初御代桜
桜の季節がもうすぐそこまできて、早咲きの桜が映像で流れるようになってきた。あちこちのカワヅザクラ
がひとしきりテレビを賑わせた後、福岡市のすぐ南で初御代桜が見ごろになっているとの写真がfacebookに流れてきて、これは、と出かけた。
初御代桜(ハツミヨザクラ)とは初耳だったが、調べると寒緋桜と啓翁桜を掛け合わせてできた桜とある。啓翁桜は昭和5年に久留米でヒガンザクラからつくられた品種というから初御代桜は近年造られた比較的新しい品種の桜のようだ。カワヅザクラよりはやや遅い早咲きの桜ということらしい。
自宅から10kmほど南に行った那珂川町の山裾に咲いてい
るようで雨の止んでいるうちにと見に行った。
1800年位前に神功皇后が造ったとされる裂田の溝(さくたのうなで)の駐車場に車を置いて数分で初御代桜に至る。歴史的に深いものがある一帯だが途中の田んぼにはカワラヒワの50羽位の群れが飛び交っていて鳥も面白そうなところだ。
桜は遠くからでもそれと解る、上品な明るさが風景を魅力的にしている。けぶるようなピンクの感じがいい。近くによると個人の土地だがご自由にお入りくださいとの看板がある、作業している方に声をかけると40年くらいの桜だという。斜面をひ
な壇にして花がつながるように立体的に植えてある。ヒュウガミズキの黄緑の花が咲きつつあってこれもいい色のバランスを与えている。桜はもう散り始めていて盛りを少し過ぎた趣だが十分楽しめる。
ソメイヨシノばかりでなくこんな桜も増えてくれば桜も長い期間にわたって楽しめるのに、と思う。ソメイヨシノのピークはとがりすぎている、それがさっぱりしていいと好まれるのも解るが、のんびりとした春の楽しみ方があらまほしいと近頃は思っている。寒暖の波が激しさを増す温暖化する地球にはそ
んな優しい時間を人が作り出すようにしていかねばな、という気持ちがそんな思いに至らしめているような気もしている。春も間もなく本番だ。
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