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2018年10月31日 (水)

ハイタカやハイイロチュウヒや

秋のタカの渡りはハチクマやサシバばかりではない。
鳥仲間から唐津の鏡山でハイタカの渡りが見られて面白いと教えてもらって天気のいい日に出かけた。鏡山は行ったことがなくどんなところだろうということもある。
唐津湾に面した標高300m弱の低山で頂上付近までクルマで行けるし虹の松原のすぐ南に位置していて眺めがいい。駐車場も広く遊歩道も設置され良く整備された公園の雰囲気がある。別名領巾振山(ひれふりやま)ともいう。松浦佐用姫が任那に渡る夫にこの

Kagamiym

山の頂で領巾を振って別れを惜しんだ(宣化(せんか)天皇2年(537年))という故事があって山上憶良も天平2年(760年)この地を訪れて領巾振山の歌を詠んでいる(万葉集巻5)。万葉の昔から既に有名な場所であったようだ。
確かに壱岐もよく見え、半島へ渡る船路がはっきりと見渡せる景観は古代から貴重な存在だったのだろう。
この日はよく晴れていて昼頃に眺めていると5-10分に一羽位の割合で壱岐方面からハイタカがぽつらぽつらと渡ってくる。数十羽の大群によるタカ柱という光景はないが十分楽しめる。タカ模様も見えていい眺めだ。ハイタカが北から渡ってくるのがよく見えるポイントがあるとは気が付かなかった。本州では半分留鳥のような感じがしていた。Haitaka12aa1a
7羽位見たところで引き上げる。気持ちのいい鷹見をしたとの思いがある。
1週間ほどして今度は諫早干拓地に色々鳥が出ているようだと教わってまた鳥見に出かけた。今度はやや遠く片道130km位クルマを走らせなければならない、まあ日帰りの範囲ではある。
Amur Falcon (和名アカアシチョウゲンボウという、英名の方が何だかかっこいい)が来ているらしいというので、土手に上がったりしてあちこち見ているとそれらしいのがいる。やや遠くて写真にとるのはちょっときついが双眼鏡ではよく見える。3羽位がホバリングしたり元気よく飛び回っているがその内取り入れが済んだ農地で別のタカ類と争うよう

A1

2aa

にやりあっている。別のタカは何かと思えばハイイロチュウヒだ、こちらはやや大き目で動きが少しは緩いこともあって何とか写真に撮れる。ナベコウ等も来ているらしいが見つからなかった、それでも結構楽しめたのでまあいいかと引き上げる。
帰りがけに大村湾PAで休憩しているとハクセキレイが3-4羽じゃれあうように駐車場の一角でからみつつ飛んでいる。そういえば諫早干拓地でも随分ハクセキレイを目にした。彼らもやはり北から動いてきているのだろう。

迫りくる冬を迎え鳥はその備えに忙しい。今年は本当に暖冬なのだろうか、そんなことを思ってしまう。どこか暖冬でない普段の寒い冬がきちんと来てほしい、そうも願っている心を感じる。

Sekireidns2a

とにかく、もうそこまで冬が来ている、廻る四季が有難い。

 

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2018年10月29日 (月)

オルフェオと井筒と流れゆく時間

毎年秋には福岡市で、規模はそれ程大きくないが、古楽の音楽祭が開かれる、今年

Orufeo

はアクロス福岡でモンテヴェルディのオペラ「オルフェオ」を見た。1607年初演のバロックオペラだ。原語はイタリア語だが勿論字幕が付く。オーケストラボックスはなくて管弦楽団も舞台の中央にいて宮廷での演奏会もこうだったのだろうという形式で演じられる、舞台装置は殆どない。題材はギリシア神話にとっている。太陽神アポロの子オルフェオは蛇に咬まれて死んだ妻エウリディーチェを黄泉の国から連れて帰ろうとするが振り返ってはならないといわれていたのをつい振り返ってしまい、連れて帰ることができなかった というのが大雑把なあらすじだ。
単調な展開というのもあるが歌声と曲のうねりにどこにも悲劇的なあるいは劇的なところがなく淡々と進行していき、とにかく眠い
寝不足もある。男声はカウンタテナーで女声のような高さの音域で奏で、対する女声と音域が近く気持ちのいい音域ばかりを使って曲が構成されている、それが眠りを誘う気もする。リラックスする響きだからだろう、宮廷で演じられていた時代でもこれは眠かったに違いない、そう思う。
ともかくこのまま寝入ってしまえばどんなに気持ちよかろうという心地だった。

