クルマの複雑化は
最近、乗っているクルマのトラブルが増えてきた。勿論愛車が17万キロ近くを走行しており古くなってきたということが原因のほとんどだが、クルマの面倒を手をかけて見なくなったということもあるような気がする、そこまで気が回らなくなってきたということだろうか、1日にやれることの数が減ってきたということだろうか。クルマが単純でなくなったということもある。
今回のトラブルは全く突然に訪れた。
ヨット遊びから帰ってきて自宅車庫に入れようと手前で止めていったんエンジンを切り車庫の扉を開けてエンジンをかけると変だ。アクセルペダルを緩めるとアイドルにならず一気に回転が0まで下がってエンジンが止まる。少し冷えてからとか何回も試すが現象は同じだ。これではギアも入れられない。クルマが動かせない。思い余ってJAFを呼ぶ。1時間ほどしてレッカーで現れるがスバルの整備に入れるにはもう時間が遅い。とりあえずは車庫に入れてもらうが車に慣れたJAFの担当者でもなかなか思うように動かせなくてエンストを繰り返しながらとりあえず車庫のシャッターから少し頭を出したところまで動かして翌日スバルの整備に運ぶことにする。翌日またJAFを呼んで運んでもらう、4WD車のレッカーは後輪にも台車をかませて全輪を浮かせて運ぶことになる、言われてみれば4WDのレッカーはちょっと厄介だ。
整備は混んでいて一先ずクルマを預けて連絡を待つ。翌日とりあえず直ったとの連絡あり出かけていくとスロットルセンサーにカーボンが詰まっていてこれを掃除したら機能が回復したという。電子制御スロットルの要の部品のはずだ、汚れには敏感で経年劣化も覚悟しなくてはならないところのようだ。電子制御スロットルユニットを新品に変えればいいのだが結構な額になるらしいのでここら辺が怪しくなってきたら新車に乗り換えるべきなのだろう。
電子制御になると昔のように簡単な部品を磨けばいつまでも使えるというわけにはいかない。
このところクルマの暴走事故が多発している。年寄りの操作ミスとして片づけられることが多い気がしていたがつい最近起こった博多の病院にタクシーが突っ込んだ事件では突然ブレーキが効かなくなったとして車両側に何らかの問題が生じたことをドライバーは感じていたようだ。
そう思ってこのところ続く突っ込み事故の車種は何かと調べてみるとプリウスやアクアというハイブリッド車が目に付く。博多の病院突っ込み事故はプリウス、11月の立川暴走事故はアクア、5月の大森駅付近暴走事故はプリウス、2月の大阪梅田暴走事故はプリウス、15年11月の東大阪市暴走事故はプリウスといった塩梅だ。勿論ほかの車種の暴走事故もある(5月の錦糸町暴走事故はカローラ、同じく三ノ宮駅付近暴走事故はマークX 、15年10月の宮崎の暴走事故はダイハツテリオスキッド(軽自動車))、しかしプリウス・アクアが目立つ。。
プリウスやアクアのブレーキ系は回生ブレーキと従来の油圧ブレーキを併用しており、かなり複雑な電子制御システムとなっているようで時折リコール改修がある。どのくらいフェールセーフシステムが組まれているのだろうか、航空機のフライバワイヤの場合は最低でもパラレル3重系統の安全確保がとられている。コンピュータ、電源、電子システムが独立に3系統以上準備される。故障確率の計算では電子部品の故障ゼロというのはあり得ない。確率として事故は必ず発生する。問題は数値だ。特にブレーキ系統の電子制御についてはどこまでの安全性が確保されているのかもっと具体的に公表されてしかるべきのような気がする。
回生ブレーキのモーターが暴走して逆に加速側に働いたそんなことが万に一つでもあるとするなら今回のようなことが起こるような気もする。ドライバーの感じた異常がどうすれば起こりうるのか警察でなく航空機の事故調のような独立した専門機関で調べる必要がありそうだ。
電子制御になってクルマは恐ろしい乗り物になってしまったのかもしれないという懸念がどこかにある。昔のアクセルペダル直結のスロットル、単純なディストリビュータと点火プラグ、油圧ブレーキ、こんな世界にはもう戻れないのだろうか。
多分人類は前に進み続けるだろう、この複雑化の壁を乗り越えた100年先か1000年先の透明な未来に思いをはせている。
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