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2016年7月26日 (火)

イリアカーラー

Ilya 忘れた頃にアマゾンで発注していたイリアカーラー演奏のブラームスのバイオリン協奏曲のCDがドイツから届いて、それを聴きながらこれを書いている。

国内盤がないと世界のどこからでも届けられる。送料は350円というからどうなってるんだろうと思ってしまう。国内盤を買うより安い。不思議な世の中になったものだがそれで成り立つものならば昔からそんなものだったのだろう、知らされなかっただけなのだろう。

こんなCDを買おうと思ったのは、もう2週間ほど前のことになるが、ベルリン交響楽団とイリアカーラーのコンサートが福岡のアクロスホールであってこれを聴きに出かけたその印象が良かったためだ。イリアカーラーというバイオリニスト名はよく知らず、コンサートが近づいてのにわか勉強で、これはかなりの人らしいということで期待していた。
最初はエルガーの「愛のあいさつ」から始まったが、なんだかバラバラでオーケストラ大丈夫かと思わせたものの、次のお目当のブラームスのバイオリン協奏曲ではオケも締まってきた、流石海外ツアーをやるプロだ。イリアカーラーのバイオリンは流れるように良くうたっている、期待通りだ。技術的にこれはかなりかなと思うところをサラサラと淀みない。ブラームスのちょっと重々しくなりがちな旋律が心Berlinorch 地よく響き続ける、何時までもこれが続いて欲しいと思ってしまう。
アンコールにバッハ無伴奏パルティータから2番サラバンドと3番ルーレの2曲も演じたがこの人のバッハをもっと聴きたくなる深みを感じる演奏だった。いい。
CDで聴きなおして2週間前の演奏の感触が蘇ってくる、これもいい買い物だった。
コンサートは次に「新世界」をオーケストラが奏でて終わりとなった。管楽器が時々音を外したりするが、それを押し流してしまうような何かの力が演奏にはある。これが指揮者が追っている音楽なのかなと思わせて、好演と感じた。こんな風に思わせるオーケストラ演奏も初めてだ。

 

音楽と技巧、技巧とは少し違うところにある音楽そのもの、そうなんだと改めて思わされたそれぞれの演奏だった。

 

時々でもこんな場に向かい合うことの重なりが結局は生きている実感なのかもしれない、そんな事を思っている。

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2016年7月25日 (月)

WBGTの近似式その2

昨夏、残暑が厳しくてそういえば熱中症の予報としてメールで送られてくるWBGTとはどうやって計算するのだろうと調べて 生気学会が出している気温湿度から簡便に(室内の)WBGTを得る早見表 を式で表す近似式を作成してみて使っていた。今年も暑い季節になってWBGTの値が気になって公表される実測値と昨年作った近似式の計算値と比較してみると、どうにも違いが目立つ。日が差す前の早朝とか日没後での違いが特に大きい、元の生気学会の表で見直してみてもそうだ。もう少し考えて作り直さねば、と思って見直し始めた。
本来の式 WBGT=0.7*湿球温度+0.2*黒球温度+0.1*気温
に立ち返ってこれをなんとか近似計算することを試みる。
まずは湿球温度だ。これは直接計算は難しいので湿数(=気温-露点)に適当な乗数をかけて気温から引けば近い値が出そうなのでそれでやってみる。
湿球温度=気温ー湿数*0.73
  =気温-(気温-(4303.4/(19.482-LN(EXP(19.482-4303.4/(気温+243.5))*湿度/100))-243.5))*0.73
で30℃付近の気温、湿度の高めのあたりではいい近似なのでこれを使うことにする。

湿球温度と(気温=黒球温度)との仮定で求めたWBGTの値と実測のWBGT値は日が差す前や日没後の値とはよく合う。日中も室内ならばこれでいい近似のようだ。

次は室外の値の近似式だ。これには黒球温度が必要になるのが問題だ。
黒球温度は直ぐには難しいので、実測値と上記室内相当のWBGT値 との差分を曲線近似して加えることにする。日照の強さで変わるはずだが曇天でも5割の日照分はあると仮定して時刻の関数としてモデル化する。
今のところこの加算部分は 7時から19時の間に
=((3.2-((時刻-13)^(2))^0.8*3.2/20)*1.2)*(0.5+日照時間*0.5)  日照時間は 0-1の間の値を
用いる、アメダス実測値があればそれを用いる
Wbgt2 で実測値と比較してまずまずの近似となっているようだ。
WBGT実測値は環境省のページhttp://www.wbgt.env.go.jp/day_list.php?region=10&prefecture=82&point=82182&day=20160723に日付などを変えれば得られる。


