台風が次々に
台風が次々に現れる。エルニーニョではフィリピン近海の海水温が例年より低めとなって台風は発生しにくいはずだが、今年のエルニーニョではそうでもない。前回の2009-2010年のエルニーニョでは2010年前半の台風発生が極端に減っている。今回のエルニーニョが本格化するのはこれからで、まだ台風発生数に影響を与えるというほどになっていないのかもしれない。
今年は1-4月の間に5個の台風が発生した。昨年も5個だったが1951年以来の統計ではこの時期の平均が1.7個となっていて今年去年が極端に多いことになる。この65年間では5個というのが最大であり今年を含めて4回しかない、それが2年続けて起こっている、少し変だ。確実に南の海が温暖化してきているということかもしれない。
ともかくエルニーニョでもそれなりにフィリピン付近の海水温は高く台風発生の目安28℃以上となって台風が続々と発生している(図は2015.7.12海水温度分布)。
一方でエルニーニョで日本の近海は例年より水温が高く、台風は例年より発達して日本にやってくる、たまらない。この先どうなるだろうか。
7月7日からひまわり8号の画像が気象庁のページでひまわり7号に変わり用いられるようになった。高精度の衛星画像そのものは全球では10分毎、日本付近では2.5分毎に送られてくる。動画はNICTのページ(http://himawari8.nict.go.jp)で少し遅れて公開されているが、見ると太平洋に写る太陽のぼんやりした像まで動いているのが解り、動きが細かくて、あたかも自分が宇宙に居るようにさえ感じられて、生々しい。
確かに直感的に現在の台風の勢いや動きは理解できるようになったのだろう、予報は時間との勝負で観測や計算のデータを集めて理解しては次々に発されねばならないからこのような直感に訴えやすい画像は強力な支えとなろう。
ひまわり8号は、あのスーパー301条による国際入札を乗り越えた三菱電機製の衛星バスを用いる国産衛星だが肝心の光学センサーは米国製だ(Exelis社製)。米国をはじめ多くの国がこの会社のセンサーを使っているようだ。やはりスパイ衛星の製造で技術が磨かれた米国のメーカーにはかなわないところがあるのだろう。
日本の衛星メーカは三菱電機、NEC,東芝3社の時代が続いたが、三菱電機が頭一つ抜け出し今年になって東芝が脱落し、2社時代になった。国内を相手では需要が小さく国際的なビジネスをつないでいける技術を保ち続けるには相当の体力と熱意が必要ということが誰の目にも明白になってきたということだろうか。高度化すれば限られたプレーヤーしか残れないということだろうか。
技術は確実に前に進んでいる。しかし「この先どうなるのだろう」という不安に答え 的確に未来を予測できるようになるにはまだまだ道は遠い。ほんの数日先の台風の位置でさえ未だに随分な幅を持ってしか予測できない。こんな段階でも技術の担い手は次第に絞られてくる。
人のやれることは何処かで限界に達するのだろうか、解らない、しかし少し不安になる。
「2001年宇宙の旅」のような未来は2001年には実現しなかった、夢のように語られていた21世紀ももう1/7は過ぎた、こんなものかという思いがある。
嵐の季節にはこんなことを考える時間ができてくる、それも自然の摂理の一つではなかろうか、手のひらから抜け出すことは出来ないと思い知らされているのだろうか、そんな気がしてくる。
。。。。。難しいことを考えるのはもう止めにしよう、息が詰まる。どのみち呑気に生きるほか無いのだから。
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