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2016年11月24日 (木)

アメリカズカップ観戦

アメリカズカップのワールドシリーズが福岡であってPh43日間続けて海上からあるいは浜からそれを見ていた。
もう死ぬまでこんな光景は見られないかもしれない、と思っていたが、実際にレースを見て振り返るとどこか感動が残らない。
海からの観戦にはとりわけそんな感触があった、多分レースを戦っている人の姿が遠すぎて人の努力が伝わってきにくいということがあるのだろう。音も殆ど伝わ
Amercasc1ってこないしレースの推移もいまひとつ解りにくい。
これに比べ浜の有料の観覧場所で見るほうは、距離が近くてやっていることが分かりまだ伝わってくることが多い。日本艇がレースに勝ったりすると浜全体が盛り上がってスポーツ観戦らしくなる。浜でヨットレースを観るなんて、と始めはいぶかしく思っていたがそうではなかった、十分に支払った見返りがあった。
海上観戦ではレースそのものよりレースを観る雰囲気
20161119mult11が面白い。普段は見かけない巨大な帆船や不気味な船などが狭い場所にひしめく。そんな非日常の風景が今となっては頭に残る。
ヨットレースはローカルな内輪のレースであってもやはり自分でやるほうがまだ面白い、そんな感覚ばかりが今となっては結局は心にあるような気がする、こんなこともアメリカズカップを見てみないとわからないことだったのかもしれない。

アメリカズカップとは何か、解説すると以下のようになる。
20161118mult1851年に第1回が開かれた国際ヨットレースで今回のシリーズは第35回になる。国際スポーツレースとしては 近代オリンピックより古い歴史がある。
現在は、来年6月に英領バミューダで行われる本戦の前哨戦としてとして、米国も入れた、日、仏、英、ニュ-ジーランド、スエーデンの計6か国で世界を転戦しながらワールドシリーズというレースをここまでに計8回行った、第9回目の福岡のレースがこのシリーズ最後のレースとなる。
ワールドシリーズで上位の艇には来年5月にバミューダで開かれる予選(ル イ・
Amercasc4_2ヴィトン・アメリカズカップ・クオリファイヤーズ)で有利なポイントが最初から加点される。予選の勝者が引き続き行われる本戦で前回優勝のカップ保持者である米国オラクル艇と戦い勝者を決める、という段取りになっている。
日本からはソフトバンク艇が出場しておりソフトバンクと
縁の深い福岡が今回の会場に選定されたということのようだ。
現在アメリカズカップ全体のスポンサーはルイヴィトンと
Amercasc3Amercasc2_2 なっていて今回のレースは正式にはルイヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡と呼ぶようではある。

今回のアメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡では 11月18日が公式練習
Amercasc6日で19,20日で3レースずつ計6レースが行われた。レースはヤフオクドーム裏の地行浜沖で行われ地行浜には有料の観戦スペースが設けられた。浜からの有料観戦という形態は国内では初 めてと思われる。
コースは風に
よって変わるが基本的に浜からの観戦を重視して浜寄りに設定されとりわけゴールは浜近くになるように設けられていた。
各国レース艇の基地は小
戸の福岡市ヨットハーバーに設置され、いつも利用しているヨットハーバーの有様がAmercasc7一変したのも面白い。

競技艇はAC45Fという統一規格艇となっている。艇の長さ13.45mのカタマラン(双胴船)で、これに高さ21.5mの航空機の翼のようなソリッドなセイルをつけていて、人力で上下する水中翼も装備している。風が5m/s以上くらいでは水中翼を利用して浮き上がることができ、この時の速度は普通のヨットの4-5倍くらいになってとにかく速い。恐るべき艇だ。浮き上がるほどの風がない時Amercasc5でも傾ければ片方の艇体だけで抵抗を少なく走れるが安定して片足走行を続けるのは難しそうだ、操船にはかなりの技術が要求されるようにみえる。
搭乗員は5名+ゲスト(操船に関与しない)1名となって
いる。スキッパーは操舵・全体指示に、クルーはセイル・フラップ操作調整、ジブおよびジェネカーの展開・収納、重心移動、水中翼の上下 等かなり忙しく俊敏性とともに相当の腕力・体力を必要とするという。

日本チームは結局シリーズ総合で5位となったが、来年
5月の予選で這い上がれるかどうか。やはり気になる。

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