取敢えずはこれでまたしばらく様子を見よう。

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2016年7月19日 (火)

梅雨が明けてソファの修理に取り掛かる

梅雨が18日にあけたとの宣言が西日本で出された。やっぱりこうきたか、と思う。一般には500hpでの5880m高度線が被るようになってくると夏が来たとの実感を得る。この日は確かにそうだが数Tuyuake 日でまた5880m高度線は南に下がりそうで梅雨の続きのような天気がぶり返す恐れがある、梅雨明けを出すなら17か18日か、ここで出なければ難しくなると思っていた。安定した暑い晴が数日でも続くようになれば梅雨明けとするのが正しいのだろう。

一気に暑くなってきたが、雨でこれまで延ばしてきた植木の手入れや家の手入れを始めようかとの気になる。
朝から伸び放題のモチノキを高枝バサミで切り始める。
日が高くなり始めるともうできない、まあ少しは良くなったかというところで今日は終わりとして、一休みしてソファの修理にかかる。

もう数十年使っているソファの一つが座面が落っこちたようになっていて、クッションでごまかしてきたがいい加減何とかせねばと修理を試みることにした。
例によってネットで先達者の投稿をしらべると結構厄介そうだ。
どうも座面を支えるウエービングテープが劣化して切れているようで、とにかく工作用ホッチキス/タッカーをダイソーで調達することにする。
ウエービングテープは幾つかホームセンターに問い合わせてみるが置いている店が見つからずネットで調達することにする、ネットのお店は札幌の家具工房だ、そんな遠くからと思うが、適当なサイズはここしかない、あまり入手性は良くない品物のようだ。
タッカーの方は近くのダイソーにあって難なく入手する。弾が飛び出すものだからちょっと危険なようで防護メガネ着用のこととある。とりあえずは普通の眼鏡で代用してできる範囲で作業に取り掛かる。
ソファーをひっくり返して裏布を外す。タッカーで止めてあってタマを一々ドライバーでほSofa じって外していたが布も劣化していて、外さずとも布がそこだけ裂けたりして、大分横着をしてとにかく外す。
見ると見事にウエービングテープが切れている。ウエービングテープが到着するまでは数日かかるがそれまでに少しでも進めておこうとソファーの上張りの布も外しにかかる、矢張りタッカーで木枠に打ち付けてある。これを少しづつタマを外したり布を切ったりして外していくが結構疲れる。
1辺だけ外したところでひとまずお休みとして、兎に角この状態で一応使えるようにと裏側から座布団やクッションを押し込んでこれを木枠下側から荷造り用布テープで押えてタッカー止めし当座の使用には堪えるようにしておく。座ってみるととにかく随分改善している。ウエービングテープが来てゆっくり本格修理をやればよいかと吞気に構える。
ソファの構造などこんなものかと思うくらいあっさりしていて、吞気にやるくらいがちょうどよい感じだ。

ソファーの修理でも結構遊べる、何でも遊べるように世の中はできていると思い始めている。そう思うと何でも楽しい。

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2016年7月14日 (木)

地球史その2


放送大学「地球史を読み解く」のテレビ講義は続く。
40億年前頃に生命が誕生した後の地球はどうなったか。他の情報も合わせ話をまとめるとこんな感じになる。

地球上に最初に出現した大陸は活発なプレート運動にて沈み込み帯部分で次々に破壊されマントル底部に引き込まれていき、40億年前頃以降地表は幾つかの火山島を残して殆どが海に覆われた。
その後僅かに残った火山島周りの水際にシアノバクテリア(藍藻)が生まれCO2をO2にかえていった。シアノバクテリアの発生は27億年前とも35億年前ともいわれる。プレート運動は続き海水も地中に次第に引き込まれ海水面は徐々に下がり陸地は広がっていった。

シアノバクテリアがどのようにして生まれえたかその説明はないが、シアノバクテリアはサンゴ虫がサンゴを作るようにストロマトライトという石を作ってこの石を成長させながら命を伝えたという。ストロマトライトは地球上のいくつかのポイントで発見されている。この他幾つかのこの時代の痕跡が世界の各所で確認されている。

