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2018年7月29日 (日)

ボーイング787に乗る

無茶に暑い日が続く。上空まで暑い高気圧が九州の上に居座って動かない。カスピ海辺りの高気圧がはるか北まで張り出していて固まってしまっている余波が及んでいるように思える。緯度に沿って高気圧低気圧と並ぶ並びが動かないので暑いところは世界的に見てもいやましに暑くなる。こんなのを崩してくれるのは台風くらいしかない。直接の被災地には大きな災いをもたらすがとにかくこの固まってしまった大気の配置を壊してくれるだろうと期待もしてしまう。
平均的には地球は暫く温暖化が進み極地でも生物の活動が活発となって酸素濃度を増やしてくれるだろう、そうすればまた少し涼しい地球が戻ってくるのだろう。数千万年単位ではこのくらいの昇温降温は恐らく地球はこれまでも経験し繰り返してきたのだと思う、少なくも恐竜が生まれたころの地球は相当に暖かかったはずだ。
温暖化が厭で地球の大気を人為的にコントロールしようとしてもとても歯が立つまい。おとなしくなすがままに従うことにならざるを得ないだろう、そういうことに人類は慣れてないのかもしれないが。温暖化、結構じゃないか、といってなんとかしのいでいくしかないしそれくらいは非力な人類でもできそうだ。

人類の技術なぞまだまだ全く大したものではない、いつもそう思っている。でも少しは

787a

進んでいるという技術に時には触れたくなる。航空機では787だ。ボーイングではかって777に続く機種は何かと長く議論が続いた末一時は低超音速を飛行するいかにもフューチャーリスチックな機体のプランになりかけた、しかしエアラインの反応がそこまではついていけないという雰囲気があったのかすったもんだの挙句 燃費の圧倒的に優れたところに技術のベクトルを合わせた先進機としての787の開発が決まった。ローンチカスタマーの一つはANAであり炭素複合材といい高容量のリチウムイオン電池によるシステムの全電化といいいかにも日本で育まれたと言える技術が大いに花開いた機体となった。よくぞここまで踏み切ったさすがボーイングという所がある。エアバスは一時従来機の改修で十分対抗できるとしていたがそのうちあっさり先進技術路線に切り替えて対抗機A350を出してきた。稀に見る大勝負に世界的航空需要の高まりとともに面白い展開なった挙句、両社とも大量受注を得て未来へと突き進んだ。787は初飛行後もリチウムイオン電池の不調やこれも先進化された大口径大バイパス比のファンエンジンが問題を何度も起こして必ずしもエアラインにとって楽な機体ではなかったように思う。しかしそれでも総デリバリ数は787は既に700機を超えた、787の飛ぶ風景はどこにでも見られる世界の風景となってきた。

787b

国内線に787が投入され始めてもう7年にもなるがまだ乗ったことがない。乗客としてで十分だから是非にも乗ってみらねばと思って過ごしてきた。このところ毎年6月には東京で同期会に幾つか出るべく東京を訪れている。せっかくだからと毎回テーマを見据えた東京旅行ともしていたが今年の目玉は帰り便にANAの787に乗ってみようというあたりにもあった。飛行機便は同期会出席というのでは高い切符で行くわけにもいかずLCCやスカイマークの早割を愛用していたが今年は5月に直前中止した粟島旅行で使うはずだったANAのマイルがフライトキャンセルでも幾ばくか戻ってきて片道分なら何とか使えそうという状況になりこの機会にと787便を抑えた。戻る日は午前中は都内を回って午後の便で帰ると考えていたが日が近づいてくると、去年の例からは結構疲れるし今年は梅雨明けが早く暑い日なたを歩き回るのは年齢柄やめたほうがいいかと思い始め、朝の787の便に変えてしまおうと考え直した。しかしANAのマイルフライトは変更受付が結構早めに締め切られる、電話した時にはもう締め切りを過ぎていた。電話オペレーターは当日変更でも十分席にゆとりがあるので問題ないですよと言ってくれるので、当日カウンターで変更する計画で福岡を出発した。気がかりなのは787は結構点検や整備の指示が出て機体のやりくりがタイトなようで本当に目の前に787が現れるかは保証の限りでないところでもあった。帰る日朝一番にホテルの朝食を食べて羽田に向かう。少し早すぎたかと思えば羽田

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の国内線カウンターには長蛇の列ができている。自動チェックイン機はずらりと並んでいるのだが結構切符の変更といったやややこしい相談の人が多いようで広い空港エリアのローカルな一部だけが混んでいるというちょっとアンバランスな光景が現出していた。時間はかかったがともかく午前の787便に変えられた、この日は間違いなく787のようだ。

 

ボーディングブリッジから機内に乗り込む、12Aの席で前から2つ目の入り口から入る。普通の感じだ。すぐのところに席がある、シートピッチが広いという感じでもない。

787f

 


座ると真横がロールスの大きなエンジンでファンが破裂すればブレードが飛んできそうな位置にある、あまり感じ良くはない。
機体は787-8, 335席の3-3-3配列、エンジンはロールスロイスTrent 1000-Hだ。
JAナンバーは見落としてしまった、ボーディングブリッジから入ると見るチャンスを逃しやすい、JA810A辺りかと思われるがよく解らない。
朝日を受ける側の窓だったので評判の液晶サンシェードも試す。

 

787c

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窓の下のボタンで明るくも暗くもできる、なかなか面白いし外を見ながら日差しも和らげる、いかようにもできるところがいい。

 

シートは少しは違うが取り立てて言うほどのことはない。

 

トイレも普通だ。ウオッシュレットがあるはずというのは忘れていて試さなかった。

 

787g

室内騒音は静かといえばそうだが驚くほどでもない。

 

アスペクト比の大きな翼ではガストに弱かろうという懸念は乗った感じでは解らない、それなりにガスト軽減の仕掛けがはいっているのかもしれない。

 

 

787i

ちょっとずつ新しい感じがする、乗ってみる感じではそれだけだ、やはりエアラインにとっての燃料費節減が大きな魅力に違いない。

 

 

 

 

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しかしトイレに立つと後方座席がガラガラなのが目立つ、ぴったり需要にあった便にするのは簡単ではない、787も国内線でどう使うか難しいところがあるようでもある。

 

 

 



787h

ANAもJALに対抗してwifiは無料でつながる。ANAのアプリを使うと現在の飛行位置や高度速度などもスマホで表示できて面白い。787だけのサービスではないがここらも新しい。

 

未だにロールスのエンジンにいろいろ問題は出ているがよくできた機体と思う。

ロールスのエンジンは3軸形式(通常は2軸、JALの787で使われている2軸のGEエンジンは
問題ない)で丁寧な圧縮を行うことで燃費を向上させるという方式をとっているが構造が複雑になりトラブルが起こりやすいという面を持つ、今回の緊急点検はこれがもろに出た感じだ。

 

 

787k

中段のコンプレッサーのブレードにクラックが入りやすいことが最近明らかになり点検頻度を上げて怪しいものは速やかに交換せよという改善命令が欧州航空局から出され直ぐに日本の航空局も指示を出したということらしい。根本的なブレードの改良はまだロールス側で完了しておらず、少なくも今年中は点検頻度を上げてしのぐほかないようだ。7年たってもまだ固まらないところに先進技術の恐ろしさがある。しかし色々あった問題も順次解決して、前には進んでいる。

 

人類は少しずつ前に進んでいる、そう感じるところがあるうちは結局はいい世の中なのかもしれない。いつまで続
くだろうか。

 


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