クルーズ船で日本海を巡る-その3
浜田では寄港地ツアーを利用したがコスタ側の手違いがあって石見銀山だけの観光
となってしまった。まあしようがない。とにかくゆっくり歩きまわることにした。
久し振りに雨は止んでいる。大森地区の保存されている街並みを一渉り歩いた後まだ少し時間があってせっかくだからと電動自転車を借りて公開されている坑道までも行って見た。
古い街並みの集落を抜けて緑に包まれた抗口に進むとオオルリの声がする。久しぶりに濃い鳥の雰囲気を感じる。こういう所だったのだ。つわものどもの夢の跡、と言ってみたくもなる。足尾の公害に痛められた禿山とは随分違う。明治の産業革命の前となる江戸時代にその役割がほとんど終わりになったために大規模自然破壊につながらなかったということだろうか。博物館の坑道の立体図では江戸時代に存分に掘り尽くされていたさまが伝わってくる。保存されている昔の街並みと古い時代の働きの証しそしてこの維持されていた自然の有様が何か忘れていたものを感じさせてくれるような気がしてなかなかいい。こんな景観がセットになっている場所は確かに今やほとんど見つけることができない。世界遺産らしい。
この日の夜はホテルマネジャー主催の有料のスペシャルディナーでくつろぐ。着飾ったおばさん達のはしゃぎっぷりが目立って如何にもクルーズ船の旅の雰囲気がある。そろそろ旅も終わりが近づいてきた。
浜田港を19時に出航し翌日は釜山港に8時に到着する、初めての韓国だ。
出国手続きは船内で済ませており簡単な入国手続きを港で行って半日のバスツアーに乗る。ウオンへの交換は勝手がわからず下船寸前に船のフロントで軽食・おみやげ代相当分を少しだけ両替した。釜山港での持ち時間でもすぐ近くに交換窓口がありまたバスガイドもバスの中で少しなら両替してくれるようで慌てて両替するほどでもないようだ。
釜山については旅行に出発する前に韓国第2の都市で人口は福岡市の倍以上と知ってちょっと驚いたくらいでほとんど知らない。車窓から眺めると高層ビルが多い、トランプのビルもあるらしい、高層ビルの景観では福岡は全くかなわない。
眺めのいい龍宮寺やAPEC開催のあった冬柏公園を巡った後国際市場を散策して屋台の軽食(チヂミ)を食べたりちょっとしたお土産を買ったりと過ごした。思ったより気楽なところがある。でも外国だ、駆け上がろうという意気込みというか思いを感じるとともに、そればかりではない独特の歴史を抱えた雰囲気を感じたりもする、興味深い街だ。バスガイドは日本語を話す現地の人だがこのところ空港経由の日本人観光客が激減していて商売が楽でなくなっていると今の状況も語っていた。色々あるが行き来が細ってくるのはいいことではない。
荷造りをして一晩明けると博多港だ。釜山の高層ビル群の景観と全く違う眺めの街が近づく、平穏な穏かな感じがにじみ出る、結構濃い旅だった。
クルーズ船の旅はフィーリングが今一つ合わない気もするが、動けなくなってきたらこれもいいように思う。今思い返せばなかなかの旅だったような気がして、またそのうちとの思いがない訳でもない。
後どのくらいこんな調子で過ごしていけるだろうか、ふとそんなことも思ってしまった、人生の旅は続く。
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