このつい5日ほど前に能を久し振りに見たばかりだったが能のほうが遥かに目が覚める。

Idutu

こちらのほうは住吉神社の能楽殿という能舞台で演じられたのをひょんな経緯で見に行ったのだが住吉神社の境内の中にこんな立派な能舞台があることなど全く知らなかった。この時は宝生流で「井筒」が演じられていた。なかなかの微妙な男女の感覚を見事に能に落とし込んでいるところがいい。
福岡市にはこのほかにも大濠公園にある能楽堂が知られていて2つも本格的な能舞台があるとは、と思ってしまう。立派な文化都市だ。


諮らずも西洋と日本に伝わる古典舞台芸術を続けて見たことになる。数百年の時代を越えて音曲で演じる舞台がいずれもそのままの形で残されて今でも人の心に響くものを与えてくれる、そこにちょっとした驚きを感じてしまう。永遠の命というものがあるとすればこのようなものかもしれない。この先どこまで伝わっていけるだろうか、1000年位はいけるだろうか、あるいはひょっとしたら1億年位も伝わるかもしれない。目の前を滔々と流れゆく時間が感じられてきてこれに手を振って励ましたくなる。人の心はそうは変わらない。

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2018年10月27日 (土)

カズオイシグロの「私を離さないで」

またまた図書館から予約の本の貸し出し順が回ってきたとの連絡が入る。カズオイ

Watashiwo

シグロの本だ。今回は「私を離さないで」だ。すらすら読めて2日で読み切って返却する。読後感はあまりよくない、今まで読んだイシグロの作品では最も心に残らない本だった。

どうにもついていけないところを感じる。イシグロの構築した世界--臓器提供のためだけに創り出されたクローン人間群の一生をその内側から語るという設定に どうにも共感を覚える接点が見いだせない、もどかしい。
このような形を借りて現代に生きる読者に共感を与え言いたいことがあるというのではなく 臓器提供という運命を定められ育っていきその役目を果たして命を捧げていくクローン人間の世界そのものを描くことに全てを注ぎ込んでいるように見えて、ついていけなさを感じてしまう。
イシグロの作品の中では最も共感を感じにくい作品になっているように思う。2005年に発表された本書は 構想を得て書き進められた時点ではクローン羊ドリーが発表されて日も浅く、イシグロがクローン技術の急速な進展に触発されて書いたものと思ってしまう、多分そうなのだろう。現在ではヒトへのクローン技術の適用は国際的に禁止との合意形成がなされており、見通せる未来にはこの書にあるようなクローン人間が次々に作られるという事態はとても想定できない。そんな未来を導いてはならないという思いがこの書を書かせたともいえるのだろう。
しかし、考えてみればヒトクローン禁止の合意形成にこの書が何らかの貢献をしたのかもしれない、それが実を結んだように感じられるがゆえに今となってはこの書はリアリティーを感じさせないとなった、それはむしろ著者が望む方向だったということかもしれない。小説は難しい。文学的にはどうあれ文学が社会に果たせる役割そんなことをイシグロは思っていたのかもしれない。

色々考えてしまう。そこがイシグロらしくて面白いところなのだろうか。不思議な本だ、今はそんな感想を持ってしまっている。
次はイシグロの予約本も最後になってしまう。イシグロという人に対する興味にはつきないものを感じている。

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2018年10月25日 (木)

