東京のコアジサシ
東京へ出かけることに決まって、大した用というわけでもないのでできるだけ費用を抑えようと安い飛行機便をいくつか探してみたがLCCは思ったほどには安くない。
マイルも片道だけ使うという手もある、これならマイルがすってんてんになるということはあるまいと羽田往復として往きはスカイマークの1万円くらいの切符があったのでこれにして帰りはJALのマイルということにする。これならチープな旅が可能だ。
あまり時間もないがどこかで鳥見をしたいと思っていた。モノレール羽田線といえば途中にコアジサシのコロニーがどこかの工場敷地に形成されているというのを看板で見たことがあったのを思い出して、少し調べてみた。
ネットを手繰っていくと森ケ崎水再生センター東施設の屋上部にコロニーがこの時期形成されるということが分かってきた。更に一時数が少なかったが関係者の努力が奏功したためか2014年頃から増え始めて多分今年もそれなりのコアジサシが飛来しそうだということも分かった。
勿論水再生センターは基本的に外部の人は自由には入れない、外から見ればいいがどこからなら見れるだろうか、調べようとするがこれ以上情報は発見できずとりあえず昭和島駅で降りて京和橋あたりまで歩いて行ってそこから眺めてみようという計画とした。
九州では有明海の三池島にベニアジサシが来ていたがこのところ不調でなかなか姿が見られなくなっている、また以前鬼怒川のコアジサシのコロニーを見たことがあったがその後大雨で川の様子がすっかり変わってコロニーが形成されなくなったこともあり、アジサシのコロニー維持の難しさを感じていた。東京のコアジサシでも見れるものなら見ておきたい。
当日予定通りモノレールを昭和島で降りて東口改札口を出る。天気は少々日差しがあるが雨にならなかったのは有り難い。細い通路があって通りに出るのだがその途中まで来ると右手の大きな建物の上からコアジサシの群れが飛び出してくるのが見える。
結構近い。暫く眺めているがこの通路を通る人は誰も足を止めようとしない、見慣れた風景なのだろうか。録音したりとりあえずの写真をコンデジで残す。
水面へ飛び込むところも見れるかもしれないと京和橋まで歩いていく。
海に掛けられた橋だけに橋の中央は結構高くなって水再生センターのコロニーと思しきところとほぼ同高度になる。さすがにコロニーそのものは遠くてよく見えないがそれらしい場所は大体わかる。
コロニーから時折5-10羽位の群れで海面に出て魚を採り始める。よく見るような垂直降下をするコアジサシもまれにはいるが殆どは接線気味に接水して採っているようだ、魚が浮いてきているのだろうか。それとも海が汚くてあまりつかりたくないのだろうか、よくわからない。
京和橋を渡って反対側の水際沿いには遊歩道がついていて日陰で見ることができるがこちら側にはムクドリの群れやカラスもいて、コアジサシは寄ってこないので少し遠い。コンデジの望遠ではちょっと苦しくスコープか300mm以上の望遠が要る感じではある。
見ているのが思いの外面白くてあっという間に予定した時間は過ぎる、また昭和島の駅まで群れ飛ぶコアジサシを見ながら戻り、昼食場所と決めていた天王洲アイルまで進む。
こうして少しいい気分になって久し振りの東京の旅は始まった。
見るべきと思うものはなるべく見るように心がけているが、今思い返してみても旅はどういう形であれ刺激的で面白い。
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