寒くなって、ウエットスーツが壊れる
どうにも寒くなった。こんなに寒くなる予想ではなかったのにと朝からGSM,MSMの予測データとアメダスや高層気象観測の計測データを自分でエクセルグラフに書き直して比べてみたりしている、漸く解ってきた。
予測計算では高気圧が張り出して海からの北寄りの風がずっと吹くはずだった。ところが昨晩9時過ぎから冷たい南寄りの風に変わってそれが続いている。いつもの海陸風なのだけれども今回は佐賀ー久留米ー英彦山のあたりに冷たい高圧部がいつもよりはっきりできてそれが朝9時になっても解消せず寒さが身に染みるということらしい。
福岡市付近ではこの時期海水温が14℃くらいあって海からの北風は冷たくはなく、むしろ内陸部からくる南風が冷たい。
福岡市では予想外の南風、長崎でも予想外の冷たい北東風となった。昨晩9時までの高層データやアメダスデータはほぼ事前予測通りであったことから夜間の地表付近にできるローカルな気象のようだ。
今朝9時のゾンデデータを見ると高度170m以下に冷たい層があってこれが予測されていない。本当に薄い大気層だ。しかし人の感じる寒さにはこれが効く。MSMやGSMの数値計算では海陸風の細かいモデル化はまだ完全ではないようだ。
こんなことをしていると気象の趣味は知的な好奇心の充足と実用を兼ね備えていてなかなかいいかなと思えてくる。
ヨットの遊びのために毎週末は博多湾小戸ヨットハーバー付近の海上の気象を予測してヨットクラブ内に伝えているが、特に風は難しい、当たらないこともしばしばある、しかしいろいろ考えるのが面白い。当日出席できれば当日の実況を見ながら修正して解説すると結構正しい予測となる場合も多い。
気象予報士の技術も野鳥にしろヨットにしろ遊びに真剣に役立てようとすると空や風や雲の動きを見る目が細かくなって自分のためにもいいように思っている。
しかしとにかく寒くなってきた。
冬はヨット遊びが少々シビアになる。特に海水温は夏より15度くらい低く、防寒対策がしっかり必要で勿論ウエットスーツが必須となる。
ウエットスーツは体形に合っているのが望ましく、あつらえるのが一番いいのだがそれでは費用が掛かる、5万円くらいは軽くかかってしまう。
気軽に始めた遊びにそんなにかけるのはちょっと。。。という気がして、ネットで色々さがしてサーフィン用の吊るしの安いものを買った。2年程前のことだ。
ダイビングなら防寒上厚さ5mmは必要だが、動きの激しい遊びでは厚さ3mmくらいのものが動きやすくていいとのアドバイスがネット上に幾つかあって、寒ければインナーで補えばいいと3mmのものとした。
去年はそれで問題なく過ごせたが今年の冬は少し太ったようでうまく入るか気になっていた。1-2㎏の差でも結構きつくなる。
今年は暖冬で暑い日が続いて11月まではウエットスーツは使わずにすんでいたが12月に入るとさすがに水温が下がってきて先日この冬初めてウエットを着用しようとした。背中のチャックが閉まりにくいので近くの人に見てもらうと、壊れているという。無理に閉めようとして壊したのだろう、しょうがないのでこの日は落水しないようにして背中のチャックは空いたままでなんとか過ごした。少々寒い。
このままひと冬過ごすわけにも行かず、修理をとハーバーのショップで聞くと、修理は受けないし引き受けてくれるところは殆どなかろうという。
しょうがないので戻ってネットで修理又は新たに買うかといろいろ調べるが、当然のごとくいずれも高い。
チャックだけのことなので自分で取り替えればいいか、とYKKの防水ファスナー「アクアシール」の入手をYKKに問い合わせてもみる、普通にはどこを探しても売っていない。K-ファスナーという所で注文販売をしているとメールがかえってきて、それではと紹介されるままに恐る恐るそちらに問い合わせメールを打ってみる。高くても、受けると言われれば断りにくくなるかもしれないとの不安はあるが、兎に角やれることはやっておきたい。
並行して、壊れたファスナーのスライダー金具だけはないものかとネットで調べていくと
ZlideOnというスエーデン製のファスナー修理金具(スライダーの交換品)がみつかるがサイズが微妙だ。ファスナーの幅と厚みから品番を決めるのだが1mm以下の精度が必要で普通の定規で測ったのでは精度がイマイチだ。エイっと発注したあとで測り間違いが判明しキャンセルしたり、どたばたしてやっと2日後に正しいサイズのZlideOnが届いた。1000円位でこれで済めば安い。
本当に壊れたスライダーと交換できるか不安だったが上手くできて一応修理完了となった。
アクアシールのほうは送料込で5500円位との見積もり結果が来たが今回は発注見送りとした、また壊れたらこれしかあるまい。
たかがファスナーといっても一旦壊れるとやっかいで、そこには色々とビジネスが動いているのを知る。自分で修理すると思い切ったところで道が開けたようにも思う。自分でやる、というのがこの時代を生きていくキーワードではないのか、そんな気がしている。トラブルに出会うと学ぶことが多い。
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