« リンゴ北紅の物語が | トップページ | 希望の党が »

2017年10月28日 (土)

今更のように古事記を読む

古事記を読んでみた。勿論口語訳版だ。原文は漢文に万葉仮名が混ざったとっつきにくい文章だ。しかし古代の歴史をみていくとどうしてもここに行き当たる。

通読してみるとそうかというところがいくつかある。まずはオオクニヌシの位置づけだ。ニニギノミコトが天孫降臨する前にスサノウが地上-出雲-に降りておりその孫として

Kougokojiki

オオクニヌシが広く葦原(つまり地上世界)を支配をしていた。それが気に入らないアマテラスはオオクニヌシに支配を終わらせることを同意させたうえで孫を高千穂の峰に降臨させた、という筋書きだ。
オオクニヌシの子は出雲から信濃まで逃げて諏訪神社にとどまることを条件に成敗をまぬかれた。
確かに諏訪神社にはいけにえの風習が後の世まで長く残り、他の神社とは異なる原始の荒々しさが今でも感じられる、単なる神社ではない。
出雲も何かの雰囲気が今も残っているのかもしれない、一度行ってみなくてはならない、そう思えてくる。

要するにニニギノミコトが初めて地上に降り立ったわけでも何でもない。現在の天皇家の直系がそこにあると示しているだけで、諏訪はそれ以前の支配者の流れを汲み続けていることをはっきり示しているようでもある。そういうことか。

ニニギノミコトの子が海幸彦山幸彦であり山幸彦の孫が神武天皇であって九州から瀬戸内海伝いに東征する話が書かれている。何故ニニギが天下ったのは出雲ではなかったのか。
明らかに出雲にもアマテラスのいる高天の原とつながるルートがあってスサノウは島根と鳥取の境にある斐伊川に高天の原から降りてそこでヤマタノオロチを退治することになっている。もっとも日本書紀ではこの時スサノウは新羅に天下ってそこから船で斐伊川に行ったと記述してあるから、神話だけあってぼけた話にはなっているようだ。とにかくニニギが出雲に直接天下らない訳があったように思える。

読んでいくと、やたらと「まぐあい」だの「ほとを突く」だのと現代の視点からは猥雑な表現が出てくるし、争いでは残忍に切り殺す表現がたくさん出てくる。国の正式な歴史書物にしてはどうかなと思ってしまう。

神武東征のところは思いのほかあっさりしている。日向から北上して宇佐へいき西に向かって岡田宮に1.5年、東へ向かって安芸の国タケリに7年、更に東に行き吉備の国高島に8年いて、明石から大阪湾を横切り和歌山あたりに至った。陸地からは抵抗が激しく海路で巡ったとの話になっている。要するに海路のみで東へ向かっている。
近畿に王朝が出来てからは纏向の字がたびたび出てくる、纏向遺跡が立派なのは当たり前と思える。邪馬台国論争で証拠のように纏向があげられるのはなんだかおかしい気もする。

古事記の記述がしつこく書いているのは当時の氏(豪族)の先祖がどうつながっているかのあたりだ、人名あるいは神の名前は煩雑と思えるほどだがそれが古事記の中核のようにも思えてくる、しっかり伝えている。地名のいわれもしつこい。
これらをつなげた話が長い時間を経て形造られてきて稗田阿礼の伝承となったと考えるのがそれらしい。
つまり当時いた天皇をはじめとする有力な豪族の所以・正当性を記したのが古事記ということになるのだろう。しかしすべてを創作するのは却って大変な作業になる、事実の歴史も深く織り込まれているとも考えざるを得ないように思われる。

古事記が作られた時の天皇家はどこからきたのかそれを記したのが古事記であるとするとどこらあたりまでが史実に近いのだろうか。

記述の細かさから少なくとも大和盆地には宇陀から(東から)入ったとするのは本当らしそうだ。当時の文化の流れからは明らかに西から東だから、東から大和に入ったがもとは西から来たのだ、と東征伝説でこと更に言いたかったのかもしれない。
更にそのもとはどこにいたか、紆余曲折があったとしても結局は幾つかのルートによる弥生文化の大陸からの伝来、弥生人の侵入というところに辿り着くということになるのだろう。
普通に考えてその遥かな記憶の正当化が国生み・天孫降臨神話になったのだろうしそう思って古事記の神代紀を読むとおかしくはない、どういう伝説であれそう言い方もあるかと思える。

なんとなく全体の感じは解った。古事記は歴史書としてではなく やはり最も古い日本文学として読むものなのかもしれない、そんな風に思えている。

こうして気になっていることを一つ一つ潰すようにして過ごしていく、これも悪くはない日々だ。

|

« リンゴ北紅の物語が | トップページ | 希望の党が »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164785/65973891

この記事へのトラックバック一覧です: 今更のように古事記を読む:

« リンゴ北紅の物語が | トップページ | 希望の党が »