大寒波が来て
雪が降っている。予定通りの大寒波だ。
ゾンデデータで高層までの大気の温度分布を見ると、如何にも南に降りてきた大陸の寒気という姿で、高度4000m以下くらいがよく冷えている。
大陸の放射冷却で十分に冷えた重い冷気が地表に沿って吹き出してきたようだ。
更に上層の温度は標準大気と同じか高いくらいで、この季節にしては寒いとは言えない。
たまたま北米大陸にも寒気が南下し更に東岸を発達した低気圧が北上して日米とも寒波と暴風雪が大々的に報道されている。
しかし北米の西海岸カルフォルニアは結構暖気が入っており、全米がすべからく寒いわけでもない。(図は2016年1月23日3時(日本時間)の上空1500m(850hp)の気温、やや濃い青が‐12℃以下の寒波。GSM計算値をDagikEarthにて表示)。
こんなに冷えてもこうなる前の暖かさや今後の暖かさから総合的には暖冬ということになるのだろう。
寒波といえば気になる北極点周りの渦の振動を表す北極振動の状況を調べると、年初めからここまでが強いマイナス、つま
り極渦が弱く寒気が北極から次々に流れ出るというモードに入っているようだ。現実にも北極点よりもより緯度の低い所へ寒気が降りていくというまさにそのような事が起こっている。今後は北極振動の指標(AO index)はプラスに転じる予想なので今後寒波の再来は当分なくもとの暖冬の雰囲気に戻るということになるのだろう。
南の温暖化が進んで暖気と寒気の接点でできる低気圧が強力となりこれが次々に北上して北極付近に南の暖気をもたらし続けたため極渦が弱まりもともとある北極の寒気が流れ出てくるという結果を生んだのだろう。
地球が保存系として平均気温を保とうと動いている結果のようにも思える。原因は人為的かどうか議論は分かれるにしても平均的に気温は上昇しているのは明らかである以上こんなことは来冬以降も続くのだろう。
いずれにしても福岡で雪が降ると車で出かける気がしない。4WDでスタッドレスタイヤをつけているからたいていの道は自分は大丈夫なのだが走っている他の車の信頼感がいまいちだ、スリップしてぶつかってくると逃げられない。歩行者もいつ転ぶか怖い。
こんな日は全てを受け入れてのんびりと過ごすのが一番なのだろう、のんびりし過ぎているのは否めないにしても。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)