料理を習う

つい最近料理を習い始めた。
別に困っている訳ではない、暇になるとやってみようかと考えていたことの一つであったというに過ぎない
今回の直接のきっかけは高校の同期のメーリングリストだ。関西在住者の希望者を募って大阪ガスの男性のための料理教室に10名くらいで参加して(面白かった)との記事が出ていてちょっと引っかかっていた。皆同じだな、そう思った。そして、そうかガス会社ではクッキングスクールを会社として運営している、何となく行きやすそうだ、こちら福岡にもそのようなものがあるはずとも思った。調べると思った通り西部ガスが開いている料理教室の中に男性のための、というコースが見つかる。10月からのコースの募集が間もなく始まるという時期だったので、募集開始を待ってとにかく申し込む。応募多数の場合は抽選で、とある、電話で聞くと大体2倍くらいの応募になるのが通常らしい。外れるかもしれないと気にしているとこれとは別に市の広報紙に男性向けの料理教室が9月下旬から開催とあるのを見つける。高年齢者向けで一応対象年齢には入る。応募開始を待ってこれもすぐに申し込むがこちらも多分抽選になるという。いずれも半年に5-6回くらいのペースで西部ガスのとはうまく日がずれている、両方当たってもやれそうだ。
抽選日が程なく訪れて結果の郵送を待たず電話で問い合わせると両方とも当たりと分かる。
費用は西部ガスのほうは半年で13000円、市のは1回600円で両方やっても大した負担でもない。
まずは市のコースが始まる。実施場所は老人センターで、そもそも老人センターというところを初めてみる、こんなところに次第に頻繁に出入りするようになってくるのだろうか。一種独特の空気が流れている。あまり心地よくはないが設備もあるしスタッフ

Ryouri1

もいるそれに駐車場もあって簡単に開催できるということなのだろう。
10人位で基本的に初めての人だ、このコースを終わると進んだコースが別にあるらしい。10時にスタート、昼までに作って昼食としてこれを食べて帰るという組み立てだ、この日は餃子と卵スープ、他を作る。協力しながら作っていくので全部の手順をすべてやってみるということにはならないがまあそれなりの実際的なやり方が解ってくる。兎に角この日は餃子をたらふく食って帰る。
2週間後に今度は西部ガスのコースの初回が開かれる。こちらは20人くらいいて場所も博多駅近くの近代的ビルの中だ、メンバーは年齢層がばらついていて普通の感

Ryouri2

じだ。驚いたのは自分以外はこの日は全てこのコースの経験者ばかりだったことだ。抽選では経験者が優遇されるのだろうか。この日は栗ご飯とロースかつ及びあえ物を昼過ぎまでに作って同じように食べて帰った。経験者ばかりということがあって作るスピードが速くやたら忙しい。市のより大分高いだけあって食材がいい。こちらも分担してやるので分担したいことははっきり意思表示して参加する態度が必要となる、ちょっと疲れる。

バタバタと作っていくが結構おいしい栗ご飯やとんかつが出来上がる。

自宅で復習に時々習ってきた料理を作ってみる。完璧とはいかないが大体はうまくいって結構いける、家人の評も悪くない。

少しは新しい生き方が開けたような気がしてくる、それがいい。それにしても西部ガスの料理教室は常連ばかりというのが未だに解せない。不思議な世界に行き当たったようにも思えてこれからの展開が楽しみでもある。

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2018年10月23日 (火)

オペラカルメンを見る

ブルガリア国立歌劇場公演のカルメンをアクロス福岡で見た。
ブルガリアと聞くとヨーグルトが浮かんできてヨーロッパの田舎とのイメージがどこかにある。でも首都ソフィアの名前を聞くとあのソフィアの秋の舞台かと少し洒落た印象もある。要するに何もわかっていない。ブルガリアの場所はというと ギリシア国境の北、ハンガリーの南、黒海にその東端が面しているという位置にある、所謂東欧という言葉くらいしか頭に浮かんでこない。

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今回の公演の出演者についてもまともな知識は全くなくて更に指揮者が日本人というところには驚きすら覚える。一体どういうオペラの劇場なのか。Sofia opera という表記を現地のホームページでは用いておりこの呼び方が通称のようではあるが National Opera and Ballet という呼称が正式のようでありオペラとバレーの出し物を活動の中心にしているような組織との印象を受ける。

