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2016年2月10日 (水)

温暖化と氷河期到来と

Sc1_2 気象の集まりがあって南極の氷の話を聞いた。
いくつかの疑問が解けた。最も印象的であったのは、南極の氷の蓄積を縦にボーリングしていくと32万年前の氷まで採取出来ていてそこに順次含まれている古代の大気を調べると気温とCO2の変化の歴史がわかる、現在は間氷期であって解っているだけでこの期間に3回の氷河期と間氷期がはっきりと認められている、CO2の変化と気温の変化もはっきり認められている、というあたりだ。

講師は福岡大学理学部地球圏科学科の林政彦教授で越冬隊に2回参加している方だ、南極観測全般の話も面白いがやはり主題の氷の話に引き込まれる。

人為的なCO2増がない時代でも気温は上昇と下降を繰り返していてむしろ気温の上昇がCO2の上昇に僅かに先行していること、この波動が続くなら次の氷河期は目前に迫っていること、氷河期のサイクルは地球の軌道の振れによる日射量の変動が原因と考えらることなどもデータで示された。

今問題なのはこれまでの歴史になかったCO2の急激な上昇が人類によって突然引き起こされていること、Nankyokuそれが短い時間スケールで今後温暖化を引き起こすはずだという論拠に なっていること、もっと長いスケールではそれを飲み込むような氷河期のサイクルがやはり到来するであろうことも、やっと了解できた。
要するに地球の歴史から見れば100年単位の非常に短い時間スケールで地球温暖化は議論されているのであって、日射量変化に基づく氷河期のサイクルはそれよりずっとゆっくりだが地球の時間軸からは急にみえる万年単位の変動で、大幅な気温減少がやっぱり予測されるということのようだ。どちらも備えておくべきということなのだろう。

それにしても地球軌道の僅かな歳差運動による日照変化が氷河期を繰り返し到来させるものなら 金星が灼熱であっても 火星が死んだように冷たくても、そんなものなのかと思える。地球のこの太陽からの位置が考えていたよりはるかに微妙に奇跡としか言いようのない巧みな位置だったと思えてくる。
宇宙には地球のような惑星が沢山あるはずだとこのところ各国で太陽系以外のハビタブルゾーンにある地球環境に近い惑星が探索されているようだがいくら探してもそんな星は結局見つからないのかもしれない、そんなことすら思えてくる。

我々はいまどこにいるのかそれを少しずつでも明らかにしてくれるこんな研究は興味が尽きないし人類がやるべきことをランキングしてみた時に最初の方に来る研究なのだろう、そんな風にも思っている。

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