シアノバクテリアの作り出した酸素で海中に溶け込んでいた2価の鉄が酸化され3価鉄となり3価鉄は水に溶けず鉄鉱床として沈殿した、この鉱床が現在鉄の鉱床として採掘されている。
しかし、38億年前の岩石が出土しているグリーンランドのイスア地域では38億年前の縞状鉄鉱床も見つかっておりシアノバクテリアによる酸化がなくとも鉄は沈殿したともみられるがそのプロセスは必ずしも明らかではない。

25-26億年前の大古代末期にはプレート運動の沈み込みで地下にたまった冷たいマントルが660kmの上部マントルと下部マントルの境界を突き抜けてコア付近まで落下、これを補う形で下部マントルが上昇地表に洪水のように洪水玄武岩を噴き出すに至った。マントルオーバーターンと呼ばれる。噴出した玄武岩により陸地面積が拡大していったとみられる。この洪水玄武岩も世界の各所で見出されている。
同時に、地球中心部のコア内の対流も活発化し地球磁場の強化がもたらされたと推定される。
この結果宇宙からの高エネルギー粒子が地球磁場によるバリヤーに守られて侵入しずらくなって生物の生息に好適な環境がますま揃えられていったとみられている。


25億年前から6億年前までを原生代と呼ぶがこの時代を大きく特徴づけるのが23億年前と7億年前付近で起こったスターバースト(銀河の衝突によるとみられる爆発的星の生成)に起因する全球凍結とされる。
1回目の全球凍結は、ここでは、スターバーストによる大幅なヘリオスフェア(太陽圏)の縮退で地球に降り注ぐようになった大量の宇宙線により雲核形成が促進され、地球が厚い雲に覆われて入射太陽エネルギーが減り全球凍結が起こったという説が提示されている。
Helios_2 にわかには信じがたい説だ。最近の研究を見るとヘリオスフェアのサイズは通常で少なくも100AUはあるようで、それが地球の内側(1AU)まで押し込まれる(即ち殆どなくなる)とは本当か、と思わせるし、その結果雲が大量発生して日射を遮ってこれによって極端な寒冷化がもたらされるというのも、気象の知識からすればありそうにないように思える。
高エネルギー宇宙線が雲の形成を促進させるというのは実験的に再現されているのだろうか、どんな実験をやったのだろうか、単なる紙の上の話なのだろうか、疑問点だらけだ。
ここまで言い切らず”スターバーストが全球凍結に関係している可能性がある”くらいが主張の限界のように思える。
この講義のままでは根拠が必ずしも強くない仮説をそうとはいわず教えられているようで、このあたりが生ぬるい質問箱を介したやり取り以外に直接議論ができない放送大学の限界なのかと思わせる。


7億年前付近で起こった2度目の全球凍結をも生き延びた生物はエディアカラ紀(6.35億年前-5.4億年前)の大型生物発生を経て生存環境がさらに好転しカンブリア紀(5.4億年前-4.85億年前)の種の大爆発を起こす。
カンブリア紀の種の大爆発の要因には浅い海が広がったこと、酸素濃度が適切になったこと、プレート運動での海水の地下への侵入が続き陸地の面積が増えたこと、などがあげられているが、同時にHiRマグマという放射能を含んだマグマが陸地内部の裂け目から地表に現れこれがDNAに損傷を与えて進化を加速させたという説が説かれるのも面白い。放射能を浴びたことで進化が加速されるということは早晩原子力のエネルギーを使わざるを得なくなっている現在の状況を地球の歴史が是認しているようにもみえて何か暗示的でもある。


プレート運動の結果大陸は裂けて移動しそれぞれの地域で独自の生物を進化させ更に裂けた大陸がまた衝突して生物が混じり合い現在に至る様々な種を生むに至ったという、このあたりはなるほどと思わせる。

カンブリア紀以降に多くの種が生まれたものの、2.5億年前前後に何と1000万年間隔で2度の大量絶滅が発生(この原因はまだ定かではない)、この後恐竜や哺乳類が分化・進化するが、更にまたしても起こった6500万年前の大量絶滅で頂点に立っていた恐竜が分派した鳥類を残して絶滅したのを見ると、この地球で種が生き延び続けることの難しさを感じざるをえない。
少なくとももう1億年くらいは地球の大変動は無いようでうまくやれば人類は生き延びられそうだが、1億年という時間の長さを感じてしまう。