ともかく観るしかない。
幕が上がるとMET(メトロポリタンオペラ)の映像で見たりするカルメンの冒頭のシーンとは全くといって違っている。確か工場の女性工員と軍人との掛け合いがあったはずだが、それは顔のない合唱隊の歌に置き換えられている。仮面劇のようだ。ホセとカルメン、ミカエラ(ホセの許嫁)の3人だけが中央の丸い赤い舞台に上がれる、そしてそこで物語は進んでいく。能舞台を意識したと演出者(
カルターロフ(劇場総裁!))は語っている。よく知られた旋律が次々に出てくるが、間はレスタチーボではなくセリフでつながれていく、普通のカルメンとは全く違う組み立てだがごちゃごちゃしたところがなくわかりやすい。切れ味がいい。福岡の地元の子供たちも初めの部分で出演するが違和感はない、合同のリハーサルは全くといっていいほどなかったはずだがよくぞ練習したと思える。
ヨーロッパの田舎の歌劇場公演とは全く思えないモダーンな舞台だ。歌唱力はさすがにプロフェッショナルで、オーケストラのメリハリもいい。ヨーロッパの田舎という思い込みは全くといっていいほどに的外れだった。
カルメンはゲルガーナ・ルセコーヴァ、注目のナディア・クラスティヴァではないが歌唱力は素晴らしいものがあった、十分だった。
何といっても演出が素晴らしい、それに尽きる、それを支える技量確かなオペラが見れたというあたりが好印象を与えるように思える。
こういう演出の時代に入ってきたようだ。衛星放送で観るMETの出し物にも古典が現代の舞台設定だったり大幅に従来のものとは違う演出がしばしば見受けられてそういう時代になったのを感じさせていた、それが眼前に展開するとここまで来たかと改めて感じる。
一つの時代の感性が示されたオペラだった。
見たかいがあった。
カルメン役のルセコーヴァは樽のようでとてもすらりとしたカルメンの印象はないがそれを補うべく仕組まれたのかバレリーナによるカルメンとして踊る場面の挿入だった。ここにも斬新さがある。体型の引き締まったオペラ歌手などそういるものではない、こんな分業も面白い。

全体に良くできたオペラだった。また来ればまた見よう。

この演出は日本向けに準備されたものだったが初めてブルガリアで披露した時も好評だったという。日本の公演という形がアートの世界にそれなりの刺激を与えるものならばうれしいことだ。こうやって響きあいながら世界は進化していけるのだろう、世界の平和も保たれうるのだろう。

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2018年10月11日 (木)

長崎くんちを見る

台風が少しばかり足早となってキャンセルした予定が2つあったのもあって、少し時間に余裕ができた。そういえば長崎くんちはこの時期だ、九州の祭りとして有名だが良く分からない、一度見てみたい、そんな気がしていた。出し物を桟敷席で見るというのが普通の見方の様だが調べると今年の桟敷席は既にすべて売り切れている。

街中を巡って出し物の一部を披露していく庭先回りというのは誰でも観れるとあるので、とりあえずこれを日帰りで見てみるというのでもいいか、その他御輿が諏訪神社に戻るおのぼりというのも見どころのようで、とに角行けば祭りの雰囲気は味わえそうだと9日最終日に高速バスで往復することにした。
高速バスは福岡発8:10というのが早くて良さそうだったが迷っているうちに満席となってしまい次の8:35の便とした。瞬時に決めていく心がこんな時は肝心だ。
観光協会に電話して聞くと長崎くんちナビというアプリがあってこれで今出し物がどこにあるか刻々と解る、これを見ながら動き回ればいいと教えてくれる。
ネットで色々調べる。お上りの見どころは県庁前の坂を一気に上るところと諏訪神社の階段を一気に上るところとわかるがうまく見れるだろうか、そもそも庭先回りとはどんなものなのか、今ひとつ解らない、がしょうがない、まずは1日電車券をバスターミナルの上で買って諏訪神社辺りに行った後南下して昼食、くらいのアバウトな計画で当日を迎える。
日帰りだから大した荷物にもならない。高速バスはスマホ電源付き車内wifiありとスマホ利用者に随分と気を使っている、景色に倦きても確かにスマホをいじっていれば移動時間はそれほど気にならない、それに眠くもなってちょうどいい。
予定より10数分遅れで長崎駅前に着く、遅れは福岡バスセンターに来た時点で既に生じていたが最近のバスは遅れを取り戻すために高速で飛ばすということはやらないようだ、安全重視が徹底してきている、そういう世の中だ。
予定通り3番の市電に乗って諏訪神社で降りて神社の方へ向かうと早速何かの出し物が道路上を動いていて人だかりがしているのが目に入る。少し近づくと、有名なコッコデショ(樺島町の太鼓山)だ。掛け声と共ににだしを投げ上げた、さっそくだ、これはすごいと思っているとこちらへ近づいてくる。すぐ目の前に来てまた投げ上げるしぐさを始める、慌ててカメラやらビデオやらを引き出して構えるが近いとかえってうまく撮れない。着いてたちまち祭りに引き込まれた思いがする、こんな祭りだったんだ。
諏訪神社の石段を上がっていって境内で演じられている出し物を遠目で見る、船をぐ

