ベートーベンシンフォニエッタの第九
九響の第九の切符は取れなかったが、12月の定期演奏会でもらった宣伝ビラに12
月29日に福岡である第九のコンサートというのを見つけてビラにあった問い合わせ先に電話した。ベートーベンシンフォニエッタという聞いたことのないオーケストラの演奏だが合唱は九響合唱団となっていてそれなりの演奏会ではあるようだ。切符の入手法がわからず電話したのだが当日ホールの前で引き渡すといって名前を聞かれた。ちょっとカタコト感のある喋りで外国人のようだ、もしかしたらオーケストラを主宰する九響の主席クラリネット奏者デムチシンさん本人だったかもしれない。当日支払うことになるが前売り料金でよく放送大学の学割もきくという。当日券大人は4500円だが前売り学割は1000円となるからとにかく名前を言って予約した。それにしても引き換え番号を告げられるでもなくこれで大丈夫なのだろうかと気になったまま3週間後に当日を迎えた。開場時間の少し前くらいと早目にホールを訪れる、福岡・天神のFFGホールだ。
地下に下る入口のところに案内の人が立っていて下で引き換えるという、階段を降りるところに少し列ができていてこれらしいので並んで待っていると順番となる。和服の女性に名前を告げると封筒に切符が準備されていて、学生?といぶかる声が返る。放送大学ですと学生証を
見せながら告げるとアッ失礼しましたと素直に渡してくれて現金を払う。こんなんで大勢の予約をさばけるのか思うが適当に三々五々に客が来るので結構成り立っているから不思議だ。手作り感の濃いコンサートだ。
自由席なので真ん中辺の見やすいところに席をとる。初めてのホールだが客席奥は階段が急でどこでもよく聞こえそうな造りになっている。600人くらいの規模で小ホールといった感じだ、気安く演奏会が開ける感じがある。演奏者は九響のメンバーや北九州の響ホール合奏団のメンバーにフリーランスの演奏家を混ざった形で見た感じ女性が多い。人数は多くなる第九でも50人くらいとコンパクトなサイズだ。
出し物はモーツアルトのレクイエムとベートーベンの第九でちょっと重い。
事前にロビーでボランティアらしい方の説明があって少しはわかりやすくなる。
レクイエムはモーツアルトの未完部分を弟子のジュースマイヤーが完成させた版が普通だがここではこれとやや異なる版で演奏されるという(どの版かは忘れてしまったが)、確かにレコードで聴き慣れたのとは少し違う。
指揮者の意図なのか弦の重厚みが弱目で重々しさがあまり感じられなく薄い演奏との印象がある、年の終わりに聞くにはちょうどいいくらいかもしれない。
第九のほうはこのシーズンだから演奏者はあちこちで演奏してきた雰囲気があり安定感があって聞きやすい。しかしやはりバイオリンが弱い。編成上の問題のようでもある。いずれにせよ十分聴きごたえはある。やはり年末は第九だ。
合唱と打楽器の迫力で盛り上がるところに至ると今年も終わりかとの感慨が生じる。
来年はどうなるだろうか、平和な時代の年末だったと後で回想することにならなければよいが。しかしそんなことはなるようにしかならない、先のことは心配せずにその時その時を気楽に過ごす、それしかないのだろう。まだそう思えるいい年の瀬だ。
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