46億年という地球の歴史を俯瞰すると1億年先の未来はすぐそこの未来のように感じてしまう、が、そうではない。100万年が100回くる未来だ。1000年続く文明があったとしてそれが1000回繰り返されてやっと100万年だ。
1億年先であればまだ新しい超大陸が見えてくるほどに大陸移動は進まず、プレートに引き込まれて減っていくとされるCO2もまだ十分残っていて、破局的なスターバーストを引き起こす銀河の衝突もまだ起こらない見通しらしい。自滅しない限り人類は生き延びることが出来るだろう、10万個の文明を次々に作り続けながら。どこまで行ってしまうだろうか。

少々科学オタク向けの講座かとの感じもしていたが、宗教が昔から果たしてきた我々はどこからきてどこへ行こうとしているのかの解説をとにかく科学的にやってくれるところが、この宗教臭くなっている現代にむしろ必要な学問になってきていると感じさせてくれて、十分に面白い。

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2016年7月11日 (月)

地球史を学ぶ

仕事を離れたら時間を持て余すと聞いたことがあったが、実際にそのような状態なると全くそのようなことはなくやりたいことが増えるばかりだ。


学ぶことも遊びの一つで、この春からは放送大学大学院の学生証を手にして学んでいる。

Hosodgk1
といってもそれほど多くの時間を割くことはできないので放送大学では「地球史を読み解く」という講座のみを正式に履修している。
平たく言えば我々はどこからきてどこへ向かっているのかを科学的に宇宙スケールで明らかにしていこうということになる。

始めるとなかなか興味深い。
東工大特命教授の丸山茂徳という人の講義だが姿やしゃべりはあまりテレビ向きでない。しかし話の内容はすこぶる面白い。
Hosodgk2
話は本来どうやってこのような研究が進んできたか具体的にどのように研究なされているかという研究手法が結構重要そうだが、そこらはあまり深入りしない。岩石の年代決定手法や同位元素の分析法など実証の具体的手法の知識が骨格を成すような気がする、そこはない、その意味ではどこか消化不良の講義であることは免れない。



太陽系の誕生と地球の誕生がはじまりだが、宇宙150億年の歴史を俯瞰すると太陽系が誕生した46億年前は銀河系で星の形成率が高まるスターバーストの時期にあたっていたという。

スターバーストは銀河同士の衝突で引き起こされるとされており、46億年前は銀河系と矮小銀河との衝突で起こったと最近は考えられているようだ。

太陽の周りにスターバーストで生じた物質が円盤状に集まり 重い岩石は太陽に引き寄せられて内惑星を作り、飛ばされた軽いガスは離れた軌道に外惑星を形成、内惑星は衝突を繰り返し成長、地球、火星などが形成された、と考えられている。
地球のもとになった惑星は隕石の落下で次第に大きく成長していき最後に火星位の惑星との巨大衝突を45.6-45.3億年前に起こしたとされる。こ衝突はジャイアントインパクトと呼ばれこの時月がとびだしたともされているようだ。


ここからが地球の歴史の始まりとなり、まずは冥王代とよばれる原初の時代が始まる。
地球の水はどこから来たか。地球の水の同位体比--重水素/水素比の値を調べると太陽水素の値や彗星の値とは大きく異なり炭素質隕石の値に近いと解ってきた。

一方地球(および月の)岩石は構成する元素の同位体比率からはエンスタタイトコンドライト(Mg系輝石であるエンスタタイトを主要鉱物とする石質隕石)と呼ばれる隕石物質と一致し炭素質コンドライトとは一致しなかった。
即ち岩石をもたらした隕石と水をもたらした隕石は別々のところからきていることになる。
まずエンスタタイトコンドライトが集まって地球の本体部分が出来上がってきた、そこへ水と大気を持った炭素質隕石が降ってきたことになる。
そんな調子のいいことが何で起こるの、と思わざるを得ないが内惑星が生成後木星の引力の影響で外惑星に近い側の小惑星帯の炭素質の多い隕石が落ちてきたという説明があるだけで今一つ合点がいかない。まだまだ諸説が飛び交っている状況のように思える。

地球に残る最古のかけらは44億年前のジルコン結晶でこの中に含まれるウラン元素の崩壊から年代が推定できており、更に、40億年前前後のジルコンに含まれるセリウム元素の価数分析から40億年以前は酸素の少ない還元的な環境(即ちエンスタタイトコンドライトがもたらす環境)でありその後は酸化的な環境(即ち炭素質コンドライトがもたらす環境)に変わっていったことが物的証拠として示されているようだ。

46億年前という太陽系誕生の歴史は隕石の年代測定から得られたもので太陽系全体がほぼ同時期にできた、それが46億年前であったということのようだ。僅かに残された試料から重要な結論が導かれるところは感心するがどうしても半信半疑のところがある。