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るぐる回したりしていたがその内石段を人力で降ろしにかかる、船には子供たちのお囃子が乗ったままだ、ちょっと怖そうだ、ガタンガタンと随分な音を立てながら降りてくる。目の前まで降りてきたところで90度回して横の道へ去っていく、これから市内を回るということになる、とにかく手をかけた祭りだ。

しかし立ちつくして見ているというのは疲れる、おまけに石段の上だ、足場が悪いし混んでいて自由が利かない。脚がこわってくる。もうこれで諏訪神社の出し物は終わりというところまで見て浜町方面に電車で移動する。まずはどこかで昼食をとって県庁坂のおのぼりを、と動くが勝手が今ひとつ解らず右往左往している感じになる。チャンポン屋を探したが見つからず、ちょうどいい感じだったアビのパン築町店という店が目に入って竜馬カレーというのを食べる、なかなかいい。

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13時頃がお上り@県庁坂という何年か前の情報がネットにでていて多分同じだろうちょっと遅れたがまだ坂を上ってはいまい、と食べ終わってすぐ近い県庁坂に行くと既に坂を上りきったところで隊列は休んでいる。出遅れた、ぴったり13時に行ってなければならなかったようだが、疲れていてそこまでの元気はなかった、しょうがない。そのうち浜市に向けて隊列はゆっくり下り始める、3基の黄金色に輝く神輿があって如何にも秋祭りの行列だ。坂を駆け上がるところは見逃したが行列を見るだけでも何か面白い。行列と同じようなペースで浜市アーケードを進む。観光協会の話ではハマクロス辺りで見ていると庭先回りは見やすいとあったので、ハマクロスまで行ってしばらく様子を見る。思ったより小さな十字路だ。スマホのくんちナビの情報を調べると

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出し物はまだここまで到達しそうにないのでゆっくり眼鏡橋方面に向かって歩いていくことにする、どこかで出会うだろう。細い通りを前から東古川町の川船の隊列がやってくる、通れないので脇道へ入って眺める、進んでいくだけで特に演技はない。まあ秋祭りだ、屋台と見ると鹿沼の彫刻屋台の方が芸術的かなという気がする。こちらは演技で工夫しているのだろう。

Karafune1s

もう少し行くと今度は大黒町の唐人船が諏訪小学校の前で船を回しているのに遭遇する。近くで見るとこれは大変だ、これを一日中街を巡って各所で披露するのは並大抵の体力ではない、すごい。

紺屋町の本踊りというのはこの辺とくんちナビに出ているがそれらしい隊列はない。ばらけて休憩中なのだろうか。色々なのがかえって町を挙げての祭りらしい。
かなり疲れてきたので電車で諏訪神社まで戻ろうと市電の停留所に向けて市民会館のあたりに歩いて来ると人が集まっている。どうやら樺島町の太鼓山(通称コッコデショ)を待っているらしい。コッコデショは人気が高いようだ。電車通りのところまで来ると出し物が近づいてくる、確かにコッコデショだ。移動中も足を揃えてザクザク進ん

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でくる、と立ち止まって出し物を放り上げる動作に入った。今度はビデオを何とか構えて一応撮ることができた。祭りの3日間で8百回位この放り上げる所作をするらしい。1トン近くある太鼓山を片手で投げ上げ受け止めるのだから相当な体力と統率が必要だ。太鼓山は7年に一度しかみられないという、貴重といえばそうだ。
もう出し物は大体見たと諏訪神社に戻って最後の駆け上がりを見ることにする。電車を降りると石段のところ

