台風と灯明と
台風シーズンも終わりかけたと思っていると超大型の台風が北上してきた。21号だ。
気象の予測もこの頃は欧州ECMWFの計算結果や米国NOAAの計算結果を図として表してくれるフリーソフト(windy)が出てきて、日本の気象庁の計算とすぐに比較できるようになってきたので、台風の進路のようなわかりやすい比較では予測を比べて見たくなる。windyでは過去の予測データは次々に消えていくのでECMWFのサイトにまだ残っているアンサンブル予想のその時のデータを掘り起こして振り返って当たっていたかどうか調べてみる。
1週間くらい前の予測(14日12Z(世界標準時の12時)時点の予測)では日本の気象庁の計算は台風の経路はやや北寄りに予想し福岡近くを通ると出ていた。一方欧州の計算では大分南で上陸はなしとの予測だった。現実には欧州ECMWFに近いがやや北にずれて九州の南を通り過ぎ東海・関東と上陸して駆け抜けた。
1週間前でも予測はなかなか難しい、合わないものだ。太平洋高気圧も弱まっている今頃の台風は進路を決めるかっちりとした気圧配置もなく予測が当たりにくいのも仕方がない。
それでも季節の予報に比べれば台風の進路予想はまだあっているというべきなのだろう。
今年の春頃は この夏は全国的に高い気温となろうという気象庁の気候予測だった。確かに7月上旬は暑かったが少なくも東京はそれ以降は冷夏だった。今年の様な冷夏になる予測は地球温暖化とは逆行する感じで例え予測出来ても発表しにくいのかもしれない。ともかく気候の予測はここ10年位を見ても50%くらいしか当たらずあまり実効性のない予測になっているようだ、今のようでは使い物にならない、そんな話もどこかで聞いた。そのうち当たるようになってくるのだろう。
しかしこんなに当たらない気候予測で このままではとんでもない地球温暖化が予測される といわれても本当にそうなのか、何か見落としているところがあるのではないか、そう思いたくなるのも事実だ。荒れてきている気候を全て人為的CO2増加のせいにしてしまうのはいかにも短絡的思考のように思えてならない。アバウト過ぎる。こんなものに振り回されたくない。
博多地区で灯明ウオッチングというのがこの土曜(21日)に行われるというのでアクロスでのコンサートを聴きに街に出たついでに少し巡ってみた。秋には毎週のようにイベントが組まれていていかにも観光を政策の目玉にしている街のように見える。次々に繰り出せるだけ街にパワーがあるということだろう。
灯明のイベントは博多の一部で夏に300年続けられている千灯祭にちなんで20数年前から秋に博多の広い地域で大掛かりに行われるようになったようで数万個の手つくり灯明で街を照らすという形になっている。
ローソクの炎で博多の各所に光の地上絵なども描かれるという。勿論一晩だけだが面白そうだ。
アクロスからも歩いていける博多リバレインの付近に地上絵があるというので行ってみたがその場所が解らない。しょうがないのでリバレイン8Fにあるアジア美術館まで上がって受付で聴くとやっとわかった。行くのが難しいところもあるようだ。やっとたどり着いて見ると、面白いが思いのほかこじんまりとしている。これはやはりメインとなっている御供所地区に行ってみるほかないかと地下鉄で祇園まで足を延ばす。
降りると目の前が東長寺でここには地上絵があるはずだ、いかにも見物に来たという風情の人が門を出入りしている。人の流れに従っ
て入ってみる。筑前琵琶の演奏が終わったところで人が多い。庭一面に灯明が並べられて見物人が思い思いに歩き回ってみている。明日は台風21号接近という日で雨も予想されたが幸運にも雨になっていない。紙のあんどんにローソクだから雨では全く成り立たないイベントだ。
写真に撮れるかもしれないとコンデジにある”手持ち夜景モード”というので写してみると思いのほかよく撮れる。条件を変えて連写して統合しているようだ、コンデジといっても全く馬鹿にできない高機能だ。
東長寺からその奥の旧御供所小学校跡地まで光の道が続き最後に大きな地上絵が現れる。よくもこんなイベントを仕掛けたと思うほどだ。市のパンフでは数万の観客が出ているというし後で見たインスタにはもう3回目だという海外からの投稿もある。結
構知られてきたイベントの様だ。
台風が来ようが予測が外れようが、構うことなく走り続けるそんなエネルギーが流れている、そういうところが面白くてこの街がいい。
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