ウイーンの響きが贅沢で
花見の季節は嵐で突然のように終わった。
季節は落ち着いて少しばかり先へ進みこれに合わせるように、トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンというクラシックの演奏会が今年もアクロス福岡に回ってきて、逃さず聴きに行った。2年前にも聴きに行ったことがありいい印象を持っていたが去年は予定に紛れてしまい外してしまって残念な思いがあった、今年は抜かりなく手配をしておいた。(写真はパンフレットより)。
ウイーンフィルとウイーン歌劇場楽団のメンバーを中心に臨時編成された管弦楽団だが個人技のレベルがどうしようもなくと言ってもいい程に高い。
よくこのチケット代で済むものかと思う。ほぼ満席だ。
ソリストとして参加している日本の演奏者もレベルが高い。
チケット代の割には全てが高度で、一種のデフレかもしれないとも思ってしまう。
指揮者なしの楽団だが曲の盛り上がりや緩急を自然に息を合わせて流し出してくる、マジックのようだ。
以前に東京地方の交響楽団が創立xx周年記念ということで回ってきたので聴きに行ったことがあったが、ミスが目立って不揃いで散々の出来だった。こんな交響楽団はもう立ち行かないのではなかろうか。
地元の九州交響楽団はかなりレベルが高い。よそから呼んでくる交響楽団は九響並みであってほしいとは常々思っていたが今回のこの演奏会はそのレベルをはるかに上回っている。聴かねば損と素直に思える。
バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調
やドニゼッティのクラリネット小協奏曲、モーツアルトのピアノ協奏曲 第21番もそれぞれに感じるところが色々あったが最後のベートーベン第6田園を久しぶりに聞いてこれが良かった。
一つ一つの楽器がクリアに聞き分けられるような気がするほどによく音が出ていてそれでいて調和が崩れない。こんな演奏は聞いたことがないようにも思った。
アンコールにはシュトラウスⅡのウイーン気質をやってくれてウイーンの雰囲気に浸った心地がした、これは一度はちゃんとウイーンに行かねばならないとも思えてきた。
いい演奏会だった。こんな風にいつまで呑気に時を過ごせるのだろうかと時々思う。先のことは考えずに今だけを生きればそれでもう十分だ、と思うことにしている、全てのことには終わりが来る、それが当たり前のことだから。
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