それにしても現在落ちてくる隕石の多くが普通コンドライトでありエンスタタイトコンドライトや炭素型コンドライトは少ないとされる、ハヤブサが探査したイトカワも普通コンドライトであると解っている、46億年から40億年前頃に今は少ないコンドライトが惑星を作るほどに落ち続けたのはどういうことだろうか。
少しかじっただけでも疑問は尽きない。



生命の発生に至る過程は更に面倒で、原初の、隕石でもたらされた大量の水は地球の殆どを4kmの深さで覆っていたがこれがプレート運動で次第に地中に引き込まれてそのかさを減らし、現れた陸地の岩石粒子が海水と反応して強酸性だった海水を中和していった、濃密だったCO2もマントルに固着してプレート運動で地中に運ばれて薄くなり太陽の光が地面まで届くようになった、水際では各種複雑な環境が現出し多くの元素が出そろい、間欠泉のような場所で有機化合物が次第に合成され最後に生命の誕生に至った、ということのようだ。

まだ実験室内では生命の誕生までは実現されておらず、本当にこうなのかは解らないが、かなり生命の発生はハードルが高いようだ。最近相次いで発見されている太陽系外のハビタブルと思わせる環境の惑星でもめったなことでは生命は生まれないのではないかと思わせる。

地球の冥王代には多くの生命の形態が有りえたが、大量死を繰り返し結局動物の祖先となる古細菌と植物の祖先となる真正細菌のみが生き残りこれが30数億年生き延びてカンブリア紀に理想的ともいえる環境が出揃ったことにより爆発的種の拡大に至ったということらしい。
ここらあたりまでくると化石が残されていたりでそういうことかと思わせる。


勿論この先も展開は続くのだがここまでの過程でも,人類のような知的生命体が存在しうる天体が地球以外に本当にあるのだろうか、と思ってしまう。地球しかないといわれてもそれはそれで真実かもしれない。
命の宇宙的重さというものを感じてしまう。

確かに学ぶということは面白い遊びだ。

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2016年7月 7日 (木)

LCCの話

つい1週間ほど前LCC(LowCostCarier 格安航空)を使って関東まで出かけた。LCCの話題にはもう10年以上付き合ってきていて、どういう仕掛けかとか何が肝心かとかは解っていた積りだが、初めて乗ってみると色々思うところがある。

基本的に東京での飲み会に出る、ついでに久しぶりに日光の鳥を見たい、という ゆるーい旅だからできることなら飛行機代は格安で行きたいと、スケジュールの許す範囲で最も安くなる便に最も安い形態で乗るということに決めていた。
行きはLCCのジェットスター、帰りは同じくLCCのピーチアビエーションとなった。機体はいずれもエアバスA320-200だ。チケットとして最安値はピーチだが、午後早くに会合があって、これにうまく合うピーチの便はなく、帰りは丁度いいピーチの便があってこうなった。図らずもLCCの乗り比べと、運営が始まったばかりの成田のターミナル3と従来のターミナル1の比較、東京駅ー成田の900円シャトルバスの評価等、移動がなかなか興味深い旅となった。