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に人だかりがある。神輿は石段の下に3基着いていて休憩中だ。上まで上がって見どころとなっている長坂の階段の近くまで行くには足が疲れすぎているのでここらあたりから見ることにする。2時半近くになって動き出し見る間に急な石段の上りにかかる、一気に登っていくが2つ目か3つ目の神輿は途中でちょっと乱れた、しかしややあって無事3基とも最上部まで登り切った。これで祭りの本体は終わりとなる。最後まで気の抜けない祭りだ。

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とにかく足が厳しくやっとの思いでで電車に乗って長崎駅前まで戻る。バスは18時過ぎのを予約していたが1時間半くらい前の便に空きがあったので変えてもらう、簡単だ。
7時半過ぎに自宅に辿り着く、目くるめく一日が終わった。
長崎くんちは大変な祭りだ、やるほうが一番大変だが見るのもそれなりの覚悟がいる、でも面白い祭りだ。次に行くならもはや桟敷付きのツアーに限るだろう、また教訓を大分得てしまったようでもある。それもいい。

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2018年10月 2日 (火)

2018年9月の福岡市南区周辺及び訪問先の野鳥


冬鳥の到来は明瞭でないがタカの秋の渡りは例年通り頭上を賑わした。今年は自宅からも明瞭にハチクマのタカ柱を観察できたし、念願の五島・大瀬埼から東シナ海に

Hachikumajtk1

向かって旅立つ多くのハチクマの姿を見ることができた。秋はやはりタカの渡りが面白い。

手元のメモに残された記録は下記の通り:

2018.9.2 16時 曇り8Sc060 福岡市南区長丘周辺の野鳥 中公園 カワセミ1、スズメ2、メジロ・シジュウカラ・エナガ混群Σ10位 ハシボソガラス1 新市楽池:バン5(2+若1+雛2)マガモメス1 鹿介池 メジロ、アオサギ1、マガモ3(エクリ1、

Aosagi5

♀2)、ドバト2、ハシブトガラス1 

2018.9.7 7時 曇り風力3,7Ac260 2Sc060 福岡市南区長丘周辺の野鳥 カワラヒワ1、中公園: アオサギ1、ムクドリ20、モズか1、カワセミ1+1?、ヒヨドリ2、ムクドリ、ハクセキレイ1 新市楽池:バン4(2+若1+雛1 間 シジュウカラ2 鹿介池: マガモ1(エクリ1)、橋細1、ハシブトガラス1、シジュウカラ1、アオサギ1、エナガか声1、スズメ1、 

Suzume

2018.9.11 16時 晴れ・曇り 3Ac250 風力1 福岡市南区長丘周辺の野鳥 エナガ5 中公園:キジバト2、ヒヨドリ1、シジュウカラ1-2 、アオサギ1  新市楽池:バン2(親1雛1) ハシブトガラス1  鹿介池 シジュウカラ1-2、コゲラ声1、アオサギ1、バン1、スズメ1、ヒヨドリ 

2018.9.13 13時30分 小雨   福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥

Kosagi

      ホシハジロ♀1、、マガモ9(エクリ5、♀4)、バン2、ハシボソガラス1、アオサギ1、ハシブトガラス1、スズメ6-8

2018.9.15  10時30分 福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥
      ドバト8、マガモ7(エクリ3、♀4)、バン2、ハシボソガラス2、アオサギ1、チュウダイサギギ1、スズメ6

2018.9.17 am9   福岡市南区長丘周辺の野鳥
 イソヒヨドリ声1、中公園:コゲラ声2、キジバト1、チュウダイサギ1、ハシボソガラス1 、アオサギ1、シジュウカラ声1、ハシブトガラス1、新市楽池:、バン3(親1、雛2)スズメ10 鹿助公園:バン1、アオサギ1、ムクドリ3、コゲラ1

2018.9.19 am11-12 福岡市油山片江展望台  ハチクマ 約250

2018.9.21 am10:30  曇り 福岡市南区長丘周辺の野鳥  鹿介池:シジュウカラ2、

Isohiyo

ムクドリ5、アオサギ1 新市楽池:、バン4(親2、雛2)、メジロ1、スズメ3、ジョウビタキ声か、ハシボソガラス1 中公園:ムクドリ5、コサギ1、メジロ、スズメ、シジュウカラ、キジバト2

