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2017年3月10日 (金)

長野でのレスキューヘリの墜落

3月5日午後1時33分頃松本空港を離陸したベル412EP双発レスキューヘリが15分ほどで松本市のすぐ東にある鉢伏山の山腹に墜落した。
搭乗者9名は全員死亡。機体は裏返しに地面に激突しており、メインロータはすべて砕け、テールは折れてテールローターは発見されていない。激しい墜落だ。
墜落位置は細かくは発表されていなMap いが報道情報を突き合わせると山頂西の図に示した谷のあたりと思われる。
現場の北西の標高1800mほどの尾根にはローターで木々の頂上部が切り取られた跡が報じられており、尾根の高いところで木と接触したと見られる。
また、機体の右後方に座っていた隊員のヘルメットカメラが回収されており、その映像から激突の5秒前までは通常の安定したフライトだったことが解っているようだ。無線連絡も一切なく機体のハード的故障の可能性は低いように見え、また、天候は、晴れで風もとりわけ強くもないMap3 ようだ。松本空港の地上の風は北3-4m程度であり、MSM気象データからは高度1500m位の風は西6m前後と推定される。
フライトレコーダは搭載されておらず原因究明には時間がかかろうが、現在までに得られている公開情報からは、
事故機は高ボッチ山の着陸地点に向かって北側から稜線の風上側を横風アプローチしていたところ稜線に近づきすぎて立ち木にローターがあたりコントロールを失って風下側の谷に転がるように落ちていった
 と想像される。
松本市をはさんで風上側には焼岳等の北アルプス連峰が南北に連なり、西風では北アルプスの乱流が及んでくることと推定される。ただ、この日はそれほど風も強くなく、乱流への警戒が緩んでいたとも考えられる。
山の風上側の上昇気流を利用してエンジンを絞り気味でフライトしていたところへ乱れで風が弱まり上昇気流が弱まって山に近づきすぎる結果となって立ち木に接触したのかもしれない。
日常的に飛行している場所の難しい気象とは思えない状況でパイロットの心に僅かなゆるみが生じ事故をもたらしたのかとも推察される。

経験豊かな山岳ヘリパイロットがホームグラウンドの空域で事故を起こす、誰であれそのパイロットのポジションにあればいつかは事故を起こす可能性があったとも思える。どうやればシステム的に事故を防止できるだろうか、警察が罪を追求することでは決して防止することはできないだろう。
AIも役に立つのかもしれない、知恵を出し前に進ことが求められているようだ。

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