行きの福岡空港発成田空港行きジェットスターは48時間前からウエブチェックインできるので、これを済ませて空港に向かった。
施設使用料、支払手数料を含めた運賃は8200円だ。福岡―東京のJAL/ANAの片道普通運賃は43600円!だからこれでも1/5以下で十二分に安い。
手荷物は7㎏に制限されている切符で手土産を含めるとどう見てもこれを1㎏位超えそうなので、前もってキャリーバッグは宿にクロネコで送っておいた。1620円だが、手荷物超過の場合にとられる3000円よりは安く都内の飲み会も気楽に行けるので悪くはない。しかし、ピーチであれば10kgまで許容されてクロネコは使わずに済むのにとも思う、しようがない。
ウエブチェックインだから荷物の重さを量るポイントは通常は無い、手荷物が目立つ場合に特別に量るらしいが今回の便ではそんな光景はお目にかからなかった。時間もタイトで余程のことがなければ量らないとの印象を受ける。
出発時刻の20分前くらいから窓際の席からボーディングが始まる、7kgの制限のためかキャリーバック持ち込みはそう多くはない。朝の一便ということもありとりわけ遅れを後ろの便に送らないようテキパキと搭乗を進め定刻よりやや早めに駐機位置から動き始める。このあたりの手際よさは気持ちがいい。
Lcc2 満席だ。座席はANAの標準166席(28列)に比べ、180席(30列)のハイピッチだからかなり狭く感じる。シート背の物入れが無くペットボトルなどを押し込めれるようにはなってない。少しでも足元スペースを広げようとしているようだ。人の出入りには座っている人が一旦通路に出るほかなく窓際の人は事実上トイレにはいけない感じだ。チェックインの早い人から通路側の席を割り当てているように感じて、この辺りは早い者勝ちの雰囲気がある。
飲み物や食べ物は機内販売が回ってくるが少なくも200円Lcc1 以上はして、安いということはない。普通のペットボトルの水を持ち込んで手に持っている他ない感じがする。
成田には若干早めに着いて、そのためか着陸順を待つこともなくストレートにアプローチラインに乗る。予定到着時間よりもやや早く、前倒しの運航に成功している。アナウンスでは次の出発まで30分しかないという、ドアが開いたら早く降りてほしいとの感じが伝わってくる。LCCは機体の回転が肝心で細かく付加料金をとっていくところも含めて教科書通りのLCC運航を行っているように見える。
Lcc3 駐機場所からバスで第3ターミナルに向かう。まずは2階に上がって直ぐに八重洲口行シャトルバスの予約手続きをしようとするがちょっとした列ができていて見る間にすぐに出る便は満席になる。次の便の予約をもらってバス乗り場まで移動する、大した距離ではない、第3ターミナルのロビーを少しぶらぶらしてみるが何とはなしに日本のターミナルとは少し違うケバケバしさがあって乗客も外国人が多いように感じる、ちょっとした外国だ。
東京駅まで行くバスとあればそれなりに渋滞に会うだろうLcc4 から少しは遅れるだろうと思っていたが、驚くなかれぴったり予定の時間に八重洲口に到着した。渋滞時間を織り込みながら運転手が微妙に速度を調整して走っているのだろうか。信頼感のあるバスだった。

帰りは茅場町で地下鉄日比谷線から東西線に乗換え日本橋駅から歩いて八重洲のバス乗り場に行った、地図で見るとこれが一番近いルートに見える。勿論乗換などで結構歩くが暑い日なたを長く歩かずに済むのが楽だ。
Lcc6 予約していたバスの一つ前に乗れそうだったので係りの人の了解の上列に並んで前のバスに乗り込む。希望を言えば現場でよしなに計らってくれる感じだ。帰り便のピーチは第1ターミナルだ、ANAの子会社というためだろうが施設使用料がそれなりに上がりそうだ。しかし帰りの切符は施設使用料・払い込み手数料含めて5670円だ。こんなんで成り立つのかとも思うが直近の経営データではピーチはやや黒字でジェットスターはやや赤字という。ピーチのほうが手荷物10kgだったりちょっと緩い感じがして満席にしやすいLcc8 のかとも思う。
こちらは昼の便で若干遅れを引きずっているようでボーディングも10分くらい予定より遅い。チェックインは空港ターミナルで無人の機械で行うが、センサーにバーコードをかざすだけというものであっという間に終わる。
座席は同じく180席だがシートの厚みが薄いスマートなシートで足もとの広さは心持ちジェットスターより広く座席背の物入れもある。僅かなことだが乗るならジェットスターよりピーチかなと思ってしまう。ここらあたりがうまいのだろうか。
Lcc7 手荷物が10kgなだけにキャリーバック持ち込みが多い。ちょっとサイズが大きいかなというのはチェックして機内持ち込みを拒否しているようだが重さまで量る光景はない。そんなものなのだろう。機内のオーバーヘッドビン(荷物棚)の奪い合いになるかと懸念したがそんなこともなくすんなり収まる、勿論満席だ。
予定を10分くらい遅れて動き出したが途中とばしたのか風が弱かったのか到着は予定の3分前と遅れを取り戻した。いかにもLCCらしい努力だ。機内の販売はジェットスターと似たようなものだがちょっと安くて少し面白いかなという印象がある。僅かな努力の差がジェットスターの赤字とピーチの黒字を分けているように思えるがピーチの少し緩いところがいつまで保てるかとも思う。結構シビアなビジネスだ。確かにスカイマークとはちょっと違う、もっとドライなところがある。

でも一旦これで東京に遊びに行くとLCC以外を選択する気は余りなくなる、これで十分だ。
こうやってLCCはメインラインを圧倒していくのだろうし旅客機ビジネス全体が結局は拡大するのだろう。時代が動くのを直に感じる思いがしてともかくこういう旅は面白い。

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