2018.9.24  14時 福岡市城南図書館裏西ノ堤池の野鳥
      マガモ10(♂7、♀3)、バン1、ハシボソガラス2、アオサギ1、コサギ1  スズメ10

Misago1


2018.9.25 13時30分 福岡市自宅上空 ハチクマ40

2018.8.17 am7:30  晴 clear NE2m 福岡市南区長丘周辺の野鳥 中公園: マガモ5(エクリ2、♀3) 新市楽池:バン2(1+ひな)、マガモ2(エクリ1、♀1) 鹿介池:ハシブトガラス1、ムクドリ20、バン声、ハシブトガラス3、ハシブトガラス2、マガモ2、、スズメ1、

Hachikumaosea1


2018.9.26-28 五島列島
 27 6:00-8:00 晴れ風速7m 大瀬埼 ハチクマ600-700 ツバメ、アマツバメ、サンショウクイ、イソヒヨドリ、ミサゴ、トビ、メジロ、ヒヨドリ、サシバ、ハシボソ/ハシブトカラス、アカハラダカ、チゴハヤブサ、キセキレイ

Hachikumaosec

28 6:00-7:30 快晴風速3-4m 大瀬埼 ハチクマ 100

Hachikumaoseb

程度 、他は前日と同様

 28 昼 博多航路中 オオミズナギドリ数羽 ウミネコ トビ 
 


 





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2018年10月 1日 (月)

五島の旅その2-ハチクマの渡り

五島の旅の続き 2日目はメインイベントのハチクマの渡り観察だ。日本での最終ポイントであるこの地から一気に東シナ海を渡る、その決意の飛行を見たい。

事前の予想通り風が強くて、一晩中目が覚めては風の音を聴いていた。民宿の泊り客

Hachikmose4

6名は全てハチクマ観察だという。全員の朝食はおにぎり弁当で朝5時には民宿の玄関に並べておくとのことだった。5時過ぎには出たいという声があるのだろう。
日の出時刻は6時16分のはずなので5時過ぎに起き出せば十分とゆっくり準備して5時40分頃出かける。勿論他の泊り客は出払った後だ。明け始めていて薄明るい。

事前にネットで調べておいた大瀬山直下の駐車場に一路向かう。10分位で到着するがもうクルマで駐車場所はほぼ一杯だ。かろうじて停められるスペースにクルマを置いて、大瀬山への階段を上る。10分もかからずに山頂に着く。ずいぶんと人が多い。クルマの台数以上の人がいる感じだ。様子を見ていると団体ツアーが入っているようだ、後で聞くとワイバードだという、10名ちょっといるらしい。
東よりの風が強く持参のセーターを上っ張りの下に着る、風速を計測してみると7m位ある、まずは予想通りだ。

Hachikmose3

ハチクマの姿がパラパラ見えだしてきたところで太陽が頭を出してくる。なかなかの景観だ。するするとハチクマの数が増えだして60羽位のタカ柱が次々にできては風に乗って西へと旅立っていく、すごい数だ。
大瀬山の斜面風を使ってそのあとも上空の雲の上昇風でつなげていくのだろう。風が強いだけに最初の上りがよくハチクマはみるみる上がってしまって写真に入れ込んでいる人たちにはちょっと不満もあるようではある。
ワイバードのガイドの人が説明してくれるので観察は楽だ。日本中のハチクマがここ

Hachikmose1

に集まるだけにすごい。時々アカハラダカやチゴハヤブサも混じる、サシバの姿もあったりする。
スマホの方位磁石アプリで見るとキッチリ西に向いて飛行していく。沈みかけた満月に向けてハチクマが飛ぶ姿は美しい。海の上には遠くに積雲の帯も見えて渡りに絶好の日よりとなっているようだ。
翼端の黒い幼鳥もたくさん飛んでいく。頑張れと声援を送る、こんな日に渡れなければもう渡れないという位いい日だ。

