所謂バックサイドコントロールとなる)、目視着陸の訓練も不足していた(パイロットは1万時間近いベテランだったがそれでも未熟!)というのが主な原因とされる。

今回は気象条件がかなり悪くパイロットの負荷が高い状況でミスが重なったと推察されるが、どのような操作をしていたのだろうか、またオートスロットルを切ったままの着陸を行ったのではなかろうか。

アシアナ航空はサンフランシスコ事故から十分な教訓を得ていたのだろうか、オートスロットルを切った状態で操縦桿操舵だけでは着陸の低速時に飛行経路コントロールは出来ないことを体得していたのだろうか、アシアナはサンフランシスコ事故の本質的な問題をきちんと認識した再教育をしていないのではなかろうか、不安が幾つも沸いてくる。

昨日30日にアシアナの事故を起こした広島=インチョン線が再開されたという。ゴールデンウイークには何としても再開にこぎ着けたかったのだろう。そんな状況下、首相訪米にあわせて日韓関係をおもんばかっての事故調査速報発表を遅らす処置が日本政府サイドでなされているのではあるまいか。色々勘ぐりたくなる。

エアラインを選ぶにはいよいよ乗客側の判断が求められるご時勢になってきたのかもしれない。政治がまともになってほしい、そう願うばかりだ。

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