Hachikmose2

7時半くらいには出発すべきは凡そ皆旅立って行って静かになってくる、自分で見ただけでも600-700羽がこの短い時間の間に渡っていった。当たりの日だ。
8時を過ぎたころワイバードを始めとする観察者は帰り始める、午後に九州本土から渡ってくるハチクマが現れるまで暫くお休みとなる。
一応これも予想の内で、この間に玉之浦周辺の見どころを観光する計画だ。ゆっくり時間があるので向かいの島山島に

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行ってみたり、近くの井持浦教会を見て見たり、ここにはルルドという聖水の湧き出しがある、対岸の荒川温泉の足湯につかってみたり、南の島に来たような頓泊海水浴場の美しさに触れて見たり、アコウの巨木を見たり、あちこち走り回る。見るべきところはまだまだある感触で今度は海の遊びに来るのがいいかとも思ってしまう。いい島だ。
NEWパンドラというレストランで昼食をとった後また大瀬山に戻ってハチクマ観察を続ける。九州本土から来るハチクマは思ったほど多くはなく、男女群島の方から飛んできたりする、コース取りを間違えたか北風に流されて今日は無理となって帰ってきたのか、それとも、数は多くないが四国から宮崎・熊本を結ぶルートの先にある男女群島にまずは渡ってこちらへ来たということかもしれない、よく解らない。総じて思うほどには多く飛来せず、もう渡りのピークは過ぎたのかなとも思う。
4時頃撤収して後は宿で休養する。兎に角朝早くから活動していると疲れる。

3日目は帰る日で10時10分福江港発博多行のフェリーを予約してある。ハチクマ

Oose

の渡りは朝が勝負なのでこの日も前日と同じような光景を期待して早朝から山に上がる。前日よりも車の数が多くて少し先の駐車場所に停めざるを得なくなるが大したことでもない。
この日はよく晴れていて風も前日よりは弱い。斜面風を利用するほどには風が吹いていないためか上空のハチクマの数が少ない。場所を変えながら見ていると、カウントをしている方が2連スコープを海面の方に向けながらカウンターをカチカチ入れているのに気付く、その方向をよく見ると、海上の低い高度を羽ばたきながら渡っていく数多くのハチクマの姿が遠目に見えてくる。ハチクマの渡りでは見たことの無い光景だ、小型の鳥は大抵が羽ばたいて渡りをするのだからハチクマが羽ばたいてもそれもありかなとも思えるがいかにも必死だ。天気がいいうちに渡ってしまいたいのだろう。力尽きて海に落ちることの無いよう祈るばかりだ。やはり渡りは命懸けだ。
こんな姿を見ようとは思わなかった。この地に来て見なければ解らない渡りの実態がある。
予定の7時半ぴったりに山を降りる。間近でハチクマを見る事は出来なかったが、色々と感じることがあった。来ている人も様々で面白かった。

Fune

予定よりやや早くレンタカー屋に辿り着いて返却した後港まで送ってもらう。10時10分の出航だが乗船は10時少し前から始まる、ギリギリの感じだが乗客が可成り少ないのでこれでも全く問題ない。1日船に乗って博多へ着くという移動は敬遠する人が多いのだろうか、大瀬山やツアーで話していても大概は長崎までのジェットフォイルや航空機利用だった。
往きの夜行では見られなかった五島列島と平戸・生月島の島の連なりの感じや松浦半島の姿を海から見てみたいと思っていた。福江から

Umi

一気に長崎に渡るのでは勿体ないように思う。金印伝来の昔からこの海を多くの古代人が渡って大陸と行き来していたその現場だ。
島々の間を進んでいく、思った以上に島だらけの海だった。半島経由にせよ中国から直接にせよこれだけ島があればどこかにはたどり着く、そんな感じがする。海の中に島が集まって国の形を成している、と見えるだろう。
魏志倭人伝の書き出しの 倭人在帶方東南大海之中 依山島為國邑 という感じがそのままのように思えてくる。

男女群島から松浦半島までの切れ目のない島々、入江があったればこそ古代人の船でも日本に向けて外洋を思い切って渡ることができ古くから大陸の文化がもたらされてきたのだろうと納得する。
この感じは見てみなければわからない。

いい旅だった。見たいものを見、感じるべきものを感じたという気がする。こんな旅がいつまで続けられるだろうか。



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